ドイツ一人旅_橋の真ん中で_09_06【海外旅行】
1999年冬 9日目 フュッセン
マリエン橋にたどり着くと早速渡り始めた。
「ちょっと待って…、先に行かないで…」
振り返るとNさんは手すりにしがみついて腰が引けていた。どうやら極度の高所恐怖症のようだ。僕が戻り始めると、
「そこで待ってて…、いま行くから…」
そういうと一歩ずつ慎重に歩き始めた。それほど怖いのなら無理して橋を渡ることもないのだが、橋の中間点はノイシュヴァンシュタイン城を臨む絶好のビューポイントなのだ。
一歩一歩と近づいてくる。とりあえず僕は橋の中間点まで先に渡り、Nさんがゆっくりと向かってくるのを待った。そして、ようやく二人とも中間点にたどり着くことができた。
改めてノイシュヴァンシュタイン城を眺めてみると、緑の森と白銀の大地に台座のような山の上に乗っている白亜の城は一枚の絵画のようであった。
僕は写真を撮り終えると元来た道に戻ろうとした。
「ちょっと…、ちょっと待って…」
Nさんは手すりにしがみついたまま微動だにしておらず、写真撮影はまだのようだった。
「お城の写真、撮ってあげようか?」
「いい。自分で撮りたい!」
見かけによらず頑固のようだ。
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