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旅の息づかい ~2024富山旅行記④「うきうき もくもく」~


うきうき もくもく


旅二日目。
夕方18:30には富山発の新幹線に乗らねばならないので、行きたい場所を効率よく周れるよう念入りに予定を組んでいた。

朝食は富岩運河環水公園にあるスターバックス。
誰が言い出したのか “世界一美しいスタバ”とネットで騒がれているのだ。

富山駅から15分ほど歩いて公園に着いた。
運河を中心に遊歩道と芝生が整備され、その運河には展望台を兼ねた橋がシンボル的にかかっている。
よく晴れた日で、穏やかな水面には逆さまになった橋の姿が、くっきりと映っていた。

富岩運河環水公園の天門橋



橋を斜めに見渡せるくらいの場所にそれはあった。
世界一と言うと凝った建造物を想像するが、拍子抜けしそうにシンプルで、少し離れて眺めてみると、機能的で無駄のないデザインは潔くてすがすがしい。
すっきりと突き出た一枚屋根にガラス張りの壁。
装飾は浮き出たSTARBUCKS COFFEEの文字のみ。
周りの風景を邪魔することなく、運河や空に溶け込んだその”風景”を美しいといったのかもしれない。

世界一美しいスタバ(雪のシーズンに見てみたいかも)


Cちゃんはイングリッシュマフィンとスターバックスラテ、わたしはアップルパイとカモミールラテを注文し、屋内ではなくテラス席を選んだ。

「わたしたち、今、極上の席にいるのね」

おしゃべりは少なめに。頬にあたる冷たい風を覚えておこうと思った。



店を出てから公園を少し散歩した。
地上はとても晴れていたが山は曇りなのか、その日の空にも立山連峰は現れなかった。

踏面の広い階段を大股で降りながら
「こういう階段って、一歩でいくか二歩ずつでいくか迷わん?」
「わかるー。」
普段ならあえて言わないようなどうでもいいことが口が出てくる。

二人とも浮き浮きしていた。



11:00 富山駅からぶりかにバスに乗って射水の新湊漁港へ向かった。
その日に水揚げされた紅ガニを一杯丸ごと食べるために。

カニ小屋という漁港内の小屋でカニと対面した。まともに見るとものすごくグロくて気持ち悪い。

小屋の壁に漁港の紹介ビデオが流れていた。
さっきまで水槽で動いていたカニがそのまま沸騰したお湯に入れられ、色よくホカホカと揚げられている。

ーお前たちは食べられるためにいるのだね…

ちょっと可哀そうに思ったが、カニは無言だった。

キッチンばさみを使って、まずは甲羅から脚を切り離す。
甲羅のほうは処理の仕方がわからず、店員さんにお願いして解体してもらい、カニみその混じった濃厚なスープをずずずと吸った。
テレビでよく見るような、脚の身だけをすーと取って食べるやつをしてみたかったが、店員さんに教えてもらって関節のあたりに切れ目を入れて注意深く引っこ抜いてみたけど、一本もうまくいかなかった。
しょうがなく縦に割って、カニスプーンでできるだけ食べ残しがないように、必死で身をほじくりだして食べた。

カニを食べるとき無口になるというのは本当だった。


~次回へつづく↓〜

~前回記事はこちら↓~


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