『楽天—ECから通信へ、挑戦するベンチャー魂』調査ノートIT・通信業界シリーズ④全6話
こんにちは!
今回は楽天の調査ノートです!
第4回目にもなり、IT・通信業界の傾向が見えて来ているかと思います!
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『未来をつなぐテクノロジー—IT・通信業界の進化と展望』
①『IT・通信業界の細分化と代表企業—デジタル時代を支える巨人たち』
②『NTT—通信インフラを支える日本最大級の企業』
③『KDDI—ライフスタイルを変える“au”の挑戦』
④『楽天—ECから通信へ、挑戦するベンチャー魂』
⑤『富士通—ITソリューションで未来を創る総合IT企業』
⑥『IT・通信業界の未来—つながる社会のその先へ』
全6話でお届けします!
楽天—ECから通信へ、挑戦するベンチャー魂
私が「IT・通信業界シリーズ」の第4話として取り上げたい企業は、既存の通信キャリアとは異なる道筋を歩み、猛烈な勢いでさまざまな事業を展開してきた楽天だ。前回までNTT、KDDIといった“大手通信キャリア”を見てきたけれど、楽天は元々EC(電子商取引)サイト「楽天市場」で大成功を収め、金融や保険、さらにはプロ野球球団(東北楽天ゴールデンイーグルス)の運営など、多方面へ進出してきた。そして近年、通信業界に本格参入し、「楽天モバイル」という形で携帯市場に挑戦している。これは一体、どういう狙いがあるのだろうか。私にとって楽天は“EC業界のベンチャー”というイメージだったのだけれど、気づけば通信インフラにまで乗り込んでいる。その背景や理念、成功の軌跡と今後の展望をひも解いてみたいと思う。

1. 歴史:ECサイトから始まり、金融、通信、モバイル市場へ拡大した成長戦略
1.1 楽天市場の誕生
楽天の始まりを振り返ると、やはり「楽天市場」の成功が大きな転機だ。1997年、三木谷浩史氏がわずかな出資金で「株式会社エム・ディー・エム」という会社を起業し、同年中にECサイト「楽天市場」をスタートさせた。当時はインターネット普及期であり、AmazonやYahoo!ショッピングもまだ日本では黎明期だったころだ。楽天市場は“出店型モール”という形式を取り、各ショップが自分たちのページを開設し、ユーザーに直接販売を行う仕組みを作り上げた。
私が大学生のころにも、楽天市場で食品や雑貨を買ったことを思い出すが、そのころはまだ「ネット通販って怪しくない?」という空気が世間に漂っていた。しかし、楽天は“安心・安全な買い物”を標榜し、ポイント制度などでユーザーのリピート利用を促しながら急拡大した。三木谷氏の掲げる「イノベーションを通じて、人々と社会をエンパワーメントする」という経営哲学がここで顕著に表れている。うさぎ先生(私の部屋にいる謎の元大学教授のウサギ)も言うには「当時の日本ではECサイトがまだ少なくて、楽天市場は中小企業や個人商店にネット販売の場を与え、売り上げを大きく伸ばせる可能性を提供した。これが社会をエンパワーした一例だろう」という。
1.2 金融と保険への進出
楽天が“通販サイトの会社”から一気に多角化を進めたのは、2000年代に入ってからだった。楽天カードや楽天銀行(旧イーバンク銀行)などの金融サービスを立ち上げ、ECの決済だけでなく、銀行口座やクレジットカード、証券取引、保険などをワンストップで提供する「楽天経済圏」の構想を作り上げていく。たとえば楽天カードは「年会費無料」「ポイント高還元」といった魅力的な仕組みでユーザーを取り込み、爆発的に利用者を増やした。
これが通信業界にもつながる土台になった、と先生は指摘する。「楽天が金融とECを融合させて、ユーザーが買い物をするたびにポイントを貯め、楽天カードで決済し、銀行を利用して資金を管理するという流れができあがった。そこにさらに通信サービスが加われば、ユーザーは生活のほとんどを楽天のサービスでまかなえるようになる。つまり“経済圏”を広げながら、ユーザーの囲い込みを強固にしているわけだ」と。
1.3 プロスポーツとメディア
楽天が社会に与えた大きなインパクトの一つに、プロ野球球団の東北楽天ゴールデンイーグルスがある。2005年、新規参入のプロ野球チームとして誕生し、本拠地を宮城県仙台市に構えることになった。まだインターネット企業がスポーツ球団を所有するというのは珍しい時代だったが、楽天はこれで一躍認知度を高め、地方創生や地域密着の姿勢をアピールする形になった。さらに、Jリーグのヴィッセル神戸や海外のサッカークラブへのスポンサーシップなどスポーツ事業にも積極的だ。
また、“楽天イーグルスを運営する”というだけでなく、球場を「楽天モバイルパーク宮城」としてネーミングライツを取得するなど、通信事業とのシナジーを狙う動きもある。今やプロ野球やサッカーが「SNSや動画配信でファンを獲得する時代」になっており、楽天のネット技術やメディア力が活きる場面が増えているのだ。
1.4 M&Aと海外展開
楽天は国内外で積極的にM&Aを展開してきた。国内では「ビッグローブ(BIGLOBE)」などの買収でプロバイダ事業を強化し、フリマアプリ「ラクマ」などでCtoC領域にも進出。海外ではフランスのPriceMinisterや米国のBuy.comを買収するなど、EC分野で海外拡大を狙った。結果として世界各地にグループ企業を抱える形となり、“Global Innovation Company”を名乗るようになっている。
先生は「楽天のM&A戦略は、とにかくスピード重視で市場を席巻してきた面があるね。うまくいったケースもあれば、海外で苦戦した事例もあるが、少なくともEC分野や金融分野では日本国内で圧倒的な地位を築いた。この勢いが通信業界への参入にもつながっているんだ」と言う。私も「なるほど、通信だけでなく、楽天市場や楽天カードという強力な事業がバックにあるからこそ、通信事業への投資を大胆にできるんだな」と思わず納得する。

2. 理念:『イノベーションを通じて、人々と社会をエンパワーメントする』挑戦的な経営哲学
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