《和の菓さんのう》と過ごす12ヶ月の和菓子【2024】
こんにちは、年間100個以上の和菓子を食べるきりこです。
店舗を持たないフリーランスの和菓子職人《和の菓さんのう》さんの季節の上生菓子セット、2024年は毎月購入することが出来ました💕季節が巡るたびに、昨年食べたあれ、おいしかったけどまたあるかな?と足を運ぶのも楽しみのひとつです。
…ということで今回は12ヶ月分の《和の菓さんのう》をお見せしたいと思います。購入するときの参考にしてみてくださいね。
1月ベスト『昇龍』村雨製&柚子羊羹製

左上から時計回りに
▪︎『万両』大納言鹿の子製 求肥
▪︎『梅一輪』練りきり製 小豆つぶ餡
▪︎『春告鳥』練りきり製 小豆こし餡
▪︎『雪間草』黒糖きんとん製 道明寺芯
▪︎『雪うさぎ』羽二重餅製 小豆つぶ餡
▪︎『昇龍』村雨製&羊羹製 1箱6個入り 2,900円
ウグイスの別名『春告鳥』を型どった練りきりや「春告草」と呼ばれることもある梅、縁起の良い『万両』など新年に相応しいラインナップとなった1月。
中でも2024年の干支「甲辰(きのえたつ)」を意匠とした『昇龍』の見事さはひときわ目を引きました。

【原材料名】砂糖、白餡、薯蕷粉、餅粉、卵白、寒天、水飴、柚子/食用色素(黄色4号.5号、青1号)

青柳色の村雨餡と松葉色の柚子羊羹を合わせ、柚子羊羹に優美な模様を差し込んだ『昇龍』。柚子羊羹の中に揺らぐ青柳色は、固まりかけた松葉色の羊羹に温度の違う羊羹を流し入れ、そぉーっとかき混ぜることで作られました。龍神が天空へと昇るかのような風雅な意匠になっていて、見れば見るほど惚れ惚れいたします。

村雨餡と柚子羊羹の間に挟まれているのは東雲羹。「白」が入ることで清澄な雰囲気が醸し出されています。ホロホロした村雨餡、軽やかな食感の東雲羹、爽やかな柚子羊羹のハーモニーが堪能できる一品です。
📝「東雲羹(しののめかん)」とは
羊羹に卵白(メレンゲ)が入ったもの。卵白が入るため、羊羹の色より少し白っぽくなります。
ちなみに煮詰めた錦玉に泡立てた卵白(メレンゲ)が入ると「淡雪」、求肥に白餡、泡立てた卵白(メレンゲ)を入れて練ったものは「雪平(せっぺい)」と呼びます。
2月ベスト『こころ』練りきり製 苺チョコ餡

左上から時計回りに
▪︎『恋文』ういろう製 チョコレート餡
▪︎『こころ』練りきり製 苺チョコ餡
▪︎『花束を君に』練りきり製 小豆つぶ餡
▪︎『薔薇』練りきり製 小豆こし餡
▪︎『恋する気持ち』吉野羹&チョコレート羹
▪︎『赤い糸』 ココア練りきり製 ミックスナッツ餡 1箱6個入り 3,200円
Valentine’s Dayをテーマに甘い気分を盛り上げるラインナップとなった2月。
カ、カッコイイ!と毎回心奪われるシックな黒のココア練りきり製『赤い糸』も、キュートで繊細な『花束を君に』も、2月のはどれもこれも食べるのがもったいないくらい魅力的でしたね。

【原材料名】砂糖、白餡、小豆(北海道産)、山芋、苺、チョコレート、寒天、餅粉/食用色素(赤3号、赤106号)、金箔
真っ向勝負な真っ赤なハートを意匠とした練りきり製の『こころ』。
真っ赤なハートの菓銘を『こころ』…なんとも情熱的です。奇を衒うことないストレートな意匠とおもいきや、中は苺チョコ餡を白餡で包餡したものとこだわりが感じられるのが面白いところ。

チョコは疎らに散らしてあるだけなので、メインはほのかに香る甘い苺餡。時折ビターなチョコにあたる、繊細な演出がなされています。甘い恋に包まれて、ほろ苦さはほんの少しということでしょうか。

