20XX年7月19日|読む人の運命を加速させる恋愛小説
「ぼくたちの不思議な出会いを小説にしてみよう」
このアイディアは、ふと降ってきたよね。ふたりの間に。
ヒラヒラと風に乗って空から降りてきた白羽根のよう。それをふたりで、互いの両手を重ね合わせて、そっと受けとったんだと思う。
まだ何も始まってもないのに、もうそれだけでぼくはとてつもなく嬉しかった。そしてそれは、きみも同じだったよね。
ぼくが物語を紡ぐたび、きみは真っ先にそれを読んで、そして大喜びした。ぼくはきみに喜んでほしくて、「すごいね」と褒めてもらいたくて、ただそのためだけに毎日物語を書いていた。
書き始めてすぐ、ぼく自身にとってもきみと紡ぐ物語は喜びになった。
今日は何が生まれるんだろう。どんなふうにぼくらを感動させ、喜ばしてくれるんだろう。そんなワクワクが毎朝起きた瞬間にぼくのことを迎え入れてくれた。
毎日が、幸せだった。
今は、ぼくひとりで書いてる。それでもこれは、ふたりで書いてる。
きみならぼくの言っている意味、わかるでしょ。どこまでもこれは、ふたりの共著だよ。
ぼくが書いた物語を読んだ時のきみの声、「すごーい!」というきみの声が、今も耳元で聞こえてきそうで・・・
そういえば、名前を決めたんだ。小説の。
なんだか言うのが少し、恥ずかしくなる名前なんだけど。
でも、教えるね。
その小説の名前は———
The story is Love
完
【あらすじと初回話】
