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辛口レビュー企画の反省会を開催します

先日、「noteメンバーシップ100件入って全部辛口レビューしてみた」という有料記事を出しました。7月19日時点で140部以上売れており、この記事に対するご意見やご批判などが想像以上にSNSで広がっています。賛否両論、少し物議を醸しているようです。

まずはじめに、今回の辛口レビュー企画によって不快な気持ちを抱いたり、つらい気持ちになってしまったすべての皆様へ。ごめんなさい。記事を買っていただいた方やレビューさせていただいた方を攻撃したり、傷つける意図はまったくなく、そのような影響が生じてしまうのは僕の本意ではありません。

ですが結果的に、noteという場を楽しんでいた、少なくない数の皆様にマイナスの影響を及ぼしてしまった。これはひとえに僕の力不足です。本当に申し訳ありませんでした。

また、今回の辛口レビュー企画は僕個人が実施することを決め、実際にメンバーシップを研究し、記事公開したものです。この企画に関するすべての責任は僕にあります。あらゆるご意見、ご批判は僕ひとりに向けられるべきであり、他の方を攻撃することのないようにお願いします。

この記事は、公開から5日経った現時点での辛口レビュー企画反省noteです。色々な波紋を呼んでいる記事を生み出した張本人として、今考えていることを素直に語っておきたいと思います。

ここで、自分の正しさだけを叫ぶことも、あるいはしてもいないのに反省するふりをするのも、違うと思います。少なからず話題を呼び、様々なご意見をいただいている創作物を世に出した者の責任として、主張するべき点は主張し、間違えた点については誤りを認め、謝る。これが僕の考える誠実な態度です。この記事では、いくつか挙がってきている論点についてどのように考えているか、今回の企画でどこがよかったのか、逆にどこはよくなかったのかを筆者の立場で述べさせていただきます。

大前提として、辛口レビューnoteの評価は購入者の皆様によってなされるもの。いい、悪いを判断するのは購入者お一人おひとりです。この記事でお伝えするのは、あくまで僕の主観です。


論争が巻き起こっていることについて

今回の辛口レビューをきっかけに、note界隈で論争が巻き起こっています。僕自身、この論争のすべて把握しているわけではありませんが、今回の論争の特徴は様々なところで局所的に議論が巻き起こっている点にあると思います。

通常、SNSの炎上は1箇所が強烈に燃えます。今回で言えば、燃えるとしたら、当事者である僕が燃えるのが普通です。しかし今回、僕自身にはほとんど批判的なコメントが直接的には届いていません(一部届いていますが)。むしろ、noteユーザーが辛口レビュー賛成派と反対派に分かれ、バトルを繰り広げている印象です。

「noteメンバーシップ100件入って全部辛口レビューしてみた」という作品が、僕の手を離れたところで、論争を生んでいる。このことを、僕はポジティブに捉えています。

僕は辛口レビューnoteにおいて、7万字以上を費やして「クリエイター論」を展開したつもりです。多くのメンバーシップのレビューを通じて、「クリエイターとして僕はこうありたい。みなさんはどう考える?」と問題提起をしました。記事公開後、実際に「クリエイターとしてどうあるべきか」という論争が巻き起こっている。辛口レビューが問題提起の役割を果たしたと言え、個人的には喜ばしく思っております。

良いコンテンツとは、必ずしも多くの人から賞賛を受けるものだけではありません。賛否両論、議論を巻き起こすということは、多くの人が考えるべき、あるいは考えたくなる視点を提供したと言え、それもまた良いコンテンツであると思うのです。その意味では、辛口レビューnoteが存在する意義は少なからずあった。現時点で僕はそのように考えています。もちろん最終的な評価をするのは購入者の皆様ですが。

noteで継続的に書き続けていくのであれば、書き手として、クリエイターとしてどうあるべきか、ということはそれぞれが自分なりに向き合っていくことが大切だと思います。このクリエイター論はそれぞれの価値観や美学に沿って形づくられるものであり、正解・不正解はありません。辛口レビューnoteがきっかけで、自分なりのクリエイター論を考える方がいたとすれば、それは本当に嬉しく、クリエイター冥利に尽きます。

メンバーシップオーナーの許可を取っていないことについて

今回取り上げた100件のメンバーシップについては、僕の独断で選定しています。オーナー様から「レビューしてください」という声をいただき、リストに加えたメンバーシップも一部ありますが、僕が勝手に入り勝手にレビューをしたメンバーシップがほとんどです。