表面は羊羹でコーティングして艶やかに仕上げてあります。羊羹コーティングが効いていて、練りきり製そのものよりも食感に変化が生まれるのが面白いところ。
3月ベスト『胡蝶の舞』きんとん製 道明寺芯

左上から時計回りに
▪︎『野辺の春』蓬羽二重餅製 小豆つぶ餡
▪︎『夢見草』練りきり製 小豆こし餡
▪︎『胡蝶の舞』きんとん製 道明寺芯
▪︎『花衣』ういろう製 さくら餡
▪︎『花筏』桜葉羊羹製 吉野羹
▪︎『筍』きな粉練りきり製 筍甘露煮入り 小豆こし餡
1箱6個入り 2,950円(税込)
一気に春めく菓銘、意匠となった3月。『花衣』の見事さに感嘆したり、和菓子に筍の甘露煮が入っているなんて!と驚きを感じたり…。


特に桜葉の塩漬けが好きなので、『花筏』は毎年楽しみにしているもののひとつです。桜や蓬といった春の萌木を連想させる素材が使われているのも3月の特徴と云えるでしょう。

その中で印象的だったとされたのは『胡蝶の舞』。…華やかな意匠ですが、何故?と思われる方もいらっしゃるでしょう。
実は、桐朋高等学校(東京都国立市)第78期卒業生の土田淳真さんの答辞に感銘を受け、菓銘の響きに共鳴したからなんですね。
ちょうど、二十四節気【啓蟄】の末候「菜虫化蝶」の頃だったのも心に刻まれた要因でしょう。

【原材料名】砂糖、白餡、道明寺、山芋/食用色素 黄色4号、黄色5号、青1号
黄檗と若草色に染め分けたきんとんの上に淡紅色の蝶々をあしらい『胡蝶の舞』と銘うちました。中はもっちりとした道明寺。上品な甘さのきんとんをやさしい道明寺の甘みが包み込みます。菜の花畑を優雅に舞う蝶々の姿が見えるような意匠ですね。
春色のきんとんに色味を抑えた蝶々の姿はどことなく儚げにすら見えますが…「バタフライエフェクト」という言葉をご存知でしょうか。気象学者のエドワード・ローレンツが提言した「1匹の蝶の羽ばたきのような非常に小さな撹乱でも遠くの場所の気象に影響を与えるか?」に由来した言葉で、転じて“非常に小さな事象が因果関係の末に大きな結果につながる”という意味合いをもちます。
この「バタフライエフェクト」を導入とした見事な答辞を読み上げたのは桐朋高等学校(東京都国立市)第78期卒業生の土田淳真さん。
パワフルで鮮烈な、そして遊び心もある名文はSNSで大きな渦を巻き起こしています。一見儚げな蝶は、古来より長寿・不死・立身出世の象徴とされてきました。卵·幼虫·さなぎの期間を経て天高く美しく羽ばたいていく…一人の青年は同志を「293羽の大鵬」と名付けました。
第78期卒業生のみなさん、ご卒業おめでとうございます。そして新たなスタートを切るみなさん、「293羽の大鵬」と同じく“大空を悠々と、颯爽と翔けていく”大鵬であろう。
4月ベスト『淡墨桜』桜葉羊羹製&錦玉羹

左上から時計回りに
▪︎『うららか』練りきり製 黒糖餡
▪︎『さくら』練りきり製 小豆こし餡
▪︎『胡蝶』ういろう製 白餡
▪︎『淡墨桜』桜葉羊羹製&錦玉羹
▪︎『菜の花』きんとん製 道明寺芯
▪︎『花筏』羽二重餅製 小豆つぶ餡
1箱6個入り 2,900円(税込)

【原材料名】砂糖、小豆、水飴、白餡、寒天、桜葉塩漬け/トレハロース、食用色素 赤3号、赤106号
『淡墨桜』とは、散りぎわに淡い墨色に花びらが変化する桜のこと(蕾:薄ピンク、満開:白色)をいいます。
日本三大桜の一つで国指定天然記念物となっている岐阜県本巣市の根尾谷淡墨桜は、樹齢1500年あまり、男大迹王[ 後の第26代継体天皇(奈良時代)]お手植えという伝承があります。継体天皇が本巣より都へ帰る際、住民との別れを惜しみ、桜の苗木を植え詠歌一首を遺されました。
身の代と遺す桜は薄住よ千代にその名を栄盛へ止むる

