20XX年4月19日|読む人の運命を加速させる恋愛小説
花粉症、大丈夫?
そう聞くときみはいつも「私、花粉症じゃないですよ」と鼻をムズムズさせながらなぜかムキになって答えてたよね。「病は気から」って言って。
それを聞いてぼくはいつも笑ってた。
きみといると、不意に不安になることがあった。きみがふっと消えてしまいそうな、いなくなってしまいそうな。
そんな気配を感じることがあって、ぼくはとても怖かった。
ぼくの過去が、そうさせていたのかもしれない。
ぼくはきみとのつながりの深さを確かめたかったのだと思う。だからぼくは、あえて自分が傷つくような質問をきみにしていたのかもしれない。
きみの恋愛について、聞かなくてもいいような質問までした。何度も何度も。
ぼくの心が嫉妬で狂い、軋んだ音を立てる時、きみの心も同じように軋んでいるのがわかった。
ぼくの痛みは、同時にきみの痛みだった。
ぼくはそれが、どこかで嬉しかったのかもしれない。その痛みがないと、ぼくはきみとのつながりの深さに確信が持てなかったのかもしれない。
ぼくの痛みときみの痛みが呼応し合う時、互いの魂が重なり合っているとぼくは錯覚していたのかもしれない。
こうしてぼくは初めて、少しばかりの確信を持てる。ぼくときみのつながりは特別だって。
好きと言ってほしかった。ずっとずっと、好きと言い続けてほしかった。そのためだけに生きて欲しかった。いかなる時もきみがぼくのことしか考えていないという証明が欲しかった。きみとぼくが共に生きるという確証が欲しかった。きみの現在も、過去も、未来も、全部、欲しかった。
きみの全てが、欲しかった。
ぼくがもう少し大人になれたら、違ったのかな。
また、手紙を書きます。
【あらすじと初回話】
