7. Yurika|読む人の運命を加速させる恋愛小説
あー、緊張する。
これで何度目?私、何度も同じこと言ってるじゃん・・・
緊張する・・・
ホンット、緊張する!
落ち着いていられない。
コンビニにでも行こうかな。
あ、でも、あと10分ぐらいで直樹さんから電話が来るんだ。
直樹さんとの初めての電話はこんなに緊張しなかったよなぁ。
今日は直樹さんと電話をして、それから・・・
それから、洸太さんと、電話をする。
やばい、ほんと緊張する。
「緊張しすぎて正座で電話しそうです」って洸太さんに伝えた。
洸太さんからは「それ、面白いね」って返信が来た。
いやいや、私は大真面目に言ってるんですけど。
この前洸太さんから急に「よかったら今度電話しない?」ってメッセージが来て・・・
洸太さんと電話、って考えるだけで緊張がすごくて・・・
あー、手汗もやばい。
なんでこんなに緊張するんだろう。
楽しみ・・・?
楽しみなの?
ああ、もうわかんない。なんもわかんない。そういう緊張じゃない。たった10分の電話なのに。
私が渋っていたら洸太さんは「10分だけでもいいから」って。
まあ、10分なら・・・
洸太さんの声、話し方。
どんなだろう。
なんだろうこの、ザワザワする感じ。
どうしようもないほどの緊張に混じる、妙なザワザワ感。
始まる?
わかんないけど、始まる感じがする。
始まってしまう。
何が?
たった10分の電話で何が始まるの?
いやでも、わからない。
電話してみたら幻滅するかもしれない。
いやむしろそのほうがいい気がする。幻滅したほうがいい。
これ以上、入り込んでどうする。始まってどうする。
洸太さんには奥さんがいて、子どもがいて。
私が入り込んでどうする。
もし洸太さんに、迷惑がかかったら・・・
うん、何も起こらない。ただ、電話するだけ。
そう、ただの電話。しかもたった10分。
ダメだ、また心臓がバクバクいってくる・・・
ちょっと吐きそうなぐらい。
なんでこんなに緊張するの?
こわ、い・・・?
何が怖い?
始まることが?
確かに怖い。もう自分が抑えられなくなることが。
始まらない・・・ことも?
何も、始まらないかもしれない。
もし洸太さんが私に幻滅したら、たぶんもう、連絡が来なくなる。
洸太さんは優しいから、いきなり無視したりはしないと思う。
けどそれとなく返信が遅くなったり、私とはもうやりとりしたいとは思っていないことを仄めかしてきて、私たちのつながりはふわっと終わる。
洸太さんとのつながりが、終わる・・・。
それが、怖い・・・?
わかんない。わかんないけど、なんか怖い。
始まることも、始まらないことも。
ああもうわかんない。ダメだ、緊張でそれどころじゃない。
あ!
もう28分じゃん。
直樹さんとちゃんと電話できるかな。申し訳ない感じにならないといいんだけど・・・
ふぅ。
大丈夫。
切り替えよう。今は直樹さんとの電話。
直樹さん、直樹さん。
大丈夫・・・大丈夫!
ふぅ・・・
【あらすじと初回話】