錦玉羹に薄桜色の桜花を浮かべ、下層の漆黒の羊羹を映し『淡墨桜』を表現しました。艶やかなまま散りゆく桜に比べ、刻一刻と色を失っていくさまはまるで人の一生を見ているかのよう…。桜葉塩漬けの塩味が儚げな意匠の『淡墨桜』にほんのりとしたアクセントをもたらしています。1,500年の時を経ても人の心を魅了する独特の淡い墨色と同様、毎年こちらの品に出会いたいなぁと思わす味わいです。
5月ベスト『富貴草』練りきり製 小豆こし餡

左上から時計回りに
▪︎『新緑』練りきり製 小豆つぶ餡
▪︎『杜若』羽二重餅製 小豆つぶ餡
▪︎『さくらんぼ』練りきり製 フランボワーズ餡
▪︎『緑さす』錦玉羊羹製
▪︎『富貴草』練りきり製 小豆こし餡
▪︎『早苗』黒糖きんとん製 道明寺芯
1箱6個入り 2,850円(税込)
風薫る5月、瑞々しい青葉に清々しさが感じられる季節が到来しました。



風景や花を意匠としたラインナップに、どの角度から眺めてみても本物と見紛うばかりの『さくらんぼ🍒』。毎年、子どもと1粒ずついただくのを楽しみにしている一品です。
花の時期や名前に疎いのですが、和菓子を食べているうちに少しずつ分かるようになってきました。

【原材料名】砂糖、白餡、小豆(北海道産)、山芋、餅粉/食用色素 赤3号、赤106号、黄色4号、黄色5号、青1号
『富貴草』とは牡丹の別名のこと。“花の王”といわれる中国渡来の花で、他に深見草、二十日草、名取草、山橘…etc.多くの呼び名があります。ぼってりと大輪の花を咲かす牡丹の美しさに多くの句が詠まれています。
牡丹散つてうちかさなりぬ二三片
こちらは与謝蕪村の句。散り落ちた花弁でさえ艶やかで美しい…と、目を奪われたさまが思い浮かぶかのようです。

さて《和の菓さんのう》の『富貴草』は丸みを帯びた三枚の練りきりが重なり合った意匠に見受けられます。いったいどうやって仕上げたのだろうと不思議に思ってお訊ねしたところ、手順はこちら⏬
小豆こし餡を白×牡丹色の練りきりで暈し包みする
中央に三角棒で凹みをつくる
木ベラ?で三枚の花弁に見えるようにスジを入れる
花弁の先の部分を少し摘まんで薄く仕上げる
細いスジの型をあて花弁に表情をつける
三角棒で凹んだ部分に黄色のきんとんをあしらい完成

素人にも分かるように丁寧に説明してくださいました(私が理解できた部分で記載していますので、違うところがあるかもしれません。悪しからず)。こうして職人さんと直接お話し出来るのも《和の菓さんのう》さんの魅力なのです。

中は小豆こし餡。甘さ控えめな味わいです。
6月ベスト『手毬花』練りきり製 小豆こし餡

左上から時計回りに
▪︎『若楓』大納言鹿の子製 求肥入り
▪︎『紫陽花』マスカット錦玉製 白餡
▪︎『雨上がり』羽二重餅製 小豆つぶ餡
▪︎『七変化』きんとん製 道明寺芯
▪︎『枇杷』ういろう製 白餡
▪︎『手毬花』練りきり製 小豆こし餡
1箱6個入り 2,950円(税込)
6月の代表花「紫陽花」は歌人も然ることながら和菓子職人さんたちの心をも動かしてきました。その証に「八仙花」「刺繍花」「手鞠花」「四葩の花」「七変化」…etc.と、その姿や特徴からさまざまな呼び名がつけられた和菓子が店頭に並びます。

《和の菓さんのう》さんのラインナップも3つの菓銘で「紫陽花」を表現されました。
『手毬花』は包み暈しされた真っ白な練りきりがベース。花弁の型抜きをすると中から色とりどりの紫陽花が浮かび上がってくる意匠となっています。

