【他人事じゃない】「はにわルック」体罰事件を踏まえ、わが子を「見えない傷」から守るために知っておくべきこと
先日報道された、学校での先生による体罰のニュースをご存知でしょうか。
女子生徒が校則に反する「はにわルック」(スカートの下にジャージを重ね履きするスタイル)をしていたことで、先生がその生徒の髪を引っ張って教室へ引き入れ、その際、頭皮から出血させ、周囲の生徒が止めても指導としてその場でジャージを脱がせたというニュースです。
報道されている内容が全てではないかもしれませんし、先生側の事情や背景もあったのかもしれません。しかし、それを踏まえてもなお、この出来事は私たち親にとって「もし自分の子が…」と考えずにはいられない、非常にショックなニュースでした。
「はにわルック」が校則に反するいけないことだとしても、暴力で解決していい理由にはなりませんよね。
今日は、この事例を踏まえて、専門家がまとめた関連するレポートの内容を子育て中のお父さんお母さんに向けて分かりやすくお伝えしたいと思います。なぜ「体罰は絶対ダメ」なのか、科学的な視点も交えながら、一緒に考えていきましょう。
😥 体罰が、お子さんの心と体に与える「見えない傷あと」
「しつけのため」「強くするため」…どんな理由をつけても、体罰はお子さんの心と体に深刻な影響を与えてしまうことが、様々な研究でわかっています。
心の傷 (トラウマ) になることも…
たたかれたり、ひどい言葉を浴びせられたりする経験は、お子さんの心に深い恐怖や無力感を刻みつけます。
特に、先生など信頼していたはずの大人からの暴力は、安心できるはずの場所(学校など)が怖い場所に変わってしまい、心の傷(PTSD)となって長く苦しむ原因になることも報告されています。
「自分が悪い子だからだ」と思い込み、自信を失ってしまうこともあります。
脳の発達にも影響が…?
研究によると、叩かれたり、暴言を受けたりする経験は、脳の中でも特に「考える力」や「感情のコントロール」に関わる部分(前頭前野など)の成長に影響を与え、その部分の容積が小さくなる可能性があると指摘されています。
これが、将来的にうつっぽくなったり、不安が強くなったり、キレやすくなったり、物事に集中しにくくなったりすることと関連するかもしれない、と考えられています。
「暴力」を学んでしまうかも…
体罰で言うことを聞かせようとしても、お子さんは「なぜダメなのか」を理解するのではなく、「力で言うことを聞かせることができる」という間違ったメッセージを受け取ってしまう可能性があります。
その結果、お友達との関わりなど、何か問題が起きた時に、同じように手を出したり、乱暴な言葉を使ったりしてしまう「暴力の連鎖」につながる危険も指摘されています。
取り返しのつかない悲劇も…
報道されているように、先生による体罰がきっかけで、生徒さんが自ら命を絶ってしまうという、あまりにも悲しい出来事も実際に起きています。
身体的な危険も大きい
今回の事件のように出血するだけでなく、過去には先生の体罰で頭の骨を折ったり、腕を骨折したり、鼓膜が破れるなどの大怪我につながったケースも報告されています。 これは「指導」ではなく、明らかに「傷害」です。
「指導」と「体罰(暴力)」は全く違います。 どんな理由があっても、お子さんの心や体を傷つける行為は、決して許されるものではありません。
📜 法律でも「体罰は絶対禁止」です
「先生だから」「しつけだから」…そんな言い訳は通用しません。今の日本では、法律で、学校でも家庭でも体罰ははっきりと禁止されています。
学校の先生は…
学校教育法という法律で、生徒に体罰を加えることは明確に禁止されています。 これは、どんな状況であっても変わらないルールです。
<学校教育法>(抜粋)
第十一条 校長及び教員は、教育上必要があると認めるときは、文部科学大臣の定めるところにより、児童、生徒及び学生に懲戒を加えることができる。ただし、体罰を加えることはできない。
お父さん、お母さんも…
2020年から、法律(改正児童虐待防止法など)で、親がお子さんをしつけ目的であっても叩いたり、暴言を吐いたりすることは禁止されました。 お子さんの人格を尊重し、心と体の健やかな成長を害するような言動はしてはならない、と定められています。
つまり、誰も、子どもに対して体罰を行う権利を持っていない のです。
✨ 子どもの勇気と、私たちができること
ニュースの中で、「先生やめて」「暴力はあかん」と声を上げた他の生徒さんたちがいましたね。大人が間違ったことをしている時に、子どもたちが勇気を出して声を上げる姿には、胸を打たれます。子どもたちは、何が正しくて何が間違っているか、ちゃんと分かっています。私たち大人は、そんな子どもたちの声に耳を傾け、その勇気をしっかり受け止め、守ってあげなければなりませんね。
でも、「じゃあ、どうすればいいの?」「どうやって子どもを守ればいいの?」と不安になりますよね。
