【対話&エッセイ】アメリカ女性「スーパー行くとさ、9割ぐらい死んだサバみたいな目してない?」【アメリカから見る日本Part2】
先日、アメリカの女性(通称ベッキー)と話したことについて、前回で書き切れなかったので忘れないうちに書いていく。
前回(Part1)
ベッキー「日本のスーパー行くとさ、9割ぐらい死んだサバみたいな目してない?」
僕「わかる笑 だいたい笑ってなくて、覇気がない感じ。辛そうだよね」
ベッキー「1割ぐらいが、楽しそうっていうかさ、ハッピーですって感じなのよね。コロナぐらいからそれが明確になった感じがする」
ベッキー「コロナでさ、自分で考えられる人と自分で考えられない人、ってのがはっきり分かれたと思うんだよね。政府の言うこと、メディアの言うことに、全部素直に『はい』って従う人と、『それ本当かな?』って立ち止まって自分で調べたり考える人」
僕「僕もそう思う。鵜呑みにするのが一番危ないんだけど、情報に踊らされるとみんな流されがちだよね」
ベッキー「考えるってのを放棄しちゃうとさ、死んだサバの目になるのよ。『あなた生きてますかー?』『ハロー?』って言いたくなる」
僕(なんで死んだ「魚」じゃなくて「サバ」なんだろう? と思って笑いつつ、頷く)
ベッキー「まあそれはそうとさ、今、二つに分かれたのよ。人類が」
僕「何と何に?」
ベッキー「一方はさ、テクノロジー信仰の人たちね。ただひたすらテクノロジーを追っていって、テクノロジーとともに進化する、ビジネス系の人はだいたいこっちね」
ベッキー「もう一方はさ、自然の暮らしに戻ろうとしてる人たちね。テクノロジーはもう限界だよー、土からニンジン作ったりするほうがいいよー、って人たち」
僕「まあ僕は後者なんだけどさ、最近増えつつあるよね、そういう人たち。それこそコロナ以降ぐらいから」
ベッキー「そうでしょ? でさ、この二つは相容れないわけ。正反対だから」
僕「そうだね」
ベッキー「今は混ざり合わないけどさ、この人たちの子供世代は混ざり合うわけ。だから、テクノロジー側の人と、土からニンジン作るよって側の人たちが混ざり合う、いつか結婚してまた次の子供を産む」
僕(なんで、野菜の代表が「ニンジン」なんだろう? と思って笑えてくる)
ベッキー「そうなるとさ、テクノロジー側の人が持ついい部分と、土で生きてる人たちのいい部分が混ざり合うのかな、って思うんだよね。で、そこから世界が良くなる、そんな気がする」
ベッキー「それが2040年くらいかな、って勝手に思ってる。ベッキー予想だとね。ベッキー予想、結構当たるからね」
僕「今はその辺に気づいた人とそうじゃない人が混ざり合ってるから、色々と問題は起こるよね」
ベッキー「そうそう。だから、2040年くらいまでは生きづらいっていうかさ、色々大変なのが続く気がするねー」
真面目な話を少しすると、工業ではテクノロジーの進歩に比例するように生産量が増えたり、もっと良いものが効率よく作れるようになったりするが、そのテクノロジーの進化に完全に比例しないものがある。
それが「第一次産業」だ。
たとえば農業なら、機械を導入すれば効率は上げられるが、生き物が相手の農業だと、上げられる効率や生産量にも限界がある。どれだけ早く作業を終えても、植物の成長自体を早めることは難しいからだ。
ここが工業と農業の違いだ。
テクノロジーの進歩によって延々と伸びていく分野と、そうでない分野があるが、テクノロジー信仰が強めの現代日本では、そうでない分野まで「工業的」に考えてしまっているのだ。
要するに僕たちは効率化できるものと、効率化に限界があるものを、いつの間にか同じ物差しで考えるようになってしまったのかもしれない。
工業では、「もっと早く」「もっと多く」が実現しやすい。だから、その考え方自体は間違いではない。
しかし、自然は違う。
種をまいた翌日に収穫はできないし、生き物は人間の都合で成長速度を変えてくれるわけでもない。
テクノロジーは自然を助けることはできても、自然そのものを支配することは難しい。
だからこそ、これからは「人間が自然をコントロールする」という発想だけではなく、「人間が自然の時間に合わせる」という考え方も、もう一度見直されるのではないかと思う。
ベッキーが言っていた「土からニンジンを作る人たち」という言葉は、単なる農業の話ではなく、人間本来の時間感覚や暮らし方を取り戻そうとする人たちのことなのかもしれない。
もちろん、テクノロジーを否定する必要はない。僕だって、その恩恵をたくさん受けている。
ただ、便利さだけを追い求めるのではなく、便利では測れない価値も大切にする。その二つのバランスを取れる人が、これからの時代には求められるのではないだろうか。
そう考えると、ベッキーが言った「2040年頃には二つが混ざり合う」という予想も、案外ただの冗談ではないのかもしれない。少なくとも僕は、その未来のほうが少し楽しみだ。
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