ケビンの一言いわせて! #46|「経験不足」で候補者を否決した"経験不足"の議員たち

英語に「目くそ鼻くそを笑う」に似た表現があります。「The pot calling the kettle black」、直訳すれば「鍋がやかんを黒いと笑う」です。経験が十分とは言えない女性議員たちが、女性候補を「経験不足」を理由に否決した今回の出来事は、まさにこの表現がふさわしい場面と言えるでしょう。以前私は女性自身の間にも存在する女性差別について書きました。この偏りは社会で制度的に現れ、世界中で指摘されています。今回の否決は、山ノ内町議会においても同様の構造的な偏りを疑わせる事例と言えるでしょう。
現在の副町長は長野県からの派遣で延長も限界に達しており、後任が必要な状況でした。これまで副町長は主に国や県の官僚が務めてきましたが、町長は子育て世帯を重視した住民目線の新しい発想をもたらしたいと考えていました。
町長が提案した候補者、野田瑞絵氏は、町出身のアルペンスキー・スキークロスの元選手として国内外の大会で活躍し、町内で3人の子どもを育てながら地域コミュニティでも積極的に活動する女性です。行政改革推進委員会の委員として町政に直接関わる実務経験も有し、「孫が帰ってきたくなる町」という町長のスローガンを体現する存在でした。
議会はこの提案を否決しました。それ自体は必ずしも驚くべきことではありません。議会には進歩に対して消極的な傾向があり、町長の提案に殆ど反対の立場を取る議員が数人います。しかし特筆すべきは、否決に賛成した側に、女性議員三名のうち二名が含まれていたことです。
反対票を投じた女性議員の一人は公明党の公認を受けた一期目の議員、もう一人は補欠選挙を経て当選した共産党の議員です。社会的弱者の声を代弁するとされる両党の議員が否決に加わったことは看過できません。「経験不足」を理由に挙げるなら、その基準が公平に適用されているのか、明確な説明が求められるはずです。
男女共同参画を公式に掲げる町でありながら、議会はその前進を支えるどころかむしろ妨げている側面も見受けられます。町民として、私たちは次の選挙で議員の実績と判断の一貫性を厳しく問うべきです。
追記:
反対票を投じた女性議員二名が賛成に回っていれば、賛否は逆転し、野田氏は町史上初の女性副町長として承認されていた。
副町長人事案に関する議員別採決結果
町史上初の女性副町長の実現に賛成した議員
議員名性別採決
徳竹栄子 女 賛成
志鷹慎吾 男 賛成
塚田一男 男 賛成
小田孝志 男 賛成
町史上初の女性副町長の実現に反対した議員
議員名 性別 採決
畔上恵子 女 反対
湯本るり子 女 反対
小林仁 男 反対
高田佳久 男 反対
湯本晴彦 男 反対
山本光俊 男 反対
小林克彦 男 反対
投票しなかった議員
議員名 性別 採決
渡辺正男 男 欠席(入院中)
白鳥金次 男 非投票(議長職のため)
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