叩いたり怒鳴ったりする以外の方法で、お子さんの成長をサポートする関わり方のヒントをいくつかご紹介します。
なお、体罰などによってお子さんが深く傷ついた場合の対応については、以下の記事をご参照ください。
まずは「どうしたの?」と気持ちを受け止める 👂
お子さんが何か問題を起こした時、頭ごなしに叱るのではなく、「〇〇で嫌だったんだね」「びっくりしたんだね」と、まずはお子さんの気持ちに寄り添ってみましょう。安心感が、落ち着いて話を聞く土台になります。
「なぜダメか」を、子どもの目線で伝える 👀
「危ないからだよ」「お友達が悲しくなるからだよ」と、具体的な理由を、お子さんが理解できる言葉で根気強く伝えましょう。「ダメ!」だけでは、なかなか伝わりません。
「できた!」を見つけて、たくさん褒める作戦 👍
「いけないこと」を叱るより、「できたこと」「良いこと」を具体的に褒める方が、お子さんの自信とやる気を育てます。「靴を揃えられたね!すごい!」「ありがとうって言えたね、嬉しいな」など、小さな「できた!」を見逃さないであげてください。
親だって、イライラします!クールダウンを忘れずに ☕️
感情的に怒鳴りそうになったら、それは危険信号。一度その場を離れて深呼吸したり、違うことを考えたりして、落ち着く時間を取りましょう。親が落ち着くことで、お子さんも冷静さを取り戻しやすくなります。
「一緒に」ルールを決める 📝
「ゲームは何時までにする?」「お片付けはいつする?」など、お子さんと話し合ってルールを決めると、責任感が生まれやすくなります。「守れたね!」と一緒に喜ぶ経験も大切です。
🆘 困ったとき、つらいときは、絶対に一人で抱え込まないで!
子育ては、本当に大変です。ニュースのような事件を見ると、学校や先生への不信感が募ったり、「うちの子は大丈夫だろうか」と不安になったりすることもあると思います。そんな時、一人で悩まないでください。
頼れる場所は、学校以外にもたくさんあります
「学校に相談しにくい…」「先生に言っても分かってもらえないかも…」そう感じることもあるかもしれません。
そんな時は、お住まいの地域の子育て支援センターや保健センター、NPOなどが運営するチャイルドラインもあります。
法務省の「子どもの人権110番」は、お子さん自身が電話やオンラインで相談できる窓口です。 こうした情報を、お子さんと共有しておくことも大切かもしれません。
助けを求めるのは、弱いことじゃない
つらい気持ちを誰かに話したり、助けを求めたりすることは、お子さんを守るためにも、ご自身の心を守るためにも、とても勇気ある、大切な行動です。
さいごに
現実は難しい…「わかっちゃいるけど、できない」時もある
理想的な関わり方を知っていても、実際の育児や教育の現場では、様々な制約があります。
親も先生も人間、限界はある 毎日の忙しさ、仕事のストレス、睡眠不足…。理性的に対応したいと思っていても、つい感情的になってしまう日もあるでしょう。完璧を目指さず、「今日はうまくできなかったけど、明日また頑張ろう」と自分を許すことも大切です。
私の失敗談を告白すると、私自身も子どもに対して声を荒げてしまったことがあります。ある日、疲れ果てていた時、子どもが牛乳をこぼした瞬間、「何度言ったらわかるの!」と怒鳴ってしまいました。後で「ごめんね、お母さんも人間だから、時々感情的になっちゃうんだ」と謝りました。
完璧な親はいません。失敗を認めて学ぶ姿勢を子どもに見せることも大切です。
特に難しい状況への対応として、発達障害や強い気質を持つお子さんの場合、標準的なアプローチが通用しないこともあります。そんな時は専門家のサポートを受けながら、お子さんと自分に合った方法を模索することが現実的です。一人で抱え込まず、同じ悩みを持つ親のコミュニティなどで経験をシェアするのも助けになります。
まずは小さな一歩から 全てを一度に変えようとするのではなく、例えば「今日は怒鳴らずに1日過ごす」など、小さな目標から始めてみましょう。少しずつ積み重ねることで、大きな変化につながります。
私たち大人は、今回のニュースのようなことが二度と起きないように、社会全体で「体罰は絶対に許さない」という強い意志を持つ必要があります。
そして、何よりもまず、目の前にいる大切なお子さんを、愛情をもって、その気持ちに寄り添いながら育てていくこと。それが、お子さんの健やかな未来を守る一番の力になります💪
今日お伝えしたことが、少しでも皆さんの心の支えとなり、お子さんとの関わり方のヒントになれば、これほど嬉しいことはありません✨
引用しているニュースによると、『教諭は学校側に「言葉で通じないので髪をつかんで動けないようにして脱がせようと思った」などと話した』とありますので、男性教諭が女子生徒の履いているジャージを脱がせた可能性もあり(記事からは断定はできません)、教員に対する性教育を強化する必要性も感じます👇
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