あっ、 谷口さん!
「昭和の少年」だった人は、おそらく爆破系の物語や映画が大好きだ。だから「新幹線大爆破」というインパクトあるタイトルそものものに、まず惹かれてしまう。
前回こう書いたのだけれど、ぼくの ”爆破系” 好きは何も映像に限ったものでもない(それに勝るものはないけれど)。
大好きな作家だった故・藤原伊織さんの小説「テロリストのパラソル」も冒頭、新宿中央公園での爆弾テロ事件から物語が始まる。
これが活字でありながら描写の巧さによって、その恐怖が映像のように伝わってくる。藤原作品の圧倒的な魅力は、いずれの物語も主人公のみならず登場人物がとても魅力的に描かれていることと、この映像としてリアルに思い浮かべることのできる描写だとぼくは思っているけれど、それについて書き始めるとまた本題から脱線してしまうので、今日はこの辺りにしておこう。
昔、お目当てがあるわけでもなくふらっと寄った本屋さんで、たまたま目に留まり衝動買いをしたのは高嶋哲夫さんの小説「都庁爆破!」で、ぼくが惹かれたのは述べるまでもなく、そのタイトルだった。その後、この作品はTBSで映像化され、ドラマスペシャル「都庁爆破!」として放送されたので、もちろんそちらも拝見した。
このドラマが放送された数ヶ月後、同じ局で始まった連続ドラマの制作に、奇遇にもぼくは少し携わることになった。
連ドラ終了後も、この作品は年に一度のスペシャルが制作されることになったため、結局足掛け5年半に渡り携わらせていただいたのだけれど、この作品を演出(監督)されたのが「都庁爆破!」の監督だった。
なんだか妙なご縁を勝手に感じる。
ドラマ制作の仕事は無論ぼくの本業でないため、不慣れな現場に当初は随分と困惑することが多かった。もう借りてきた猫と化していたぼくに気を配り、待ち時間や休憩時間などにはとかく声をかけてくださった俳優さんがおられる。とても気さくで優しく、それでいながら関西人と見紛うほど自然なノリツッコミまで駆使してみせるおもしろい彼は、埼玉県の人だった。
昔から多くの名作や有名作品に出演されてきた彼が、前述した「都庁爆破!」にも出演されていたことを後になって知った。
Netflix版「新幹線大爆破」で物語の前半、事件の通報を受けた捜査一課特殊班捜査係の捜査員たちが警視庁から新幹線総合指令所へと赴く。その捜査員の中で警部補の右腕として登場する茂木刑事。
あっ、谷口さん!
物語の外でも、おもしろく気さくで優しい谷口翔太さんだった。
やはり、売れている俳優さんなんだ
こうして、話題作で彼を目にすることができるのは率直に嬉しいな。
歳を重ねられ、きっと彼は名バイプレイヤーになられるんだろうなぁと感慨深い思いに駆られながらぼくは「新幹線大爆破」を観た。
ちなみに、谷口翔太さんは「シン・ゴジラ」「ゴジラ -1.0」の両方で唯一、ゴジラと戦った勇敢な人なんである。
