FOODEX JAPAN 2025 フランスの魅力再発見〜蒸留酒・ビール編〜
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はじめに
東京ビッグサイトで開催されたイベント「FOODEX JAPAN 2025」に参加させていただき、多くの魅力あふれるアイテムと出会いました。
その模様をXやInstagramで随時タイムリーに発信し、その後、こちらのnoteでもおすすめのワインを多数後紹介させていただきました。
「フランス」と言えばワインを連想される方も多いと思いますが、世界を代表するワイン大国であることはもちろん、世界中の多くの食文化にも影響を与える美食の国。数々の素晴らしいワインが生まれると共に、魅力あふれる食材が数多く存在し、それぞれの土地の食文化とワインは密接に関係している。さらには、ワインに限らず、その食をより豊かにするためのさまざまな飲み物が存在します。
私自身、今回各ブースを回らせていただいてあらためて気付かされたのは、フランスはワイン以外のお酒も非常に多彩で、世界トップレベルの素晴らしいクオリティをもっているということ。
「三大ブランデー」と呼ばれる「コニャック」「アルマニャック」、そして「カルヴァドス」は、世界的に高い知名度を誇っており、ソムリエ・ワインエキスパート試験においても必須のチェックポイントですが、今回はさらにその枠を越えた飲み物との出会いがありました。

フランス領 ギアナ産のクラフトビール
まずはじめはこちらのブースへ。

「ラ・ブラッスリー・ド・ルエスト・ギヤネ(La Brasserie de l’Ouest Guyanais)」は、フランス領ギアナにあるクラフトビール醸造所。2021年に設立されたばかりで、地元の果物、スパイス、蜂蜜を使用した健康的で個性的なビールを製造しています。
この醸造所は、創業者であり社長のギレーヌ・コンスタブル(Guylène Constable)氏によって設立され、現地で訓練を受けた2人の醸造作業員がチームを構成。彼らの目標は、フランス領ギアナの新しい味覚を発見し、味わい、共有すること。信念を持って素晴らしい製品を生み出しています。


こちらはドライオレンジを思わせる風味やシナモン、ナツメグなどのスパイス感、スモーキーさがあり、爽やかさとコク、旨味を感じます。

ビールに合うフードを探しに
そして、ギアナのビールに合うフードを探しに行きます。
辿り着いたのがこちらのブースでした。

1998年にパトリス・ル・ヒールが創業。プティフール、ハンバーガーなどのデリ製品のフランスにおけるリーダー的存在で、20年以上にわたる専門知識と経験を生かし、小売店や外食産業向けに幅広い商品とサービスを提供しています。日本ではコストコで、こちらの商品を購入できるようです。



お肉の風味にビールとコクと苦味が重なり、旨味がさらに増します。バンズにビールが溶け込んでいき、パンの風味と調和しながら味わいに深みをもたらしています。
フランスには他にまだまだ有名なビールがありますが、ワインと同じように料理やシチュエーションに合わせて選ぶのがおすすめの楽しみ方。今回のようにカジュアルに合わせてみることで、気軽さの中に豪華さが加わり、美味しさも楽しさも倍増します。
ニューカレドニアの魅力が満載
続いてはこちらのブースへ。


「ニューカレドニア エクスポートサービス」とは、ニューカレドニアの企業が国際市場への輸出を支援するためのサービスや組織を指します。これには、輸出手続きのサポート、物流の最適化、規制遵守の支援などが含まれます。
ハチミツのお酒「ミード」
まずはこちらをテイスティング。

以前、フランスのミードをご紹介させていただいたことがありますが、今回はニューカレドニア産。ボトルの美しさが目を惹きます。
さまざまな種類があり、風味も豊かで瑞々しい味わい、アルコールも軽やかで、今後日本でも広まっていく可能性大です。
ミードとは?
ミード(Mead)は、蜂蜜、水、酵母を主原料とする発酵酒で、「蜂蜜酒」や「ハニー・ワイン」とも呼ばれます。その歴史は古く、古代ギリシャや北欧神話にも登場し、「神々の飲み物」として知られていました。また、「ハネムーン(honeymoon)」の語源は、新婚夫婦が結婚後1か月間ミードを飲む習慣に由来するとされています。



キュウリが入ったラム?
続いては珍しいスピリッツをテイスティング。

「Terre du Sud(テール・ド・シュッド)」は、ニューカレドニア初の地元産ラムのブランドで、首都ヌメア近郊のモン=ドール地区ラ・クレに位置する「Distillerie du Soleil(ディスティルリー・デュ・ソレイユ)」で製造されています。
創業者のフィリップ・ブルオ氏は、2016年にこの蒸留所を設立し、地元の無農薬のサトウキビを使用した高品質なラム酒の生産を開始しました。
今回テイスティングした「ラム・フレッシュ」は、ホワイトラムにキュウリ、クミン、ミントを加えた爽やかなフレーバーラムで、爽やかで豊潤な味わいを楽しめます。