この点について「事前にメンバーシップオーナーに許可を取るべきだったのではないか?」という意見が出ています。たしかに事前に「辛口レビューさせていただいてよろしいですか?」と一言許可をもらっておけば、このように荒れることはなかったでしょう。メンバーシップオーナーの方にとっては「レビューなんて頼んでもないのに、誰だかわからん奴から勝手に辛口で言われた」。そのような気持ちになるのは当然ですし想定していました。

辛口レビューという企画がリスクが高いものですので、少しでもリスクを抑えることを考えれば、事前の許可取りをする選択肢はあったと思います。また、リスクうんぬんではなく、許可を取ることが辛口レビューをする上での最低限の礼節であろうと、そういった考え方があるのもわかります。

ですが、僕は許可取りをしませんでした。その判断が妥当であったかどうかの評価は皆様にお任せしますが、ここは僕がこだわった部分でもありました(正確には許可を取る選択肢は最初からなかったのですが)。

というのも、許可取りをしないことが、辛口レビュー企画の肝でもあったからです。この企画で、僕は自分の責任において本音で語る。誰にも忖度しないということにこだわりました。そうでなければ辛口でやる意味がない。この企画の面白さが半減されると思ったんです。もし許可取りをしないといけないのだとしたら、僕はこの企画を実施していません。

今回の企画、届けたい層は主に2種類に分かれます。1つ目は100人のメンバーシップオーナー、つまり発信者の方々。2つ目はメンバーシップに入るか検討している読者の方々です。もちろん発信者にも読者にもご満足いただける記事を目指しました。ただ、僕がより優先したのは読者の皆さんです。

noteという市場において、メンバーシップという有料の商品がとても見つけづらい。また、見つけたとしても中身が見えにくい。メンバーシップにはコミュニティ要素もあるため、一度メンバーになるとそのメンバーシップへのネガティブなコメントはしづらい雰囲気がある。結果として、適正な比較競争になっていないのではないか。

これが、辛口レビュー実施に至る僕の問題意識でした。良いところは良いと言い、悪いところは悪いと言う。それが辛口レビュー企画の核であり、そのためには許可取りはできません。許可を取るためのコミュニケーションの過程で、オーナー様に忖度せざるを得ない、そんな状況になってしまう可能性があるからです。

そもそも事前にOKを出してくれるオーナーさんは、メンバーシップの質にある程度自信がある方になるでしょう。自信がない方は「辛口レビューするな」と言うのではないでしょうか。

でも、企画の出発点に立ち返れば、品質にあまり自信を持っていないメンバーシップこそ、レビューをするべきだということになります。つまり、辛口レビューという企画をやる以上、一読者として潜入調査的な意味合いを含まざるをえないんです。たしかにけっして品がいいとは言えません。ですが、誰もが入ることのできるメンバーシップにお金を払って入り、実際にどう感じたかをレビューする。この行為自体はルール的にも倫理的にも問題はない、と僕は考えています。

有料で販売したことについて

もう一点、辛口レビューを有料で販売したことに対して「人の有料コンテンツをダシにして金稼ぎするなんてけしからん」との批判を受けています。この点については自信をもって問題がないと考えています。

そもそも、noteにおいて有料記事を販売することは認められています。メンバーシップオーナーの皆様も、メンバーの方々からお金をもらっていますよね。普通のビジネスと同じで、クリエイターと購入者が合意の下で、金銭の授受が行われることはなんの問題もありません。

僕は、辛口レビューnoteの品質に自信をもっていますし、お金を払っていただけるだけの価値があると思っています。購入したうえで「損した。お金を払う価値がなかった」と感想をもつのは自由ですが(僕が辛口レビューでやっていることと同様に)、そもそも有料で販売すること自体を否定することはできないはずです。価値を感じないのであれば買わなければいい。価値を感じた人だけが買っている。至極当たり前のことでないでしょうか。

次に、「人の有料コンテンツをダシにして」という部分についてです。おそらくこの点に怒っていらっしゃる方が多いのだと推察します。

たしかに、研究対象とさせていただいた100人がいなければ、辛口レビューは成立していません。そのため、「100人の有料コンテンツを利用した」ことは事実です。しかし、それは別に問題のあることではないと思います。

