夕方の急な依頼で削られないために、私が決めている線引き
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特養で機能訓練指導員として働いていると、夕方になるほど呼ばれることが増える。
食事の姿勢が崩れているという報告。ポジショニングの確認。眠りスキャンのWi-Fiが切れたという連絡。上司からの書類の指示。個別のNsからの突発的な依頼。
夕方は支援職にとって、一日の中で最も消耗している時間帯だ。午前から積み重なった判断、利用者さんとの関わり、多職種間のやり取り。HSP気質の人間は、その全部を人より深く受け取りながら仕事をしている。
だから夕方に来る急な依頼は、ただの追加業務ではない。すでに消耗しきった状態に、さらに何かを積まれる感覚だ。
今日は、そういう場面で私が実際にどう判断しているかを正直に書いてみたい。
夕方の依頼、私の判断基準は「内容」と「相手」と「自分のスケジュール」
正直に言うと、私は「疲れているから断る」という判断はあまりしていない。
疲弊しているかどうかよりも、この3つで判断することが多い。
ひとつ目は内容だ。命に直結するかどうか、そして自分でなければできないかどうか。
たとえば食事中の姿勢は、誤嚥のリスクを考えれば確認しに行くことが多い。姿勢が崩れたまま食事を続けることで窒息につながる可能性があるからだ。これは今日の私の課題だと判断する。
ポジショニングは少し違う。褥瘡の有無や予防的な観点から確認が必要な場合でも、翌日に回せることも多い。一晩で状態が急変するリスクが低ければ、「明日の朝に確認しに行きます」と伝える。
眠りスキャンのWi-Fi接続トラブルは、正直なところ夜勤職員が巡視に行けば済むことが多い。でもICT系に疎い職員が多い職場の現実として、ついつい呼ばれてしまう。こういう依頼こそ、自分でなければできないのかを一度立ち止まって考えるようにしている。
ふたつ目は相手だ。理事長や管理者からの依頼は、期日を確認したうえで優先度を上げることが多い。ただし「今すぐ」なのか「いつまでに」なのかは必ず確認する。期日がある書類なら、その少し前に仕上げるペースで動く。
個々の看護師から直接頼まれる場合は、その内容と緊急性でその都度判断する。リーダーを通さずに個別で頼んでくることも多いので、内容次第では「一度リーダーに確認してもらえますか」と返すこともある。
みっつ目は自分のスケジュールだ。
これが一番正直な話かもしれない。翌日が自分の休みの場合、「今日中に宿題を終わらせたい」という気持ちから引き受けることが増える。次の日に引き継ぎができない分、今日のうちに片付けておきたいという感覚だ。
逆に翌日も出勤なら、翌朝に回せる余裕が生まれる。私自身、書類業務は夕方より早い時間にある程度こなすようにしているので、後日に回す選択肢を持ちやすい。
「今すぐ」と「今日中」と「いつまでに」を分けて聞く
夕方の依頼で一番消耗するのは、「緊急に見える依頼が、実は緊急ではなかった」というパターンだ。
慌てた様子で声をかけられると、HSPはその感情の圧力も一緒に受け取ってしまう。だから「大変そう」という空気に引っ張られて、急いで対応してしまいがちだ。
でも落ち着いて確認してみると、「今すぐ」ではなく「今日中」でよかった、あるいは「明日でも問題なかった」ということは少なくない。
だから私は、依頼を受けたときにできるだけこの3つを分けて考えるようにしている。
今すぐ対応が必要な案件なのか。今日中であれば問題ない案件なのか。期日があるなら、それはいつなのか。
この3つが見えてくるだけで、夕方の依頼に対する焦りがかなり和らぐ。
パフォーマンスが落ちている状態での判断を、どう補うか
本音を言うと、夕方の自分のパフォーマンスは午前より確実に落ちている。
HSP気質の人間は、一日を通じて人の感情や場の空気を受け取り続けている。夕方にはその蓄積がある。判断力も集中力も、朝とは違う。
だからこそ、夕方の判断は「仕組み」で補うようにしている。
内容・相手・スケジュールという3つの軸は、疲れていても機械的に当てはめられる。感覚ではなく基準で判断することで、消耗した状態でも適切な判断を出しやすくなる。
「なんとなく断りにくい」という感覚で引き受け続けると、退勤後の消耗が倍になる。夕方に積まれた依頼を全部持ち帰ると、家に帰ってからもその重さが続く。
やさしい人ほど、断ることへの罪悪感が先に来る。でも「今の自分の状態でこれに対応して、質の高い支援ができるか」を一度問いかけてみてほしい。答えが「難しい」なら、それは断る理由として十分だと思っている。
最後に
夕方の急な依頼に削られないために、私がやっていることはシンプルだ。
内容を見て、命に直結するかと自分でなければできないかを確認する。相手を見て、優先度と期日を確認する。自分のスケジュールを見て、今日やるべきか明日でいいかを判断する。
どれも特別なことではない。でもこの軸を持っているだけで、夕方の消耗の仕方がかなり変わる。
HSPの支援職が夕方に削られやすいのは、疲弊しているからだけじゃない。「断ったら申し訳ない」という感覚が、判断より先に来てしまうからだ。
判断基準を先に持っておくことで、その感覚に流されにくくなる。
やさしいままで、消耗しないための道は、きっとある。
作業療法士16年目|特養・ユニットケア勤務|元認知症ケア指導管理士|HSP・ISFJ
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