【原材料名】砂糖、白餡、小豆(北海道産)、山芋、餅粉/食用色素 赤3号、赤106号、黄色4号、黄色5号、青1号
淡紅色、若紫、山藍摺(やまあいずり)と色を変えていく紫陽花…そこに二粒の水滴があしらわれています。小さな錦玉なのですが、全体に色づいているわけではなさそうです…不思議な色の見え方だなぁと思って訊ねてみると

「これやってるの、和菓子業界で僕だけです」
と、嬉しそうに秘訣を教えてくださいました。
秘密の技法かもしれませんのでここに書くのは控えますが、気になる方は三納さんに聞いてみてくださいね。

そういえば三納さん、中国に和菓子作りを教えに行かれていたとか。Instagramに“「中国どうでした?」とお声掛けしたら中国のプチお土産をプレゼントします”とあったのに、『手毬花』に夢中になっててすっかり忘れてしまっていました。

お土産はともかく海外の方がどんな風に和菓子に興味持ってくださったのか等、お話を伺いたかったなぁ。残念至極。
7月ベスト『涼』栗みぞれ羹製 大納言鹿の子

左上から時計回りに
▪︎『清流』練りきり製 小豆つぶ餡
▪︎『宵花火』練りきり製 小豆こし餡
▪︎『緑陰』本葛製 小豆こし餡
▪︎『朝顔』ういろう製 白餡
▪︎『銀河』ライチマスカット錦玉羹&小豆羊羹製
▪︎『露草』きんとん製 道明寺芯
1箱6個入り 3,200円(税込)
2024年の7月のニュースは何といっても新紙幣に切り替わったこと。慣れなくて同じ券種でも新旧混じるとあれっ⁉と混乱することもありましたね。

美しい錦玉羹で煌めく夜空を表現した『銀河』。こちらは【七夕】の時期だけ菓銘を『天の川』といいました。

【原材料名】 砂糖、小豆、水飴、マスカット果汁、リキュール、白ワイン、寒天/トレハロース、銀箔、食用色素(赤3号、赤106号、青1号)
紅掛花色、白群、瑠璃色…etc.アングルによって表情を変えるのでたくさん撮影してしまいました。

ライチとマスカットの爽やかな錦玉羹に白ワインの隠し味、香りのよい一品に仕上がっています。プリッとした錦玉羹の歯触りも楽しいものですね。

錦玉羹の土台にはあっさりとした甘さの小豆羊羹。
8月ベスト『西瓜』西瓜錦玉製&羊羹製

左上から時計回りに
▪︎『西瓜』西瓜錦玉製&羊羹製
▪︎『金魚鉢』練りきり製 小豆こし餡
▪︎『向日葵』きんとん製 道明寺芯
▪︎『木槿』本葛製 白餡&小豆こし餡
▪︎『うたかた』ほうじ茶みぞれ羹&大納言鹿の子製
▪︎『桔梗』カルピス羹製 レモンピール
1箱6個入り 2,900円(税込)
盛夏はやはり口当たりのよい葛や錦玉羹を使った和菓子が主流となりますね。

子どもは錦玉羹があまり好みではないのですが、こちらの『桔梗』はカルピス羹。爽やかで懐かしい味わいに子どもも大喜びでした。
レモンピールであしらった花芯がカルピス羹から透けるさまは風情があっていいですね。『桔梗』が出回り始めると少しずつ秋めく気配を感じるものです。

秋の野に 咲きたる花を 指折りかき数ふれば 七種(ななくさ)の花
萩の花 尾花葛花 撫子の花 女郎花また藤袴 朝貌(あさがお)の花

スイカ果汁入りの錦玉羹と鮮緑(せんりょく)色に染められた羊羹で『西瓜』の意匠としました。西瓜の種は黒ごまで表しています。赤と鮮緑の間に「白」の部分があることでより西瓜たらしめていますね。西瓜の果肉部分は特殊な作り方をしているそうで、色合いだけではなく思った以上に西瓜の味わいが楽しめました。

【原材料名】 砂糖、白餡、小豆、水飴、スイカ果汁、寒天、黒ゴマ / トレハロース、食用色素(赤102号、黄色4号、黄色5号、青1号)
最近、塩入りの和菓子を食べる機会が増えましたね。こちらの『西瓜』はまるで本物のようにほんの少し塩を少しかけても美味しくいただけるとのこと。なかなか意表を突く試みです。

