ドイツ一人旅_厳つい男_03_06【海外旅行】
1999年冬 3日目 ケルン
今日の宿を確保すべく歩きだした。
宿泊予定のユースホステルはケルン大聖堂とはライン川を挟んで対岸にある。ライン川にかかっているホーエンツォレルン橋を渡り切ると交差点で信号待ちになった。
すると厳つい男が声をかけてきた。
僕は恐怖を感じ目線を合わせないようにしていた。それでも仕切りに声をかけてくる。僕は無視するようにした。
厳つい男は言葉が通じないことがわかると今度は交差点の向こう側の細い路地を指さした。その路地の入り口には小さな看板がひっそりと立っていた。
目を凝らして見ると『ユースホステル』と書いてあった。厳つい男は親切にもわかりづらい『ユースホステル』の場所を教えてくれていたのだった。
ようやく気づいた僕は初めて目線を合わせて、ありがとうと伝えた。
「ダンケ シェーン(ありがとうございます)」
「ビッテ シェーン(どういたしまして)」
厳つい男はさも当然のことをしただけだ、という表情でにっこり微笑むと足早に去っていった。
この辺りで大きなリュックサックを背負い地図を見ていれば誰でもユースホステルを探しているとわかるのだろう。
親切に場所を教えてもらっているにも係わらず、目線を合わせず無視をし続けた自分が情けなかった。だが、その時はまだ異国の人が怖かったのだ。
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