あらゆるクリエイティブは模倣から始まります。何も参考にしていない、完全オリジナルの創作物なんて存在するのでしょうか。書籍であろうと絵画であろうと音楽であろうと、この世に存在するほとんどの創作物は、誰かのマネをしたり、誰かからインスピレーションを受けています。言うまでもなく、有料の批評記事や批評本も数多く存在しています。

もちろん盗作、丸パクリ、無断転載などは法律的にも倫理的にもアウトです。実際に辛口レビューnoteを読んでいただいた方にはわかっていただけると思うのですが、こういったことは一切しておりません。辛口レビューnoteは、「それぞれのメンバーシップに入ってみての感想を辛口で語る」体裁を取っており、100人を参考にした上での僕の創作物になっていると思います。

それから、「金稼ぎするなんてけしからん」についてです。「けしからん」と思うかどうかは個人の主観によるところなので、皆様のご判断にお任せします。ですが、先ほど述べたように、「人のコンテンツを利用してお金を稼ぐ」という行為は多くの方がやっていることで、法律上も問題ないのではないでしょうか。

そして、僕が言いたいのは「金稼ぎのために辛口レビューをやったわけではない」ということです。僕の行動や発信をどう受け取るかは皆様次第ですが、少なくとも僕はお金稼ぎのためだけにやっているわけではありません。もちろん実際に有料で販売しているわけですから、「お金なんていらない」と言うのは無理があります。

僕にとっては、相当なお金と時間とエネルギーをかけてつくった渾身の記事。ですからできるだけ多くの方に読んでほしいですし、お金をいただきたいという思いがあるのは事実です。しかし、けっして「お金ファースト」ではないということです。

「短期的な売り上げに目が眩んで長期的に損してる」といった声も聞きましたし、以下のような指摘も受けました。

この文章が、「伝えたい」よりも「稼ぎたい」が前に出た文章になってしまっていたのだとしたら、「良くないと思います」

らいおん🦁過剰考察『noteメンバーシップ辛口レビュー100に対するレビュー、あえて「批評」をしてみる』より

どう捉えるかは皆様それぞれが判断されることです。しかし僕としては、短期的な売り上げに目が眩んでもいないですし、「伝えたいよりも稼ぎたいが前に出た」とは思っていません。

そもそもお金を稼ぐためだけに、この企画を実施することはありえません。今回の企画のきっかけになったのは瀬戸内note研究所さんのこのポスト。

アイデアをいただいた身として、僕は瀬戸内note研究所さんに深く感謝していますが1点、「これはないだろ」という点があります。

ポイントは100個全部やるところ。それを980円で販売。200個くらい売れると思うので、これで5万円投資の、20万円売上で、大体15万円くらい利益になる。時給でいうと1万円超えるかなと。

15万円で時給1万円、ということはレビュー制作にかけるのは15時間という計算。実際にやった身からすると、これはありえません。瀬戸内さんなら15時間でできるのかもしれませんが。もともと僕は1ヶ月で完成させる予定でしたが、それでは終わらず研究期間を延長して1ヶ月半を要しています。取り組んだ時間を正確には計っていませんが、ざっくりとした僕の試算では制作時間は216時間ほど。7月19日時点での売り上げは14万6,302円。ちょっと計算してみます。

  • 146,302(売り上げ)−59,576(経費)=86,726(利益)

  • 86,726(利益)÷216(制作時間)=401.5(時給)

ざっくりの概算ですが時給401円と出ました。別に「こんだけ頑張ったんだ!」と主張したいわけではありません。クリエイターの評価軸は商品の質であるべきで、それにかけた労力などは関係ないと考えています。ここで伝えたいのは、「お金稼ぎたい」が僕の行動原理にはなっていないということです。

お金稼ぎが目的なら、こんな企画はやりません。明らかにタイパが悪いですから。最低賃金以下のブラック労働すぎる。経費か制作時間を減らせば、時給を上げることはできました。でも僕は研究期間を延長し、経費も制作時間も増やす選択をしました。お金稼ぎが目的であれば、こんなことはしないはずです。

そして、辛口レビュー企画の冒頭を見てください。

ずっと文章とともに生きてきた。
小学生の頃は毎日のように図書館に通った。図書委員もやった。『バッテリー』を読んで野球を始めた。『一瞬の風になれ』を読んで中学で陸上部に入った。『風が強く吹いている』を読んで箱根駅伝を目指した。大学生になると、ビジネス書や自己啓発本も読むようになった。会社を辞めるきっかけになったのは『革命のファンファーレ』と『嫌なこと、全部やめても生きられる』を読んだことだ。