そのままいただくと品のある甘さ、塩をかけるとキリッと際立つ甘さへと様変わりしました。三切れあるので色んな食べ方が楽しめるのもいいところ。三切れ目は冷やしてすっきりした味わいを楽しみましたよ。
9月ベスト『名月』栗入り黒糖羊羹

左上から時計回りに
▪︎『紫式部』練りきり製 小豆つぶ餡
▪︎『秋桜』練りきり製 小豆こし餡
▪︎『焼き栗』栗きんとん製
▪︎『桔梗』ういろう製 小豆つぶ餡
▪︎『小さな秋』胡麻入り羽二重餅製 小豆つぶ餡 ▪︎『名月』栗入り黒糖羊羹
1箱6個入り 2,850円(税込)
9月になると「栗きんとん」が店頭に並び始めます。栗好きにとっては嬉しい季節の到来です。

栗入り黒糖羊羹を土台に鮮やかな黄色に染めた餡をあしらい『名月』と銘うちました。
名月を取ってくれろと泣く子かな
江戸の三大俳人 • 小林一茶が詠んだ句が思い浮かぶような美しい意匠ですね。空澄む秋に手を伸ばせば届きそうな大きな月。シンプルながらも目を奪われる一品でした。

美しい月を「栗」ではなく餡で表現しているところにも興趣が感じられますね。表面を細かな模様で仕上げてあるので光の当たり方やアングルによって様相が変わり、まるで月そのものを愛でるかのような風情を楽しめます。

2024年は9月17日が十五夜、10月15日が十三夜(【後の月】)でした。
慌ただしい日常ですが、和菓子を食べながらゆるりと月見をするのも一興ですね。
📝「十三夜」とは
旧暦9月13日の十三夜は【中秋の名月(十五夜)】に次いで美しい月がみられる日とされ、食べ頃を迎える栗や大豆をお供えすることから【栗名月】とも呼ばれています。
十五夜と十三夜の月見はセットとして考えられており、片方の月しか見ない「片月見」は縁起が悪いものとしてされていたそうです。

【原材料名】 砂糖(国内製造)、黒砂糖、小豆餡、栗、水飴、ラム酒/食用色素(黄色4号)

半分に割ってみると、黄色に染めた餡がまるで半月のような断面になりました。偶々なのか、そのような仕掛けになっているのか分かりませんが、これまた愉快、愉快。
10月ベスト『山路』浮島製&栗蒸し羊羹製

左上から時計回りに
▪︎『山路』浮島製&栗蒸し羊羹製
▪︎『菊花』練りきり製 小豆こし餡
▪︎『栗雫』栗きんとん羊羹製 栗甘露煮
▪︎『染めはじめ』きんとん製 道明寺芯
▪︎『蔦紅葉』羽二重餅製 小豆つぶ餡
▪︎『有りの実』ういろう製 梨コンポート&白餡
1箱6個入り 2,900円(税込)
青々とした葉も秋が深まるにつれ明度が下がり、山歩きもしやすくなってきた10月。
自然の恵みを感じつつ、ゆったりと過ごしたくなりますね。実際は繁忙期なので忙しない毎日ですが、和菓子をいただく時間だけは穏やかに在りたいものです。
『山路』はこの時期お馴染みの菓銘ですが、毎年少しずつ意匠が違っているのが面白いところ。浮島製の御菓子は何だかほっとする味わいで好きなんです。

青々繁っていた木々が鳴りを潜め、実りの山々へと移り変わる情景を梅幸茶(色)の浮島で表現した一品。梅幸茶(色)の浮島は趣があって素敵ですね。
📝「梅幸茶(ばいこうちゃ)」
茶みを含んだ淡い萌黄色のことで、別称・草柳(くさやなぎ)とも呼ばれる。
享保~天明期にかけて活躍した歌舞伎の大立者・初代「尾上菊五郎」が好んだ色。
※菊五郎の俳名である“梅幸”にちなみ「梅幸好みの茶=梅幸茶」となる。

【原材料名】 砂糖(国内製造)、白餡、小豆、栗、小麦粉、上用粉、卵白、寒天/食用色素(黄色4号、黄色5号、青1号)
ふわっとした浮島としっとりなめらかな栗蒸し羊羹はコントラストもやさしく穏やかな心持ちになれます。浮島がやや甘めな仕上がりなのも秋のしっとりとした空気感によく合います。
11月ベスト『錦秋』黒糖羊羹製 錦玉羹

