VRChatのライブ配信の仕組み
はじめに
VRChatでのDJや音楽周りのライブ配信に関する情報は意外とまとまってなくて、バラバラだったり口伝(!)だったりしているように思います
そこで今回は2025年5月現在のVRChatでの音楽配信の仕組みや技術、またTopazChatのノイズ問題などのトラブル対策も含めて解説します
なお私はVRDJが専門なのでそちらの視点寄りになります😇
(最終更新日:2025/6/25)
1. VRChat配信の全体像
VRChatでの音楽配信は以下のような流れで行われます:
DJ/VJ/演奏者 → OBSでライブ映像・音声をエンコード
配信サーバ → ライブ配信データを受け取り各リスナーに送信
リスナー → VRワールドなどでライブ配信を再生

VRでの配信も本質的にはYoutube LiveやTwitchの配信と同じです
VRChatは特殊な動画プレイヤーと考えると理解しやすいでしょうか
Unity製で趣向が凝らされた、VRでも楽しめる動画プレイヤーです
Twitch等で視聴者がコメントで交流出来るように、VRで交流出来ます
(実際、VRCの配信もURLが分かればPCの動画プレイヤーで再生出来ます)

2. 主な配信サービス
TopazChat
特徴: TopazChat Playerで使うと設定が簡単、サーバが日本で低遅延
ビットレート: 3Mbpsまで(推奨2Mbps程度)
注意点:
1つのストリームキーでの上限は100名
音声ビットレートは192kbpsを推奨
2024年11月頃のTopazChatサーバ更新以降、音声ビットレートが192kbpsを超えるとノイズが発生することがあります
人によって聞こえたり聞こえなかったりするのですが、聞こえるとスピーカーやヘッドホンが壊れそうなレベルの酷いノイズです
よしたかさんによると、現在のところ再現性がはっきりしないため、もしノイズ発生を再現出来る方がいれば教えてもらいたいとの事です
(私もノイズ鳴りづらい側でご協力が難しく…)
VRCDN
概要: 有料の配信サービス(接続上限100人で月$7(1000-1100円))
特徴: 高品質な配信が可能、2本のストリームが使える、海外でも安定
ビットレート上限: 6Mbps(推奨3.5Mbps以下)
注意点: ビットレート上限を一定時間越えてしまうとBANされます
VRCDNの導入に関してはこはださんの VRでDJやVJをする方のための、VRCDN登録ガイド がお勧めです
その他の配信サービス
各国の配信サービスや個人運営の配信サーバーなどがあります
(主催に指示されたときだけ使用)TwitchもVRC内で使えるので、緊急時の代替手段としてアカウントを作っておくのはお勧めです(ただし遅延は30秒ぐらいあります)

3. ワールドの配信(動画)プレイヤーについて
VRChatの音楽イベントワールドで使われている動画プレイヤーは、ライブ配信専用プレイヤーと動画プレイヤー系に分けられます
TopazChat Player (ライブ配信専用プレイヤー)
Topazchatと同じくよしたかさん作の、音楽イベントでよく使われているライブ配信専用のプレイヤー
配信URL固定式なので、指定されたサーバ・ストリームキーに配信するとすぐに使用可能
配信サービスとしてのTopazChatの使用を前提に作られてますが、埋め込みURLを変えるだけなのでVRCDN等も使用可能です
たまに混同して混乱してる方がいるので整理しておきます
TopazChat:配信サービス、同様のものはVRCDNなど
TopazChat Player:配信プレイヤー、同様のものはiwaSyncなど
TopazChat Streamer:音声配信ツール、同様のものはOBSなど
動画プレイヤー
一般的な動画プレイヤーのライブ配信再生機能を使用するパターンです
代表的な動画プレイヤー: iwaSync3、VizVid、YamaPlayerなど
(海外系だとUSharpVideo、ProTV、VideoTXLなどが多いようです)柔軟性は高いですが、都度URLを入力する必要があったりして主催の手間は増えます
個人的に、現時点で一番音楽イベント向け機能が充実している動画プレイヤーは VizVid かと思います
(LTCGI・VRC Light Volumes・ランダムTopazキーなどに正式対応)※ワールド作者向け情報:
必ず低遅延モードONに! OFFだと遅延が10秒ほど増えます!
動画プレイヤーはどれも初期音量が控えめ(50%前後)なので、イベント利用前提ならデフォルト音量を90-100%にしましょう
(音量は、各自で下げれますが最大音量以上は上げれません! 音割れしない範囲で最大に!)
どちらの場合もワールド設置時のAudio Sourceの設定などは、以前書いた「VRChat音楽イベントワールドの基本の音響設定」を参考にしてもらえればと思います!
VRChat側の問題で、ライブ配信用のコンポーネントをそのまま使うとチラツキが発生することがあります
動画プレイヤー系はほぼ対応済みなので問題がありません
TopazChat Playerは未対応なのでシェーダーの修正が必要です

