同じ売上400万円でも、手残りが全然違う話 【Chapter 3】
前回の記事では、国民健康保険には扶養の概念がないという話を書いた。
妻がいれば、保険料も2人分かかる。その金額が、年間で相当な額になることもある、と。
今回は、もう少し具体的に見てみる。
同じ「軽貨物の売上400万円」でも、どんな立場で稼ぐかによって、手残りが大きく変わる。
おやじが気になって調べた話だ。
前提条件を確認しておく
今回はこんな設定で考えてみる。
・軽貨物の年間売上:400万円
・経費(ガソリン・保険・通信費など):約70万円
・利益:約330万円
・家族構成:妻あり・子供なし
この条件で、3つの働き方を比べてみる。
・A:軽貨物一本で独立
・B:年収320万円の会社員・契約社員をしながら副業で軽貨物
・C:自分の法人を持ちながら軽貨物
A:軽貨物一本で独立した場合
社会保険料の概算(妻あり・子供なし・利益約330万円)
・国民健康保険料 約40万〜50万円(2人分)
・国民年金 約41万円(2人分・月16,980円×2人×12ヶ月)
・合計 約80万〜90万円
ここから所得税・住民税もかかる。
概算で、手残りは約210万〜220万円前後になる。
売上400万円で、手残りが210万円台。
この現実を、軽貨物を始める前に知っていた人はどれくらいいるだろうか。
B:年収320万円の会社員・契約社員をしながら副業で軽貨物をやる場合
会社員・契約社員であれば、健康保険と厚生年金の保険料は会社が半分負担してくれる。
妻を扶養に入れれば、妻の保険料は追加でかからない。
副業の軽貨物330万円分には所得税・住民税がかかるが、社会保険料の追加負担はほぼない。
概算で、軽貨物分の手残りは約250万〜260万円前後になる。
Aパターンと比べると、年間で30万〜50万円の差が出る。
タイヤ代、車検代、任意保険代。場合によっては軽貨物車両の買い替え資金にもなる差だ。
C:自分の法人を持ちながら軽貨物をやる場合
法人から役員報酬を受け取ることで、健康保険・厚生年金に加入できる。
妻を扶養に入れれば、妻の保険料は追加でかからない。
法人の経費処理も活用できるため、税負担を抑える手段が増える。
ただし法人維持コスト(税理士費用・法人住民税など)が年間30万〜50万円程度かかる点は頭に入れておく必要がある。
設計次第では、3つの中で最も手残りが多くなる可能性がある。
3つを並べると、こうなる
・A(軽貨物一本) 手残り 約210万〜220万円
・B(会社員・契約社員副業) 手残り 約250万〜260万円
・C(法人経営) 手残り 設計次第でさらに上
同じ売上400万円なのに、手残りに30万〜50万円以上の差が出ることもある。
数字より大事なことがある
手残りの差は分かった。
でも、おやじが本当に伝えたいのはそこじゃない。
どのパターンが正解か、ではない。
自分の立場と将来を理解した上で、意識して選んでいるかどうか、だ。
何も考えずにAを選ぶのと、分かった上でAを選ぶのは、全然違う話だ。
59歳になって思うこと
30代の頃なら、とにかく売上、とにかく利益だったかもしれない。
でも59歳のおやじが今、気になるのは10年後、15年後だ。
社会保険の差は、今だけの話じゃない。
将来もらえる年金額にも、じわじわと影響してくる。
その話は、次の記事で書いてみる。
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※本記事の数字はあくまで概算です。国民健康保険料は自治体によって大きく異なります。税金・社会保険料の正確な金額は、お住まいの自治体または専門家にご確認ください。
