人生を豊かにする中国古典の名言#73
【今回の名言】
我が心鑒に匪ず、以て茹るべからず
(読み:ワがココロカガミにアラず、モッてハカるべからず)
私の心は鏡ではないのだから、他人の心を推し量ることはできない、という意味。
つまり、「相手に悪いことをしちゃったかも…」と不安になってあれこれ考えても仕方ない、ということですね。
私は、相手の言動の裏を推し量ろうとして、一人でネガティブモードに突入することがあります。
「『凪平さんって、〇〇"は"いいよね』って言われたけど、〇〇"も"じゃなくて、〇〇"は"ということは、きっとそれ以外はダメダメなんだ……」
「あの人、表情が険しいな。もしかして、私なんかやっちゃったかな……」
そんなことを勝手に想像して、一人で悲しい気持ちになるのです。
しかし、よくよく考えてみると、実際に言われたわけではないのですから、一人で想像して一人で落ち込むなんて、おかしな話です。
ですが、こういった悩みはおそらく古代からあったのでしょう。
『詩経』は約2600年前に成立したとされる古典で、そのころ各地に伝わっていた詩をまとめたものになります。
つまり、ここに収録されている詩は、2600年よりもずっと前から伝わっていたものになるのです。
そういった古い詩の中に、「私の心は鏡ではないのだから、他人の心を推し量ることはできない」という詩が入っているというのは、なかなか興味深いと思います。
古代の人たちも、勝手に相手の心を想像して、一人で落ち込むことがあったのかもしれませんね。
私たちの心は鏡ではありません。
相手の心の中を正確に映し出すことなんて到底不可能。
「相手がこう思っているかも……」と不安になったとしても、それが正しいとは限らないのです。
私の経験則では、ほとんどの場合は自分の考えすぎで終わります。
実際に思い切って相手に聞いてみると、そもそも全く気にしてなくて、むしろ忘れていたくらいだったりするものです。
人にもよるのですが、私のようにネガティブ思考に陥りやすいタイプは、脳内の声に気をつけたほうが良いでしょう。
生まれつき生存本能が強いため、些細なことでも脳が必要以上に重要だと認識して、できるかぎり不安や不確定要素を排除しようとフル回転してしまうからです。
こちらの本にも書いてありましたが、脳がネガティブなことを考えて私たちを怯えさせようとしているのは、生存確率を上げるためだとか。
ネガティブ思考を生み出す
不安な気持ちになる
やる気が湧かなくなる
人と関わったり、外へ出るのが怖くなる
余計な危険に遭遇する可能性が減る
大まかに言えば、こういった感じの生存戦略になります。
脳としては、私たちを生かすために敢えてネガティブ思考を生み出しているのです。
なぜなら、脳は私たちがまだサバンナにいると思っているから。
人類があまりにも早く文明を発達させてしまったために、脳の進化が追いついていないのです。
脳からすると、「外にはまだまだ多くの危険があって、ちょっとした異変を見逃すと命の危険につながってしまう」と考えているわけですね。
ですので、頭の中にネガティブな声が響いてきたら、次のように考えてみてください。
「あ、また脳が過敏に反応しているな」
「脳が私を生かすために、敢えて不安にさせようとしているんだな」
そして、ゆっくり深呼吸をしてから、次の行動に移りましょう。
大抵の場合、別のことをしているうちに不安を煽る声は消えていきます。
消えなくて困る場合は、勇気を出して直接相手に確認してみたり、誰か別の人に相談してみたりするのが良いでしょう。
実際に聞いてみたら、意外と何とかなることも多いはずです。
とはいえ、もしも頭の中の声が消えず、不安もひどくて辛い場合は、メンタルが限界にきている可能性が高いので、一度受診をおすすめします。
「会社に迷惑をかけるから……」
「みんなは普通に頑張っているし……」
などと、躊躇してはいけません。
心の病気は重くなると長くかかるので、できるだけ早いうちに対処したほうが良いです。
心が健康な状態で、今年の残りも頑張っていきたいですね。
【今回ご紹介した名言】
我が心鑒に匪ず、以て茹るべからず
(読み:ワがココロカガミにアラず、モッてハカるべからず)
こちらの言葉は、以下の回でも取り上げています。
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