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固定観念という名の鎧を脱ぐ

――俳優思考・第五回

2階に上がれば、綺麗な景色が見えるとします。
あなたはその景色を見るために、上ろうとしています。

さて、何を使って上りますか?
梯子、階段、壁をよじのぼる、ジャンプする……
他にも何かありますか?

どれも間違いではありません。むしろ、全部正解です。
でも、ここで多くの人の頭に「待った」がかかります。
「ジャンプって……無理じゃん」

これが固定観念です。
長年生きてきて積み重なった、思考の垢のようなもの。

2階までジャンプして上った人を、見たことがないから理解できない。
というより、そこで思考が止まる。

では、こんなのはどうでしょう。
軽自動車のボンネットに乗って、次にワゴン車の屋根へ。
そこからひょいっと2階へ……行けましたね。
「あ、それはアリなんだ」
そう思ったあなた、少し立ち止まって考えてみてください。

それをダメだと、いったい誰が言ったんでしょう?
思考は自由です。
制限を設けているのは、他の誰でもない、自分自身なんです。

もちろん、固定観念が全て悪いとは言いません。
経験値として大いに活きる場面だってあります。
でも、培ってきた鎧が重くなっているなら、
軽いものに替えた方が、もっと戦いやすいと思いませんか?

演技に限らず、物事に対して赤ん坊の気分で接してみてください。
赤ん坊には、見るもの全てが発見です。

だから、発想を楽しむ。
ジャンプするなら「無理」じゃなくて、
「どうジャンプするのがいちばんいいか?」を考える。

そして、考えること自体を楽しむ。
そういう癖をつけること。

それはビジネスでも、人生でも同じです。自分という役。
それが、役作りへの入口です。


このシリーズのまとめはこちら→【俳優思考
前回はこちら→【堂々と緊張する
次回はこちら→【向き合うほど、人間になる


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