いきなり自分語りから始めています。これは記事を売ることを考えていたら、普通に悪手です。ほとんどの人は僕の自分語りには興味がない。離脱します。それをわかってこのように書いています。無料部分でもまったく煽っていません。売ることを第一に考えていないことをご理解いただけるのではないでしょうか。

もちろんせっかくの渾身の記事ですから、たくさん売れてほしいとは思っています。しかし、「売り上げに目が眩んだ」とか「『稼ぎたい』が前に出てる」といった指摘は、僕からすれば的外れとしか言いようがありません。もちろん人それぞれの主観は尊重されるべきものですから、「そう感じた」というのであれば、僕は否定する立場にありません。しかし個人的には、このような指摘は非常に心外です。こっちも命削ってコンテンツつくってるんだ。

最後に、有料で出した理由を改めて説明します。繰り返しますが、「収入を得たい」「研究費用を回収したい」という思いがあることは否定しません。それはそれとして、辛口レビューを無料で出すのは極めて危険で、絶対に有料で出すべきだと考えていることを付け加えさせてください。

辛口レビューnoteでは、色々なメンバーシップに対してかなり厳しいコメントが入っています。辛口なので。で、これを無料記事として出したらどうなるでしょうか?多くの方の目にさらされるわけです。参考までに7月19日18:55時点で、ビュー数は3,940になっています。4000人近くの目に留まる可能性があるわけです。対して購入者は142人。当然ですが、有料記事か無料記事かによって、その情報を目にする人の数は大きく変わってきます。

甘口レビューであれば、多くの方に見せることは問題ありません。ですが、これは辛口レビューです。僕なりの基準で公正なレビューをしているつもりですが、批判的なコメントをしているわけです。僕は、誰かを貶めたり吊し上げたりしたいわけではありません。ですから、辛口レビューの内容を広く届けることによってそのメンバーシップの評判を著しく落とすべきではないと考えました。

前述したように、僕は僕なりの問題意識で辛口レビュー企画を敢行したわけですが、むやみに誰かを攻撃する意図は一切ありません。辛口レビューの内容は、本当に必要で覚悟のある人にだけ届けばいい。ですから有料にしました。この内容を無料公開してしまうことは絶対にやってはいけないと思っています。

コンテンツ力で真っ向から勝負しました

これまで述べてきたように、僕はこの辛口レビューnoteをお金稼ぎのために書いたわけではありません。100人から刺激を受けて、自分なりの本気の創作をしました。たしかに「辛口レビューをする」という企画の切り口はキャッチーで、変化球のようなものかもしれません。だからこそ中身はどストレートでいこうと決めていました。

僕の思う直球勝負というのは、コンテンツの中身だけで勝負をするということです。僕は創作が好きです。面白いと思ったものをつくるのが好きです。一方で、中身が微妙なものをマーケティング術や心理学を駆使して、売りつけるという行為が好きではありません。シンプルにいい作品が評価される世界であってほしい。これが僕の思想です。

だからこそ、そういう理想的な世界をつくるための提案として辛口レビュー企画を実施しましたし、その中身については直球勝負、とにかくコンテンツ力で勝負することにしました。現時点で140部以上売れている理由。その1つは企画の切り口の面白さ(瀬戸内note研究所さんのアイデアをいただいたので僕の手柄ではありません)があったと思います。しかし同時に、コンテンツ力を評価していただけたことが大きな要因であったと思っています。

「noteメンバーシップ100件入って全部辛口レビューしてみた」のコンテンツとしての評価はそれぞれあるかと思いますが、僕としてはおおむね高い評価をいただけたと思っています。もちろん完璧ではなく足りないところもあったと思いますが、今の自分の全力を尽くしましたし、多くの購入者の方にはご満足いただけたのではないかと自負しています。

「最近これ系の企画が多い中で、コージーさんは一番真摯にメンシプと向き合ってくれた、という実感がある」、「一気に読みました…!あまりの素晴らしさに感動しています。ひとつひとつの真摯なレビューにうなづき、時にクスッと笑い、4本のコラムに泣き、勇気づけられました」といったコメント、他には以下のような口コミをいただきました。

