ケビンの一言いわせて! #58|山ノ内町議会:誰が監視者を監視するのか

以前にも書きましたが、私は中学生の頃、1年だけラテン語を学びました。パーマー先生に教わったことのほとんどは忘れてしまいましたが、50年近く経った今も覚えている言葉があります。
"Quis custodiet ipsos custodes?"
日本語に訳せば、「監視者を誰が監視するのか」という意味です。
この言葉は二千年近く前の古代ローマの詩人ユウェナリスによるものですが、今も腐敗防止や説明責任をめぐる議論でよく引用されます。「権力は必ず監視されなければならない」という、民主主義の基本原則そのものだからです。人は誰でも、自分自身や仲間を完全に客観的に評価することは難しいものです。善人か悪人かの問題ではありません。だからこそ現代社会は、独立した監査や第三者委員会を重んじてきました。
ところが、この問題は今の山ノ内町議会で繰り返し見られます。議会は本来、町行政を監視し、町民を代表する機関です。しかし一部の議員は、自らもまた監視される側にあることを忘れているように見えます。議会が直面する最大の問題の一つが、「身内による身内の調査」です。
より大きな問題の最初の兆候は、ある教育関係の会議での議員によるルール違反でした。その件について、私は議会へ文書を送りました。対象の二人の議員のうち、一人は違反を認め、もう一人は覚えていないと答えました。しかし行われたのは、非公開の場での謝罪だけでした。町広報に短い説明が載っただけで、警告も処分もありませんでした。まさに「身内による身内の調査」です。
もう一つは、議員による職員ハラスメント問題でしょう。町のアンケートでは、多くの職員がハラスメントを経験または目撃したと回答しました。一方、平澤町長は議会の場で、行為をしている側に自覚が乏しいと率直に語りました。被害を訴える職員がいるのに、当事者にその認識がない――身内が身内を省みるとき、この隔たりは容易に埋まりません。議会は今、ハラスメント防止の議論を進めています。それ自体は評価すべきことです。しかし、過去に何があり、誰が何をし、どのような責任があったのかは、十分に検証されたとは言えません。これもまた、「身内による身内の調査」が抱える限界でしょう。
さらに過去のコラムでは、利益相反や議員への支払いの問題を取り上げました。議会内部で調査が行われたと説明されましたが、その過程も結論もほとんど公表されていません。しかも、その調査は議員自身によって行われました。会議録も作成されず、町民が検証できる資料も残されませんでした。これでは、納得を得るのは難しいでしょう。
問題は、これらがすべて同じ構造的欠陥から生じているように見えることです。批判したいのは個人ではなく、その仕組みです。だからこそ、第三者の目が必要なのです。
二千年近く前のローマ人が見抜いていた難題に、私たちは今も向き合っています。
山ノ内町議会がこの問いに説得力ある答えを示せない限り、町民の信頼回復への道は閉ざされたままでしょう。
