HSPの父親が正直に話す「子育てのしんどさ」と「それでも続けられた理由」---
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0歳の頃、娘は全く眠らなかった。
抱っこしてやっと寝た、と思って背中をつけた瞬間、また泣き始める。その繰り返しだった。
賃貸マンションだった。夜中の泣き声が近所に聞こえないか、それも気になった。
妻は授乳しながら娘が寝るのを待った。やっと寝ても1時間でまた起きる。私は仕事があることを理由に、別室で休ませてもらっていた。
ある夜、お互いしんどくて、二人で泣いた。
それが私の子育ての原点だ。
HSPにとって子育てがしんどい理由
HSP気質の人間にとって、子育ては特有のしんどさがある。
娘の泣き声は、普通の人より深く刺さる。感覚が鋭いから、音がそのまま脳に響く。特に車の中でのギャン泣きは逃げ場がなくて、本当にしんどかった。
妻が娘を叱る声も、しんどかった。
自分が叱られているわけじゃない。でも感情的な声が耳に入るだけで、体がこわばる。社会人1年目に毎晩罵倒されていたあの記憶が、どこかで反応するのかもしれない。
これはHSPの「感情の共鳴」と呼ばれる反応だ。他者の感情を、自分のことのように受け取ってしまう。娘の泣き声、妻のイライラ、家の中の緊張感。それらが全部、自分の中に入ってくる。
眠れない夜をどう乗り越えたか
電動のユラユラ揺れるベッドをダスキンでレンタルした。バウンサーも借りた。でもどれも大して効果がなかった。
3歳頃からは昼寝も拒否するようになった。眠いと泣くのに、眠ることを拒否して泣きながら覚醒しようとする。今思えば娘なりに必死だったんだと思う。
あの時期を乗り越えた方法を聞かれると、正直「乗り越えた」というより「時間が解決してくれた」という感覚が近い。
作業療法士として言えることがある。睡眠不足が続くと前頭前野が疲弊して感情のコントロールが難しくなる。つまり、あの時期の私と妻がしんどかったのは当然の生理的反応だった。弱いんじゃない。脳が限界だっただけだ。
HSP気質が子育てで「強み」になった
しんどいことばかりじゃなかった。
娘と私は性格も好みもよく似ている。だからこそ娘の気持ちをくみ取れることが多い。「あ、今これが嫌なんだな」「今は1人にしてあげた方がいいな」という感覚が、自然と働く。
娘は私のことをとても好きでいてくれている。
HSP気質の傾聴力と共感力は、子どもとの関係では圧倒的な強みになる。言葉にならない娘の感情を感じ取れること。それは作業療法士として15年培ってきた力でもあり、HSPとして生まれ持った力でもある。
娘はめちゃくちゃ真面目な子だ。HSCな部分もあるかもしれない。でも私より上手くやっている気がする。子どもの適応力は、大人が思う以上にすごい。
1人の時間が取れない中でのメンタル管理
娘は1人で何かをするのが得意じゃない。何をするにも親か祖父母と一緒にいたがる。
仕事から帰ってまっすぐ家に帰る。コンビニにも寄らない。帰ったら食事、皿洗い、お風呂、洗濯。全部終わると21時か22時だ。
発散する場所が、ほとんどなかった。
だからこそ、夜の1人の時間だけは死守した。娘が寝た後、ソシャゲをやったりパソコンをいじったりする。その時間があるから、翌日また動ける。
HSPにとって1人の時間は贅沢じゃない。生きていくための必需品だ。
子育てが私を変えた
以前の私は、合わない上司がいると逃げるように転職していた。
でも娘が生まれてから、仕事を続けられるようになった。
娘優先の生活を続けてきたことで、自分より大切なものができた。それが「続ける力」になった。
元々怒るのが苦手で感情の起伏が少ない。でも娘といると、純粋に笑える瞬間が増えた。難しいことを考えなくていい時間ができた。
子育ては消耗することも多い。でも同時に、私を人間として成長させてくれた。
今日あなたに伝えたいこと
HSPだから子育てに向いていない、なんてことはない。
感じる力が強いから消耗することも多い。でもその同じ力が、子どもの気持ちをくみ取る力になる。
完璧な親じゃなくていい。
しんどくて泣いてもいい。1人の時間が欲しくなってもいい。
娘はあなたが思っている以上に、あなたのことを見ている。そしてあなたのことが大好きだ。
いてくれるだけで十分だと、娘も思っているから。
作業療法士・16年目。特養勤務。HSP・ISFJ。7歳の娘と、今日も一緒にお風呂に入っています。
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