弘前大学医学部と広島大学医学部
まず、面接を受け答えで何とかしようとしている、まだわかっていない人はこちらの記事をお読みください。
では問題です。
弘前大学医学部
面接300点 → 段階評価化
広島大学医学部
段階評価 → 面接200点化
来年度、どちらの方が多浪・再受験生にとって入りやすいでしょうか。
① 弘前大学医学部の場合
今年度までの弘前大学は、面接時間が15〜20分と長く、受験生に根掘り葉掘り質問する形式でした。
一見すると厳格な面接に見えます。
しかし、本質はそこではありません。
面接点が300点もあれば、多浪・再受験生を10人でも20人でも、極端な話、全員を低い点数にすることすら可能でした。
逆に、現役生・1浪生には異常に高い面接点を与え、共通テスト6割台の受験生をバンバン合格させることも可能です。
つまり、受け答えではなく、制度そのものが結果を自由に操作できる構造だったのです。
その結果、本来なら医学部に入るべきではない学力層が増え、授業についていけない、国家試験合格率が下がるなど、目に見える形で問題が現れてきました。
さらにSNS全盛期の今、ネット上のイカサマ批判にも対応しなければならなくなりました。
そして今回、面接300点は段階評価へと変更されました。
これは多浪・再受験生にとって大きな変化です。
なぜなら、段階評価になることで、多浪・再受験生全員を面接落ちにすることが構造的に難しくなるからです。
② 広島大学医学部の場合
一方、これまでの広島大学の面接時間は約5分。
質問内容も基本的な事項やアドミッション・ポリシーの確認が中心でした。
つまり、そもそも受験生を大規模に選別するための面接ではありません。
さらに、面接で不適格判定とするためには、面接官全員が面接不適格と判断する必要がありました。
そのため、多浪・再受験生であっても面接落ちは極めて少なかったと考えられます。
ところが来年度からは違います。
段階評価だった面接が200点化されました。
ここが重要です。
点数評価になったことで、多浪・再受験生10人でも20人でも、あるいは全員でも低い面接点を付けることが可能になります。
要するに、
点数評価の面接では、多浪・再受験生全員に低い面接点を付けることができます。
しかし、
段階評価の面接では、多浪・再受験生全員を面接落ちにすることはできません。
できたとしても、年度ごとに5名程度が限度でしょう。
また、たとえ面接官3人全員が受験生を面接不適格と判断したとしても、それだけで直ちに面接落ちになるわけではありません。
面接落ちは受験生の人生を左右する重大な判断であり、間違いがあってはならないからです。
そのため、最終的には教授会にかけられ、改めて審議が行われます。そして過半数の賛成を得て初めて面接落ちとなります。
つまり、段階評価では多浪・再受験生を面接落ちにするハードルは極めて高いのです。
弘前大学は「面接で落とせる大学」から「面接では落としにくい大学」へ。
広島大学は「面接では落としにくい大学」から「面接で落とせる大学」へ。
同じ面接制度変更でも、その意味は正反対なのです。