左上から時計回りに
▪︎『梢の秋』黒糖きんとん製 道明寺芯
▪︎『山茶花』練りきり製 ほうじ茶餡
▪︎『熟柿』練りきり製 小豆こし餡
▪︎『林檎』ういろう製 りんご餡
▪︎『錦秋』黒糖羊羹製 錦玉羹
▪︎『銀杏』羽二重餅製 小豆つぶ餡
1箱6個入り 2,900円(税込)
毎年楽しみにしている【やっとかめ文化祭】の和菓子巡りでたくさんの和菓子と出会った11月。
「日本100名城の旅」で遠方にも出掛けたので現地の和菓子を嗜み、いつも以上に和菓子を堪能しました。
11月ベストは、色艷やかな晩秋の景色を和菓子にうつしとったもの。紅葉が折り重なる意匠の和菓子は他でもお見かけしますが、《和の菓さんのう》さんのは配置の妙なのか風情と愛らしさのバランスがいいなぁと思うのです。

紅葉が錦の織物のように野山を彩る美しい景観を表した『錦秋』。錦玉羹に浮かぶ黄浅緑、黄支子、紅葉色の葉は、野山の景観を徐々に塗り替えてゆくさまを表しています。

【原材料名】砂糖(国内製造)、小豆、水飴、黒糖、白餡、寒天/トレハロース、食用色素(赤102号、赤3号、赤106号、黄色4号、黄色5号、青1号)
[紅葉(もみじ)]は【晩秋】の季語。
面白いのは[紅葉且つ散る]は【晩秋】の季語ですが[紅葉散る]は【初冬】の季語に分類されるところ。紅葉しながら散りゆく紅葉を味わうが深秋なら、色褪せ北風に舞うさまをしみじみと眺めるのが冬紅葉といったところでしょうか。

プリッとした錦玉羹の土台は黒糖羊羹。黒糖の風味は強くなくあっさりとした味わいです。
12月ベスト『トナカイ』ほうじ茶羽二重餅製 小豆つぶ餡

左上から時計回りに
▪︎『ベル』ういろう製 白餡
▪︎『雪だるま』練りきり製 フランボワーズ餡
▪︎『リース』大納言鹿の子製&羊羹
▪︎『ブーツ』練りきり製 小豆こし餡
▪︎『ツリー』きんとん製 道明寺芯
▪︎『トナカイ』ほうじ茶羽二重餅製 小豆つぶ餡
1箱6個入り 3,200円(税込)
クリスマスにも和菓子を堪能するわが家。昨今、クリスマス仕様の可愛らしい和菓子を販売される和菓子屋が増えましたね。
《和の菓さんのう》さんでは毎年、和の意匠とクリスマスの意匠を交互に販売されているそうで、今年はクリスマス仕様となっています。
求肥を包み込んだ大納言小豆をくるりと羊羹で巻いた『リース』の意匠は《和の菓さんのう》ではお馴染みで、お正月の松になったり桜になったり上に乗るものが変わるだけでガラリと雰囲気が変わる面白さがあります。
ほんの少し変わるだけで四季の移り変わりを表現できる、和菓子の魅力に満ちた一品です。

【原材料名】 砂糖(国内製造)、餅粉、小豆、卵白、ほうじ茶、白餡、寒天/食用色素(赤102号)
クリスマスを彩る上生菓子のなかでほっこりとするのが羽二重餅製の『トナカイ』。白茶色に羊羹の赤で目を、光悦茶で角をあしらった一品です。
羽二重餅にはほうじ茶が練り込まれているので独特な香ばしさが口の中に広がります。抹茶にほうじ茶…と思われるかもしれませんが、日本茶好きには堪らない味わいなのです。
今回ご紹介した和菓子職人
フリーランス和菓子職人《和の菓さんのう》
□製造者フリーランス和菓子職人 三納寛之
□住 所岐阜県瑞穂市野白新田337-1-102
□電話番号090-3834-3444
□定期販売日·場所
◇ 名古屋三越星ヶ丘テラス The Kitchen2階
毎月第2火曜日・第3日曜日
◇ 岐阜県本巣市atelierフェリス
毎月第4水曜日
※インスタグラムで予約可
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