【問題解決のパターン18】振動を利用する
問題解決に使えるのは、物(物質)だけではありません。
振動といったエネルギーを利用することもできます。
振動をうまく利用する方法を、わかりやすい例を用いて解説します。
超音波や共振(共鳴)を利用した例もご紹介します。
発明原理18 振動
次の図は「発明原理18振動」のイメージ図です。

物(物質)を振動させることで、効用を得ようという考え方です。
「発明原理18振動」のサブ原理は次のようになります。
サブ原理A:振動させる
サブ原理B:振動の周波数をあげる/超音波を使う
サブ原理C:共振を使う
サブ原理D:圧電素子を使う
サブ原理A:振動させる
楽器には、さまざまな種類があります。

楽器とは「音楽を演奏するために音を出す器具」です。
それぞれの楽器は、さまざまな音を出しますが、すべて振動を利用して音を出しています。
演奏を聴く私たちも、振動を利用して音を聴くことができます。
振動の効用はすごいですね。
サブ原理Aの適用例は以上です。
次はサブ原理Bを説明します。
サブ原理B:振動の周波数をあげる/超音波を使う
サブ原理Bは次のようになります。
サブ原理B:振動の周波数をあげる/超音波を使う
イルカも超音波をうまく使っているようです。

イルカが超音波を出す
超音波が獲物に当たって反射する
反射した超音波を受けて、獲物がいる方向や距離を認識する
広い海の中で、振動を利用して獲物を見つける能力はスゴイですね。
サブ原理Bの例は以上です。
次はサブ原理Cを説明します。
サブ原理C:共振を使う
サブ原理Cは次のようになります。
サブ原理C:共振を使う
振動を増幅する(振幅を大きくする)ために、共振を使うことができます。
共振とは「固有振動数の振動を受けて、振幅が大きくなる」現象です。
人の声は、共鳴腔で増幅されます。
共鳴腔とは「声が反響する空洞部分」のことで、口腔・鼻腔・咽頭腔があります。

声帯が振動する
共鳴腔で共振(共鳴)することで増幅され大きくなる
人が声を出す仕組みでは、共振がうまく使われていますね。
サブ原理Cの例は以上です。
最後にサブ原理Dを説明します。
サブ原理D:圧電素子を使う
サブ原理Dは次のようになります。
サブ原理D:圧電素子を使う
圧電素子とは「加えられた力を電圧に変える」圧電効果を使った素子のことです。
圧電点火式のガスコンロでは、次のような仕組みで着火します。

点火ハンドルを回す
圧電素子により火花が発生する
ガスに着火する
サブ原理Dの適用例は以上です。
振動を利用する
新たな効用を生み出したいときに、新たな物(物質)を使うのではなく、振動というエネルギーを使う方法をご紹介しました。
製品などのシステムに、新しい部品(物)を取り入れると「システムが複雑になる・コストアップになる」といった副作用が生じることがあります。
そのような場合には、振動などのエネルギーを利用して効用を得る方法を考えることもできます。
次回は「発明原理19 周期的作用」を解説します。
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参考文献
Darrell Mann 『TRIZ 実践と効用 (1) 体系的技術革新』の「第10章 問題解決ツール-技術的矛盾/発明原理」
Yuri Salamatov 『超発明術TRIZ シリーズ5 思想編「創造的問題解決の極意』の「付録 B.発明原理」
高木芳徳『トリーズ(TRIZ)の発明原理 あらゆる問題解決に使える[科学的]思考』の「第2部 40の発明原理」