では、ここから今回の企画記事の反省点について述べていきます。

反省点①自分の筆の力を見誤っていた

反省点は4つありますが、最もクリティカルだと思っているのが、自分の筆の力を見誤っていた点です。長くなりますが順番に説明させてください。

文章というのは、「誰が書くか」×「何を書くか」のかけ合わせだと思っています(正確には「どう書くか」もありますが、ここでは省略)。

コンテンツ力=「誰が書くか」×「何を書くか」

このように捉えています。今回で言えば

「メンバーシップをやっていない人が」×「100件のメンバーシップの辛口レビューをする」。このような構図だと思います。で、これ普通にコンテンツ力低そうじゃないですか?「メンバーシップをやっていない人が」の時点で説得力がなさすぎる。

僕自身は、noteにおいて特段なんの実績も残していませんし、メンバーシップはやってすらいない。自分は持たざる者であり、弱者だと認識していました。

これは辛口レビューnoteの売り上げを伸ばすという点ではマイナスです。一方で、人を傷つけてしまうリスクはそれほどない、という点でプラスだと考えていました。

実際、瀬戸内note研究所さんもこのポストで以下のように述べています。

持たざる者としては取り組むに値する施策。 こういうのもう僕(ある程度noteで影響力がある人など)はできないからこそ、チャンスだったりする。

この辛口レビュー企画は持たざる者がやる分にはOKですが、瀬戸内note研究所さんのように影響力がある方がやるべきではありません。仮に瀬戸内さんが辛口レビューをするとしたら

「1600人以上のメンバー数を持つメンバーシップオーナーの瀬戸内さんが」×「100件のメンバーシップの辛口レビューをする」

となります。これは驚異的な説得力を持ち、非常に高いコンテンツ力になるでしょう。しかし説得力をあまりに持ちすぎるがゆえに、瀬戸内さんの辛口レビューは暴力的にもなってしまいます。それを理解しているからこそ、瀬戸内さんも「僕はできない」とおっしゃっているのでしょう。

対して僕は持たざる者です。noteにおいて、弱者かはおいておいて、少なくとも強者ではありません。だからこそ辛口レビューをされた方にとっては逃げ場があるため、僕が厳しいことを言ったところであまり暴力性を帯びないのだと、ある意味で楽観視していました。

僕は今回、辛口レビューをさせていただいたメンバーシップオーナーの方々の反応として、以下の2つのパターンを想定していました。

  • メンバーシップやってすらないくせに、辛口とかムカつくな。でもたしかに言ってること当たってるかも。よし、このレビューを改善のきっかけにしよう!

  • なんでなんの実績もない奴に辛口レビューされなきゃいけないんだよ。言ってること全然的外れだし、無視しよう

筆者としては、前者のような方が一人でも多くいてくれたらいいなと思っていました。実際、今回のレビューに好意的な評価をくださる方の多くはこのような方たちです。

仮に後者だったとしたら、筆者としては力不足を感じますが、でもまあ事故にはならない。仮に僕の指摘が的外れではなく痛いところを突いていたとしても、「しょせんこいつはメンバーシップやってないし!」という逃げる場所がある。

僕の辛口レビューを受け止めてさらなる飛躍のきっかけにしていただく。これが筆者としては一番嬉しいですが、そうでないとしたら、辛口レビューを無視すればいい。多少苛立ちは覚えるかもしれませんが、僕のレビューが大きな攻撃性を持つことはないだろう。そう考えていました。

だからこそ、「誰が書くか」がとても弱いという自覚があったからこそ、僕は「何を書くか」を大切にしました。「何を書くか」でいかに説得力を持たせられるか。ここに徹底的に注力したわけです。

で、どうなったか。ここからは仮説です。「誰が書くか」はたしかに弱いけれども、「何を書くか」はそこそこ強くなった。結果として僕の辛口レビューには一定の説得力が生まれたのではないかと。「誰が書くか」についても「メンバーシップをやっていない人が」と書くと非常に弱く感じますが、「メンバーシップに100件入ってみた人が」と書くと、妙に説得力を持ち始めます。

そしてどうなったか。僕の想定以上に、辛口レビューの内容に説得力が宿り、そこに暴力性が帯びるようになった。おそらくこのようなことだと思います。

正直僕はまだわかっていません。もし仮に自分が辛口レビューを受けたら、先ほどの2つの反応のどちらかをするだろうと思うからです。だから僕は2つの反応しか想定できなかった。しかし、以下のらいおんさん、えむのマイトンさんの記事を読んで、3つ目の反応をする方々の存在を知りました。それは「辛口レビューの矢がもろに突き刺さり、書くことをやめてしまう」という反応です。