無二の個性をもつフランスのラム
ラムといえば、カクテルベースに使用されているものを多くの方が思い浮かべるのではないしでしょうか。
「ダイキリ」や「キューバ・リバー」等、日本でも有名なカクテルが存在しますが、フランス領でつくられる「マルティニーク」や「グァドループ」のラムは、サトウキビの糖蜜ではなく、搾汁したジュースを100%使用することで、また違った個性も持っています。
芳醇で華やか、複雑性のある香りは、まるで上質なコニャックを想わせ、ブランデーのように常温芽でそのままグラスにストレートで注いでゆっくりと召し上がっていただくのがおすすめです。

「NEISSON(ネイソン)」は、カリブ海のマルティニーク島に位置する、1932年創業の家族経営のラム酒蒸留所。フランスのAOC(原産地統制呼称)認定を受けた高品質な「ラム・アグリコール(rhum agricole)」を製造しており、特にその伝統的な製法と独自の風味で世界中のラム愛好家から高く評価されています。

特注ボトルに入ったラム

今回特別にこちらもテイスティングさせていただきました。
「Zetwal」は「星」を意味し、航海の道標としての星にちなんで名付けられました。ヴィンテージ:2000年、2005年、2012年、2013年に蒸留されたラムをブレンド。これらはネイソンの「アルマダ・コレクション」に保存されていた特別なヴィンテージです。
この美しいボトルは、ポルトガルのクリスタルメーカー「Vista Alegre」による特注ボトルで、デザインは「Le Secret Magnifique」のセバスチャン・シャルシュリ氏が担当しています。
香りは、干しプラム、イチジク、ドライアプリコット、ナツメグ、クローヴ、香木、コーヒーやカラメル、ルバーブのジャム、トリュフなどの複雑なアロマ。味わいはなめらかで、ウッディ、キャラメルや砂糖きびの甘み、ヴィロードのようなテクスチャー。香りで感じた要素が風味として余韻に長く続いていく。
ダークチョコレートやナッツはもちろん、チョコレートのタルトやアイスクリーム、カラメルプリンのようなデザートとのペアリングがおすすめ。
ミズナラオークを使って熟成したラム
続いてはこちらをテイスティング。

日本産のミズナラ樽で熟成されたラム・アグリコール。ミズナラ樽はその希少性と独特の香りで知られています。
香りは、シトラスやパイナップル、ミラベル、炒ったアーモンド、ジンジャー、コリアンダー、香木、森林のニュアンス。味わいは、まろやかでフルーツの風味、清涼感を伴うスパイス感、余韻が長く続きます。
ストレートやロックスタイルはもちろん、ソーダで割ってカクテルにしても楽しめるでしょう。アレンジとしてライムを絞ってみるのも良さそうです。柑橘を絞った焼き鳥の塩焼きとの相性も抜栓です。
ネイソンのラムは、その品質と風味の豊かさから、ラム愛好家やカクテルファンにとって魅力的な選択肢となっています。特に、ラム・アグリコールの特徴を存分に楽しめる製品が揃っており、ストレートでもカクテルでもその魅力を堪能できます。
マルティニーク島の珍しいお酒
それでは最後に、ちょっと珍しいお酒をご紹介します。

タフィアは、カリブ海地域、特にハイチや西インド諸島で伝統的に造られてきた蒸留酒で、主にサトウキビのジュースを使用して造られています。
語源の「tafia」という言葉は、フランス語の「ratafia(ラタフィア)」から派生したと考えられています。「ratafia」は、果物やナッツをブランデーに漬け込んだ甘いリキュールの一種で、今回テイスティングしたアイテムは、マルティニーク島のラムをベースに、それぞれカカオやシナモン、コーヒーのフレーヴァーを加えて仕上げられています。


最後に
今回のイベントで出会った魅力的なワインや蒸留酒の数々。前作の2つの記事とX、Instagramも合わせて、多くのおすすめアイテムをご紹介してまいりました。
長年ソムリエを務めてきて、そして年々世界中の多くのお酒が日本で楽しめるようになってきた今でも、まだまだ未知の魅力的な飲み物がたくさんあることをあらためて実感できる貴重な体験となりました。
このような素晴らしい機会をいただき心から感謝すると共に、フランスワインと料理がきっかけでこの世界に入り、育てていただいた者として、これからもフランスの飲と食の幅広い魅力をシェアしていける存在でありたいと思っています。
最後までご覧いただき誠にありがとうございました。また次回の記事でお会いできるのを楽しみにしています。
ワインディレクター 田邉 公一
最後までご覧いただき、心より感謝いたします🥂

