チェコが生んだ天才・カフカと二つの像
チェコ、プラハを歩いていると至る所で彫刻が目に入ります。
公園を覗けば、必ず彫刻やアートのオブジェがありますし、Googleレンズ等で調べてみると、それは大抵その土地にゆかりのある偉人の像です。


月桂樹を掲げる「天才(Genius)」の象徴像
散歩をしていた公園で、ふとアートに出会う。
歩いているだけで飽きない街です。
また、彫刻にクローズアップした記事も書きたいですね。
そんなプラハで、一番有名な芸術家といえば、フランツ・カフカではないでしょうか。アルフォンス・ミュシャもかなり有名だとは思いますが、、。

フランツ・カフカといえば、「変身」や「城」で知られるプラハ出身の小説家。
特に「変身」は世界的に知られる代表作。
ーある朝、グレゴール・ザムザが不安な夢から目を覚ますと、ベッドの中で自分が巨大な虫に変わっていることに気づいた。
目覚めると前触れもなく体が巨大な虫に変わっていた男を描いた本作。
代表的な不条理文学の一つで、陰鬱な展開ながらも、個人的には生への希望も見出せる、何度も味わいたくなる作品です。
そんな大スターカフカは、プラハに有名な像が二つもあります。
普通、偉人の像は街に一つでは、、という感覚を打ち砕くカフカの人気やその影響力は凄まじいです。
ちなみに、私はいま長編「城」を読んでいる途中です。

どっちがカフカ?と思うかもしれません。
上に座っているのがカフカです。
カフカを背負う人物は、頭も腕も、足先もなく、中身が空洞。人間ではなく、空っぽの背広が歩いているように表現されています。
この像はカフカの初期作品「ある戦いの記録(Beschreibung eines Kampfes)」に登場する、主人公が知人の肩に飛び乗り、馬のように進ませる場面から着想を得ています。
その知人をなぜ空洞にしたのか、その違和感が鑑賞者に深い観察と考察を促します。
なんとなく読み解けるのは、カフカの作風でもある、不条理、孤独、疎外、不安定、不確定な自己。空洞の像からは、そのようなものを象徴しているのでは、と解釈できます。

それでは、次のカフカ像へ。

先ほどの旧市街のカフカ像とは打って変わり、新市街に作られたこちらのカフカ像は現代美術家の作品。
42枚のステンレス製パネルによって構築されたカフカ像。
実は、一時間に一回、正時になると動き出します。


十五分かけて繰り返し、さまざまな形を作る42層のパネル。
時には、顔の形を取り戻し、再び大きく崩れ、また戻っていく。
その過程はやはり、「変身」を思わせます。
虫へと変身した主人公は、自分とは何者なのか繰り返し自問自答を繰り返したことでしょう。
自分というアイデンティティの脆弱さ、揺れ動いては分裂していく自己を、このカフカ像は象徴しているのかもしれません。
みなさんも、チェコを訪れた際は、ぜひこの二つのカフカ像を鑑賞してみてください。
チェコでの一人暮らしを日記がてらnoteに書いていこうと思います。
毎週水曜日にこう言った感じで投稿していこうと思うので、よければスキやフォローよろしくお願いします。
また、毎週金曜日と日曜日に【プラハ・メトロ全駅巡る旅】という連載もしてますので、よければそちらも。
ではまた。
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