4. DJとして準備すべきこと・やること
この辺り、また別の記事でまとめる予定ですがとりあえず
事前に配信先サーバとストリームキーを確認
(VJさんがいればVJさんに確認)使うサービスに応じたビットレート設定を行う
TopazChat: 映像2000kbps以下、音声192kbps
VRCDN: 映像2500-3000kbps、音声256-320kbps
VJさんがいれば指示に従う
(一般的に、映像50-500kbps、音声256-320kbps)
自分のVRCDNを使うときはURLをコピペする準備
音出し:指示があればその音量、無ければ-5~-6dbが目安
基本的に音出しが上手くいったら設定は変えないようにしましょう
自分の番が終わったら速やかに配信を停止しましょう

5. 最後に
色々書きましたが、大事なのは技術ではなく音や映像を通じて素敵な時間を作る事だと思います
ただライブ配信の仕組みを理解していると、トラブル時の対処や判断の助けにはなるはずです
この文書がVRChatでの音楽活動を始める方や、技術的な背景を知りたい方の助けになれば幸いです
皆さんの音楽活動が素晴らしい物になることを願っています!

おまけ
各配信サービスの詳しい情報
TopazChat
運営:よしたかさん
送信先サーバー: rtmp://topaz.chat/live
受信先(PC): rtspt://topaz.chat/live/<streamkey>
受信先(Quest・VLCで見るとき): rtsp://topaz.chat/live/<streamkey>
ビットレート上限: 3Mbps(推奨 ~2Mbps)
視聴人数上限: 100人(それ以上は要相談)
既知の問題:2024年11月頃のサーバー更新以降、一部環境で音声ビットレートが192kbpsを超えるとノイズが発生することがある
VRCDN
運営: VRCDN LTD (ロンドン)
送信先サーバー:
rtmp://ingest.vrcdn.live/live か rtmp://ingest.vrcdn.live/guest受信先(PC): rtspt://stream.vrcdn.live/live/<userid>
受信先(Quest・VLC): https://stream.vrcdn.live/live/<userid>.live.ts など
ビットレート上限: 6Mbps(推奨 ~3.5Mbps)
視聴人数上限:100人(契約次第)
他人に貸し出すときはGuestキーを毎回生成するのがお勧めです
OBS設定
基本的にVRCDNの推奨設定が、遅延と負荷と品質のバランスを考えた設定になっていると思うのでお勧めです

音声エンコーダは192kbps以上なら何使っても大差ないですが、気になる方は「OBSのAACオーディオエンコーダについて」を参考にしてください
ビットレートの目安
映像ビットレート:
映像無し・一枚絵:50-200kbps
一枚絵+波形、DJソフト画面程度:500kbps程度
常に動きがある:1000-2000kbps
映像切り替えが頻繁:推奨~最大ビットレート
音声ビットレート:
TopazChat:192kbps
VRCDNなど:256kbps~
よくあるトラブル
OBSが接続出来ないとエラー
前の人が接続しっぱなし・VRCDNのストリームキー間違い
配信してるが画面に表示されない
TopazChatのストリームキー間違い
音が途切れるしResyncしても治らない
問題が、ワールド側か元々の配信側かを確認するため、"rtsp://…" のURLをVLCなどの動画プレイヤーで確認してみる
ノイズが乗る・音が割れる
TopazChatの場合はまず192kbpsにしましょう
VRCDNの場合は推奨設定通りになっているか確認しましょう
赤叩いてなくても割れる場合もとりあえず2-3db下げてみましょう
(ワールドの問題の可能性はありますが、ワールドの場合すぐには修正出来ないので配信側で対応しましょう)オーディオIFに入る音にノイズが乗ってないかモニタリングしましょう
乗ってれば機材側なので、ケーブル抜き差しなどしてみましょうOBSに別系統から音を入れてみましょう
アプリケーションサウンドキャプチャ経由などの方法があります
映像がちらつく
TopazChat Playerの場合、VRChatのバグによる仕様です
可能であれば動画プレイヤー系で出力するとチラツキはなくなります
その他雑学とか
動画プレイヤー系にある同期機能について
あの機能は再生位置を同期するという録画済み動画向け機能なので、来たデータをひたすら流すライブ配信では使われませんRTMPについて
OBSからストリーミングサーバへ送るのに使われているプロトコル
元々はFlashのために作られた独自プロトコルでした
当初はろくにドキュメントも整備されてなかったらしいのですが、Flashの隆盛でデファクトとなりH.265対応など魔改造され今も使われていますRTSP/RTSPTについて
受信側で使われるプロトコルでTCP・UDP両対応です
VRChat内部で使われているAVPro VideoがTCP専用らしく "rtspt" でないと受信してくれません
それ以外の(普通の)環境では "rtsp" で、UDP→TCPとフォールバックで動きます

History
2025-06-25:
配信サービスの上限人数について記載
文章の細かな修正
2025-05-01:
TopazChatのノイズ問題の件を最初から明記し、説明も詳しくした
オーディオエンコーダの件に振れた
トラブル対策を少し細かく
2025-04-29:
OBSの設定が間違っていたので修正 (Thanks: Jazzy Senpai)
ビットレート設定の簡単な案内などを追加 (Thanks: LemonKaju)
文章修正など
2025-04-28:作成