この3つ目の反応は完全に想定外で、なぜそうなってしまうのか、正直今でも僕は理解しきれていません。ですが結果として、辛口レビュー企画をきっかけに書くことをやめてしまう方が出るとしたら、それは正直、僕自身がとんでもなく大きな罪を犯してしまったことになると思います。謝っても謝りきれない。

僕が辛口レビューnoteを通して伝えたかったことは「みんなで楽しく書いていこう!自分の面白いと思ったものを書いていこう(自分が心動かされていないものについて無理やり書くのはやめよう)」ということです。誰かに書くのをやめてほしい、なんてもちろん1ミリも思っていません。

「ペンは剣よりも強し」という言葉があります。言葉には人を動かす大きなパワーがあります。言葉は、ときに人を勇気づけたり感動させる。しかしときに人を傷つけることもできてしまいます。

力を持つ者は、その力の及ぼす影響力に自覚的でなければならない。言葉を扱う者として、その力の凄みと恐ろしさの両方に対して考え尽くせていたか。そう問われれば、やはり不充分だったのだと思います。

自分は持たざる者で、自分の声は小さい。だから少しくらいきついことを言っても問題ない。むしろ少しでも自分の声を響かせられるように努力しよう。こんなマインドで今回の企画に臨んでいました。結果的に、わかりやすくストレートな物言いともあいまって、僕のレビューが一部の方に対して悪い意味で、刺さりすぎてしまった。これは自分の筆の力を見誤っていた、ということに尽きると思います。

別に僕は強者ではありませんし、声は大きくないと思います。前述したように、noteの成功者でもなければ、メンバーシップを始めてすらいない。ですが、辛口レビューという企画が前代未聞であること、100件に入った感想を忖度なく本音でぶつけていることなどによって、筆の力が一定の水準まで高まった。

書き手として筆の力が強いのは喜ばしいことですが、しかしその使い方について細心の注意が払えていたかと言えば、足りなかったと言わざるを得ません。文章を愛する者として、長年書く仕事を続けてきた者として、非常に情けないです。謝っても謝りきれないですが、この企画をきっかけに筆を折る方がいたとしたら、本当に申し訳ありません。僕のレビューなんか無視して、これからも書き続けてほしいです。

反省点②面白さファーストで突っ走ってしまった

辛口レビュー企画の実施に至った問題意識は先に述べたとおりですが、そもそも一番最初は「何これ面白そう」からスタートしています。「面白い」というのはそれぞれの主観なので、「こんな企画つまらん」と感じる方もいらっしゃるでしょうが、僕は面白いと感じました。

自分を突き動かす最大のエンジンが「面白い」。特にnoteではそうです。この企画も「面白さファースト」で突っ走ってしまったところがあります。たとえば、事前のオーナーさんへの許可取りをやらなかった理由も、面白さが半減するから。そこでコミュニケーションをとってしまうと八百長感が出てしまう。読者の立場から徹底的に本音でレビューする。これが一番面白いと思ったわけです。

また、以下のような指摘もいただきました。

これが辛口レビューではなく「愛のあるムチ100連発」とかだったら、まだイメージ変わったのかな、と。(中略)また、「入ってはいけない理由」というまとめも「私ならこう変える」みたいな提案だったら、まだ受け入れられたかもしれない。

このような細かい表現にこだわるのも大切です。しかし僕はここでも「面白さ」を優先しています。「愛のあるムチ100連発」よりも「辛口」の方が面白い。「私ならこう変える」もいいですが、やっぱり「入ってはいけない理由」の方がドキッとする。それがいい。これは病気なのかもしれませんが、「受け入れてもらう」とか「人を傷つけないようにする」とかよりも「面白い」を優先してしまいました(実際に面白いかどうかは人ぞれぞれ感じ方は違うと思いますが、とにかく自分の「面白い」に向かって一直線で走ってしまったということ)。

この辛口レビュー企画自体、基本的に僕はエンタメだと捉えています。もちろんふざけてはいません。むしろ死ぬ気で本気で、いかに面白くできるかを考えた。レビューの内容には自信をもっています。お金を払う価値のある傑作だと自負しています。ですがこれはそもそもエンタメですので、あまり深く真に受ける必要はない。しょせん一個人の主観ですので。

