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「企画が通る3段階」テレビ業界11年で得た結論


みなさんこんにちは、内藤です。

きょうはテレビ局で11年間働いた中で得た
【企画の通し方】について思うことを
書いていきたいと思います。

私は地方局で11年間ディレクターを経験し、
何度も番組作りに関わってきましたが、
この「企画を提案し、通す」というアクションは
作り手としての根幹で、最も個性が出る部分です。

にも関わらず、これと言った答えがないという
ミステリー分野でもあります。

番組がどうやって企画され、
どうやって実現するのか?

裏側のリアルを知る機会は少ないと思うので、
実際にどのような過程で
番組を企画していったのかを
私の経験ベースでお話ししたいと思います。

企画を通したい人・メディア関係者・映像制作者には役立つ内容かなと思っています。

第1段階「形にしたいと思えるか」

ある出来事やニュースに対して、

「へー」と思ってスマホをスクロールするか、
「これを番組にしたい」と速攻で動き出すか。

この違いは天と地ほどあります。
そもそも番組化の可能性に気づかなければ、
企画を提案しようなんて思いません。
人によって捉え方が違いますが、
スタート地点は全員一緒です。
ゼロから動いた人だけが勝ちます。

そして「ある出来事」が、
一次情報か二次情報かでも大きく違います。
一次情報であれば完全オリジナルで
まだ誰にも知られていない。
いわば、競合不在の状態ですが、
本当に成立するのか?
という不安が延々付き纏います。

二次情報は多くの人が見て「すごい」と
思われるような出来事を扱うので、
番組構成のイメージが湧きやすく、
不安は一次情報よりは少ないです。

ですので、私たちはニュースなどで知った
出来事を番組にしたいと思うことの方が多いです。

ただし、

「一度は見たことのあるありきたりな番組」に
なってしまう可能性も高いです。

最悪の場合、「番組を作った事実」だけに
満足することもあり、
結果に対して何かと言い訳しやすい。

これを理解した方がいいかと思います。
結局は、自分との勝負です。

第2段階「企画書を作って持っていく」

個人的にはここのハードルが1番高いです。
当たり前ですが、
然るべき人が首を縦に振らないと、
レギュラー以外の番組なんて実現しません。

私の場合それが、
「球団の広報担当者の方」だったり、
「直属の上司」だったりするわけです。

先方(球団の広報さん)に持っていく

プロ野球にまつわる番組撮影において、
プロ野球選手とディレクターの間には
必ず球団広報さんが入ります。

なので、

私が「企画書」を作る上で意識していることは、
自分が提案した相手(広報さん)が、
選手にプレゼンした時に通りそうか?

まずこの1点です。

腰を据えて長時間話し込むのか?
立ち話でサクッと伝えるのか?
電話で伝えるのか?
LINEで企画書送るのか?

などは分かりませんが、
できる範囲でリアルに想像します。

伝えるべきは、

「球団としてのメリット」なのか、
「選手自身のメリット」なのか、
「拘束時間」なのか、
「撮影の希望シチュエーション」なのか、
「放送枠と番組尺」なのか、
「出演料」なのか、
「ただただ熱意」なのか、

これは時と場合によります。
何をチョイスして強調するかで
結果が変わることもあるでしょう。

その上で、最近はなるべくA4に収まるような
シンプルさを心がけています。

パワポ10枚の超大作の企画書を作ったとしても
実際に選手本人に伝えるシチュエーションが
立ち話や帰り際5分とかだった場合、
意図が伝わるハードルはグッと上がりそうですよね?

「めんどくさっ!!」で終わりです。

その可能性もあるから、
1分話せば伝わる内容に絞ってみたり、、、

意外と熱量と文章量は比例しない気がしています。

もちろん時と場合によるので、
相手が変われば「超大作」も作ります。

上司(部長やPに持っていく)

これはTNCで良かったな、というか
どのテレビ局もそうだと思うところですが、

「絶対にやらせない!」なんて人はいないです。

熱意一本で意外となんとかなります。

企画書の内容というより、
覚悟を見られてる気がします。

この場合の覚悟とは何か?

