#31【黒い男と私には見えない繋がり―生理的拒絶】中学生の記憶-19
家庭教師だった、あの黒い有名校長
私の態度が気に食わないのか
いつの間にかパタリと来なくなっていた
(黒い校長の話はこちらから↓)
でもある日
玄関を開けた瞬間
あの独特なねっちょりとした
『ヤニの匂いがした』
一気に
体がこわばる
リビングで、相変わらず黒い顔の男が
当然のような顔をして座っていた
そして、相変わらず
ヤニ臭い
空気が
ぴんと張りつめている
久しぶりに見た私を
チラッと横目で見た
不快な時間だけがゆっくりと流れる
「高校には行った方がいい」
低く抑えた声
逃げ場を塞ぐように
言葉だけが
置かれていく
「君はいったい
何を考えているんだ!!」
「なぜ、親の言うことを
聞かないんだ!!」
胸の奥がぎゅっと縮む
そんな急に大きな声出さなくても…
何を考えている?
私があなた達にも同じ事を聞きたいよ…
親の言う事もずっとずっと聞いていたし
答えなんて何も用意していない
そもそも、あなたに
私の考えを話さなければならない理由を
まず教えてほしい
声には出せない…
ここには私の意思なんて
最初から存在していない
その場にいるだけで
息が苦しくなって
次の瞬間、私は家を飛び出していた
考えるより先に、体が勝手に外へと私を連れ出した
走って 走って 走って

あの空気から逃げるように
私はまた走っていた
涙がこぼれそうになるたびに
もう泣くもんか‼︎
と歯を食いしばりながら走った

次回
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