というふうに僕自身は捉えているのですが、全読者が同じ意識をもっているわけではありません。この企画を目にする方々に、この意識を共有しきれなかったのは僕の至らない点だったと思います(らいおんさんにご指摘いただいたとおりです)。

反省点③コンテンツを読まずに批判する人が出ることを想定していなかった

僕は今回の辛口レビューにおいて、100人の文章をかなり読み込みました。人が真剣につくったコンテンツに辛口コメントをする以上、それが最低限の敬意だと思っているからです。読まずに批判するという行為は誠実ではないと思います。その考えは変わりません。

しかし、では辛口レビューnoteの批判する権利が購読者にしかないのかと言えば、それは違うなと思いました。できれば読んだ上で批判してほしい思いはありますが、許可なく100人のオーナーさんを巻き込んでしまった以上、彼らには批判する権利があります。実際に読んではいないが批判をしているオーナーの方々がいらっしゃいます。

今でこそ、「そりゃあ勝手に巻き込んでしまったのだから、買わなくても批判する権利はあるよね」という考えに至っていますが、辛口レビューnoteを執筆する段階では、読まずに批判する人が出ることをまったく想定していませんでした。「読んでから批判するのが当たり前だろ」と思っていたからです。ここは僕の考えが及ばなかったところ。

僕は徹底的に読者ファーストの姿勢でやってきました。企画そのもので言えば、メンバーシップオーナーの皆様よりも、メンバーシップに入ることを検討している人の方を向いている。辛口レビューnoteで言えば、記事をたんに見かけた人よりも、お金を払って購読してくれた人の方を向いているつもりでした。

購読者に「買ってよかった」と思ってもらう。それを最優先事項にして執筆しました。ですから7万字以上をすべて読んでもらう前提で構成をしています。レビュー98件をすべて読むのは大変なので読み飛ばすことは想定していますが、最後のまとめは読んでくれるであろうと。

らいおんさんに以下のようなご指摘をいただきました。

有料部分の最後には、「辛口レビューで不快にさせてしまった人がいたら申し訳ない」、「このレビューが極めて個人的な感想で、客観的に書くことはできたけど、丸々僕の主観で書いた」、「僕に何を言われようとも、あなたは自分の主観に自信をもってほしい。」といったことが書いてありました。この部分は、この辛口レビューを「相当うまく」書くうえで非常に大事な記載です。でも、無料部分には、このことが書いていないんですよ。

らいおん🦁過剰考察『noteメンバーシップ辛口レビュー100に対するレビュー、あえて「批評」をしてみる』より

この記述を無料ゾーンでする選択肢もあったでしょう。らいおんさんのおっしゃるとおり、多くの方に安心してご納得していただけるためには、無料部分で書いた方がよかった。しかしここでも僕は、炎上を回避したり傷つく人を一人でも減らす方向ではなく、面白さファースト、購読者ファースト、コンテンツとしての完成度ファーストを貫いてしまったんです。

主観の重要性というのは、この記事のメインメッセージでもあった。だから最後にとっておきたかったんです。また、7万字を超える大作なので、感情の波をつくりたかった。レビュー部分では辛口で吠えることで「そもそもお前にこんなこと言われる必要あんの?」とある程度、ストレスを感じさせる。でも最後まで読めば真意は伝わるであろうと。

辛口レビューという企画そのもの、さらにレビューの内容までが壮大なフリで、最後のまとめに書いているのが、僕が本当に伝えたいことでした。僕は文章を最後までていねいに読む方々を想定して辛口レビューnoteを書きましたし、これは有料であるがゆえに多くの方が最後まで読んでくれるだろうという算段でした。

しかし読まずに批判する人がいることは想定外でした。普通の記事であれば、正直読まずに批判する人はスルーすればいい。ところが今回の企画の構造上、巻き込まれたオーナーさんはたとえ読んでいなかったとしても批判する権利がある。その点を想定できませんでした。

購読者ファーストを貫いた結果として、読んでくれた方の多くからはおおむねご好評をいただいていると認識しています。シゲクさんの以下の記事でもこのように書いてありました。

