地球を救うため宇宙へ|『プロジェクト・ヘイル・メアリー』が泣ける理由
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著者プロフィール: アンディ・ウィアー
アメリカ合衆国カリフォルニア州生まれ。幼い頃からSFファンであった。15歳の頃からサンディア国立研究所にてプログラマーとして働き始める。その後カリフォルニア大学サンディエゴ校にてコンピュータ・サイエンスを学び、多くのソフトウェア会社で働く。
2009年から自身のウェブサイトで『火星の人』を連載していたが、読者からまとめて読みたいとの要望を受け2011年にkindleで出版。最低価格の99セントで売りだしたが、発売3ヶ月で3万5000ダウンロードを記録し、SF部門の売上げトップ5に躍り出た。その後『オデッセイ』(原題は小説と同じ 『The Martian』)として映画化された。
今回の記事は、『オデッセイ』の著者アンディ・ウィアーによるSF小説です。たった一人で地球を救うミッションに挑む科学者の物語。科学的なリアリティと、予想外の「出会い」に心を打たれます。
この本を読むべき人
『オデッセイ』が好きだった人(同じ著者です)
理系的なワクワクと感動の両方を味わいたい人
SF初心者にも読みやすい作品を探している人
感想
最初の導入のところから、何が起こっているかわからない状態で始まる。
目を覚ましたら、どこかわからないし、自分も誰かわからない。
搭載されているコンピューターに自分の名前を言わないと、作動しないという仕様はどういう意味があるんだろう?
そもそも名前すら覚えていないというのを際立たせるというのもあるが、実用的な意味はあるのかな?と思った。
声紋やカメラがあるので、このシステム何のため?と思った。
惹き込まれる開始だなと思った。
一番最初にアストロファージのことを聞いた時に思ったのは、ダイソン球を作るのかなと。
面白い。ずっと読み進めたいとなる。
SFだけど、内容や情景の想像が簡単で、頭の負荷があまりないなと。サクサク読める感じ。
言語習得能力が高すぎる。グレース博士。
2日ぐらいで、ちゃんとコミュニケーション取れている。
想像力がすごいなと思う一方で、サイエンス的な設定に疑問を感じる点も多い。
人間にとっての可視光線が見えない世界線で、音だけで会話する生物。
アンモニアの大気・高気圧環境下でも、生物は存在し得る可能性があるというのを考えさせてくれる。
ただ、そんなに高気圧環境下でもちゃんと音って届くのかな?
音は発生するのだろうけど、そんなに高気圧で高温だと、地球では考えられないような暴風が吹いていて、ちゃんとコミュニケーション取れるのか疑問に思った。
最初に書いた、名前を言わないと動かないコンピューター。
どんな仕様?この仕様にする合理的な意味がわからない。
相対性理論を知らずに宇宙船を作れてしまう科学力。
キセノイドの加工。
ロッキー達にとって窒素が天敵ならば、なぜもっと研究しておかないのか?
結末
アストロファージを食べる生物を地球に送り届けることができ、地球は救われる。
かなりあっさり書いていたけど、実際どのようなプロセスで救われたのかは不明。太陽の光度が戻ったという観測が
最後も異星に残って、地球には戻らなかった。惑星の教師になる。
なぜ地球に戻らなかったか?というのはあるものの、ロッキーとの友情がストーリーの核にあると思うので、戻らない方が自然・人間的なのではないか。
三体との比較
プロジェクト・ヘイル・メアリーは、かなり浅いし、あっさりしている。
想像できる世界線にいるからこそ、ストーリーに制限があるとは思う。
また、それによって技術も制限されていると思う。
三体のような超宇宙的な技術は出てこない。スピンドライブなど。
暗黒森林のようなコンセプトは出てこない。
三体の世界だったら、ロッキーの宇宙船を見つけた時点で攻撃するのが正解。宇宙社会学的には見つからないようにしなければならない。先に見つけたのなら、攻撃しなければならないとなる。
プロジェクト・ヘイル・メアリーは逃げも攻撃もせず、相手の宇宙船に近づいて行き、ロッキーが投げてきた物質も受け取っている。
輪読会
全体の感想まとめ
短くて読みやすい」「サクサク読めた」という声が多く、文体も難しくなくテンポ良く読めたという評価。
導入が強い(目覚めたら状況も自分も分からない)ことで、読者を一気に引き込むフックになっている。
SFとしてはハード寄りで、理解負荷が軽いという意見があり、三体などに比べて「頭の負荷が少ない」「大衆向けにも読める」と評価されていた。
一方で、SF最高傑作と言われるほどか?という意見もあり、世界観のスケールや驚きは『三体』の方が上という比較が出た。
総合すると、「面白くて読みやすいSF」「友情と会話劇が強いSF」として高評価。ただし、SFの巨大さ・異常さを求める人には物足りない面もある、という温度感。
ロッキーの存在が強すぎる(愛され枠)
ロッキーの造形(高気圧・アンモニア環境、音で会話、金属っぽい身体)が面白く、「気持ち悪い」「エイリアンっぽい」「でも憎めない」などイメージが盛り上がった。
特に、主人公がロッキーに強く感情移入できるように、物語側が丁寧に下地を作っていたという評価があった。
言語習得・コミュニケーション描写が面白い
異星人との意思疎通を、段階的に・根気強く積み上げる過程がかなり詳細で、「技術サポートの理想形みたい」という見方も出た。
ここが本作の大きな魅力として挙げられていた。
終盤の選択(地球に帰る vs ロッキーを助ける)への評価が割れた
肯定派
ロッキーとの共有体験が濃密で、主人公の人生背景も悲惨なので、
「帰らない方が納得感が大きい」、「ロッキーを助けるのは自然」という意見。共感したい・分かり合いたいという人間の根源欲求が刺さった、という整理もあった。
疑問派
冷静に考えると、科学的に工夫すれば「ロッキー助けて地球にも帰れたのでは?」「食料問題の詰めが甘い」「選択肢がドラマ用に作られすぎ」という違和感が残った。
ラストが「あっさり」問題
タウメーバ(アストロファージを食べる生物)を地球に届けた後の展開が、駆除プロセスやトラブルの描写が薄く、サクッと終わった点が物足りないという声。
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