『スピード』と『解像度』です。

私の経験上、誰も想像していない、
上司さえも考えていない時期に
企画書出したら、通る確率グッと上がります。
イメージできていないのに、
頭から否定はできないですよね。
これがスピード

加えて、

「こういう理由でこの人のこの信念を映像で
 残したいと私は思っています」

5分番組を作るにはこれくらいの取材が必要
30分番組を作るにはこれくらいの密着期間が
必要
1時間番組を作るには、、、、

これをリアルに考え、
これとこれとこれとこれが撮れれば
番組化できます。
ベストな放送時期はこちらです。
出演料こんくらいです。

というのが解像度


これを考えるだけで、
「とりあえず出せと言われたから出した企画書」
とは一線を画します。


これらを説明した上で、

「それでもやらせない!」という人がもしいれば、
その人の決意は相当固いので私は諦めます。
ちなみに出会ったことはありません。

企画が通らないとしたら、
このスピードと解像度、
どっちかに原因があったのかなと
思うようにしています。

以上が私が提案段階で考えていることです。

第3段階 「もう撮っちゃいました」

これは第3段階というよりか、
場合によっては0段階かもしれません。
そしてリスクがあります。

それは、取材相手と「握っちゃう」です。

私の経験ではないのですが、
業界の大先輩のバラエティのディレクターが
ブログに書いていて印象的だったエピソードで、

「もうこれとこれ撮っちゃったんで放送させてください」

という感じで会社と交渉し、
実際に企画を通したというものがあります。
私はやったことありませんが、
その行動力は尊敬しています。

本気のディレクターは、
時折常識やルールを超えてきます。
頭より先に体が動いちゃうんですね。

話が逸れますが後輩で、

「春菊泥棒がいて困ってる人がいるらしい」と
私が伝えたところ、その日の夜中にカメラを持って、朝方まで犯人を待ったという男がいました。

その後輩の動機は
「春菊泥棒なんて許せない」でした。

「あした休みなん?」
「他の仕事はどうすんの?」

様々な疑問が湧きましたが、
本気の後輩を私が止められるはずがない。

ちなみに春菊泥棒は現れず、
完全な空振りに終わったそうです。
それを笑い話で済ます後輩を見て、

こういうのが「本物」なのかなと思いました。

何が言いたいかというと、

実現に向け下交渉で日々信頼を積み上げる。
後輩のように、即決し行動して撮影しちゃう。

やり方はなんでもいいのですが、

【後は流すだけ】という段階にまで持っていって、
企画提案のテーブルに乗せる。

これをやった人の企画は
かなりの確率で通ると思います。

もちろんこの、「もう撮っちゃいました」
をやった事で

「何勝手なことやってんだ!!」
「流せないなら撮るんじゃねーよ!!」

と誰かに激怒されるリスクはあると思いますので、
そのカードを切るかどうかは自己責任です。

企画書にもタイミングにも
ベストなんてない


良い企画書を考え続ける作業というのは、
若い頃は必要かもしれませんが、
そこに意識を置き過ぎて、
提案するベストなタイミングを逃す事は
よくあります。

すると例えば、こんなことが起こります。

・他の局に先を越される
・選手本人が乗り気じゃなくなる
・選手本人が怪我をする

私はこれ20回は経験しましたね。
なんとも言えない気持ちになります。

今では半年先とか、年明けに年末のこととか、
そういった先を見据えて企画のイメージを持つ
ようになりました。この世界は早い者勝ちです。

今回のまとめ

①「形にしたい」と思えるかどうかがすべての起点
②「誰が、どの文脈で伝えるか」まで想像できるか
③「企画が通る/通らない」の差は、才能ではなく「スピード」と「解像度」
④「もう撮っちゃいました」という最終カード

以上が私が企画を番組化するまでで感じたことです。
最後まで読んでいただきありがとうございました。

今回すべては書ききれなかったので、
残りは次回お伝えしたいと思います。

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最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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