幅広く様々な意見を集めていてとても興味深いのは「買って読んでいる人」ほど肯定派で、「買わない読んでいない人」ほど否定派が多いということです。強い否定派に対しては、記事内ではそこそこ評価されているのになんでそんなに怒っているんだろうという感想しか出てきません。中身を一切確認精査せずに「辛口」というタイトルだけで強い批判をしてしまうのは大きな懸念と危うさを感じています。

『え?noteで炎上商法?メンバーシップ100件辛口レビューについて考える』より

繰り返しになりますが、「批判するなら買って読んでからにしてほしい」という思いは変わりません。実際、読まずに批判されている方の指摘というのはほとんどが的外れです。それはそうです、読んでいないわけですから。しかし企画の構造上、読まずに批判する権利はあり、そのことを想定して対策をしていなかった僕のミスであると思っています。

反省点④企画の設計・構造の工夫が足りなかった

今回、僕は徹底的にコンテンツの中身にこだわりました。どうすれば面白い記事になるのか、購読者に「読んでよかった」と思ってもらえるかに対して全エネルギーを投下しました。

一方で企画の設計・構造については瀬戸内note研究所さんの案をほぼ丸パクリしただけです。

  • 100件のメンバーシップに入ってすべてに辛口レビューをする

  • 980円で販売する

  • 「入らない方がいい理由」を書く

このあたりについては瀬戸内さんの案をそのまま採用しています。

今回、多くの方からご指摘を受けているのは、コンテンツそのものではなく、辛口レビュー企画の構造の問題点です。

コンテンツの中身に対しては、自分でやれるだけのことをやりきった。そんな自負があります。しかし、そもそもこの企画の大枠、構造や設計に対してはほとんど何も考えず、「面白そう!やってみよう!」で記事公開まで突っ走ってしまいました。

構造上の問題があったのならば、どうすればよかったのか。その答えは今もわかりません。

オーナーさんに許可取りをするのか。有料で売るのか。無料部分でどこまで書いて、有料部分で何を書くのか。こうした一つひとつの判断は、正しいかどうかはおいておいて、自分なりの美学に基づいて決めています。僕個人としては間違っていない判断だと思っています。

しかし、その一つひとつの判断が組み合わさって、必要以上に論争が巻き起こり、傷つく人が出てくる状態になってしまったのだと思います。企画の設計、構造に対して充分な検討を行わなかったのは僕のミスです。

最後に

ここまで読んでいただきありがとうございました。

改めてになりますが、辛口レビューnoteを購入してくれた皆様、感想を届けてくれた皆様、本当にありがとうございます。100人のメンバーシップオーナーの皆様、研究対象とさせていただきありがとうございました。事前に許可を取らず、奇策のような形で辛口レビューを公開してしまい申し訳ありませんでした。

今回100人のメンバーシップを研究させていただき、僕は自分の主観を大切にしようと思いました。信念を大事にしていこうと考えました。noteにおいても、人生においてもそうです。

自分の主観を大切にすることは、他人の主観を大切にすることとセットだと思っています。一人ひとりが自分の「好き」「面白い」「楽しい」に従って生きる。そんな社会になればいいし、noteという街はそんな場所であってほしいと思います。

「noteメンバーシップ100件入って全部辛口レビューしてみた」というnoteは、僕の主観を発表した作品です。

ここに書かれていることはあくまで僕の感想であり、僕個人の好き嫌いを表明しただけ。正解でも不正解でもありません。

僕は自分の主観を全面に出したnoteを書きたいですし、みなさん一人ひとりの主観が全面に出たnoteを読みたいと思っています。

自分の主観を大切にすることは、他人の主観を大切にすることとセットです。自分の主観を表明する際には、それが誰かの主観を否定していないか注意しなければいけません。

辛口レビューnoteにおいて、その配慮が欠けていました。僕はあなたの主観を否定したいわけじゃなかった。でもそれをしっかりと伝えることができませんでした。不快な気持ちを抱いたり傷ついてしまったすべての皆様にお詫びいたします。本当に申し訳ありませんでした。

僕はこれからも自分の主観を大切にして文章を書いていきたいと思っています。同時に、皆様一人ひとりの主観も尊重して生きていきたいです。

辛口レビュー企画を通じて、書き手として、表現者として、クリエイターとして、自分の課題が浮き彫りになりました。まだまだ足らざる点は多いですが、これを成長の機会と捉え、人間としてもクリエイターとしても一回り大きくなれるよう、精進していきます。


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