本の中のレシピ「ベークド・アップル・サンドイッチ」または「蒸しリンゴ」を作れなかった話
おかあさんは、そんな話をしながらお気にいりのベークド・アップル・サンドイッチを食べている。フライパンに発酵バターをとかして、ふつふつと泡だつくらいに熱くなったら、そこへスライスしたりんごをならべて焼く。フライパンをゆすたり、菜箸でかきまわしたりしちゃだめなんだよ。片面ずつ、じっくり焼きあげる。それをイングリッシュブレッドにならべてシナモンをふりかけ、さらにトースターで焼くんだ。
りんごのジュースをバターがとけあって、香ばしい匂いがたちのぼる。バターが膜をつくるから、ジュースはパンにしみこまない。りんごはしっとり、パンはサックサクに焼きあがる。ナイフで切りわけると、とってもよい音がする。
おフランス自慢のホーロー鍋でつくる蒸しりんごも、この季節ならではのお楽しみ。紅玉をつかうのがよい。姫りんごなら、かわいらしいサイズの蒸しりんごができる。皮ごとりんごを洗って、(ワックスが気になるときは、重曹でこすって洗いながす)、芯をきれいにくりぬく。芯ぬきがあると便利だけれど、フォークでも大丈夫。
底に穴をあけないように気をつけて。穴があると、蒸したときにふつふつとしみだしてくるせっかくのバター&ジュースが流れてしまってもったいない。底の部分をアルミ箔でくるんでおいてもいい。
くりぬいたところへ、発酵バターをつめる。分量はお好みで(カロリーとも相談して)、だいたい三十グラムぐらいかな。あらかじめバター(詰めるのとはべつ)を溶かしておいた鍋にいれてフタをして蒸す。りんごのなかのバターが泡だってとけたところに、砂糖をくわえる。からだのためには、甜菜糖がよい。これもお好み。あとでジャムを詰めるので、砂糖はひかえめでもいいかも。
大きさにもよるけど、十五分くらい蒸したら、ジュースがふつふつつあふれてくる。吹きこぼれないようにお好みのフルーツジャムを詰めて、さらにもうちょっと蒸す。さいごにカルヴァドスがあれば、それをふりかける。フランベすると、表面がつやつやにしあがる。
詰め込むジャムはマーマーレードが一般的だけど、フランス風にするならグロゼイユ(赤すぐり)やカシス(黒すぐり)やフランボワーズ(木苺)を。
このまるごとを、熱々のうちに、ひとりでぜんぶほおばる!
表紙の左側のうずまき模様のある猫・チマキの視点でおくられる、とある家族の一年間の料理と人間模様のお話。ストーリーが繋がっている短編8編のうち、6つ目「香ばしいごちそう」にりんご料理の一節がある。
我が家では、通販が趣味の夫がりんごを購入したら間違って2箱届いた(向こうのミスなので送り返さなくていいと言われた)。そのりんごがまだ微妙に残っている。りんごの消化に困っていたので、このレシピはちょうどよかった。
紅玉も発酵バターも甜菜糖もないけど、ちょっとグレードの高いりんごとバターと上白糖がある。まあ、だいたい同じでしょ、ということで、我が家(年長&三年生がいる)用に一部レシピをアレンジして作ってみよう!
アレンジポイント
子どもは少しでも食べにくいと食べないので、皮は全部剥く。
りんご丸ごとはインスタ受けするが、子供受けしないので、食べやすいサイズにカット。
美味しいりんごだったので、りんごをの味を楽しむためにジャムはなし。
カルヴァドス(りんごのブランデー)なんて上品なものはないので、無し。
……もう別の料理では????
と思わなくもなかったが、とりあえずりんごを切る。もう食べても食べても終わらなくて、しばらく冷蔵庫で熟成(?)させていた最後の4つだ。

りんごを切ってみると、雪平鍋がちょうど埋まる。

レシピでもバターと砂糖はお好みとあったので、適当に投入。一度作ってみた感想としては、バターの風味が結構決め手なので、バターはケチらない方がいい。このりんごは甘みが強いりんごだったので、りんご4つに対して、砂糖は大匙3程度で十分。

時々かき混ぜつつ、30分くらい弱火で煮込む。だんだん煮崩れていくけど、完全に煮崩れず、りんごのしゃきしゃき感がなくなって、とろりとした触感になったくらいで火を止める。夫が「バターのいい匂い!」と喜ぶ。粗熱がとれるまで、そのまま置いておく。一度りんごから出てしまったジュースがりんごに戻っていく。

最終的に鍋の半分程度(写真はつまみ食いをした後なので参考程度で)になる。写真の時点ではジュースが出ているが、粗熱が取れるとりんごに戻っていくので、出来上がりには汁気はあまりない。


ほどほどの甘さで、そのまま食べても美味しいけど、今回はヨーグルトのトッピングにしてみた。
私が作ったのは、もはやレシピ関係ない「煮りんご」のような気もするけど、最後のりんごが消化できて、家族にも好評だったので良しとする。
このまるごとを、熱々のうちに、ひとりでぜんぶほおばる!
ここまでレシピだと思うので、次は姫りんごできちんと作り直すか、ジャムを入れた正しいバージョンを作りたい。
『チマチマ記』は最後のお話が好き。誰が誰を好きでも(カガミくんが桜川くんを好きでも)構わない。猫と、生きた人と、亡くなった人が、同じ家でそれぞれのペースでゆるく生活をする。落ち着いて食事をする暇もない慌ただしい日々に疲れたら、チマキと一緒に宝来家の生活を覗いてみてね。
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