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【2024年度】文化継承×「イミ消費」モデル構築に向けた取り組み①(北海道函館市 南茅部地域)


こんにちは!ミライ研の田中です。


現在、地域の文化や歴史を探究し、その地域固有の歴史や背景・ストーリーを多様な形で発信し、地域のファンを増やすことをきっかけに、関係人口の創出や歴史・文化継承等を目指す「ローカルディグ」という取り組みを各地域で進めています。

そのローカルディグプロジェクトの第1弾として、北海道函館市南茅部地域を中心とした東部地域をフィールドに、社会貢献的な活動に関心を持ち、社会的・文化的価値があるかどうかが行動基準として重視される「イミ(意味)消費」を取り込んだ地域文化継承モデル構築に向けた取り組みを進めています。

本noteでは、モデル構築をめざし、北海道函館市南茅部地域(みなみかやべ)で進めている取組概要について書いていきたいと思います。



◆縄文と昆布の生活と歴史 


皆さんは、北海道函館市にある南茅部という地域に訪れたことはありますでしょうか。古くから出汁の食文化を支える真昆布などの海産資源が豊富な漁業の町と知られており、昔は「献上昆布」といって朝廷や幕府に献上されるほどの最高級の昆布が取れる地域で有名です。

さらには、2021年には垣ノ島遺跡や大船遺跡などの縄文遺跡群が世界遺産に登録されたこともあり、『縄文と昆布の町』としてより一層の注目を集めている文化と自然豊かな地域です。

縄文遺跡が数多く所在する函館市南茅部地区
by函館市市政ポータルサイト(https://www.city.hakodate.hokkaido.jp/docs/2017122200100/)

その南茅部を軸に周囲に広がる、戸井(とい)、恵山(えさん)、椴法華(とどほっけ)などの函館市東部地域一帯に視線を向けると、迫力ある山肌が特徴の活火山「恵山」や夏の間は最高のサーフスポットに変貌すると言われる椴法華エリアなど、より一層、自然と文化豊かな地域です。

北海道函館市南茅部地域を軸とした東部エリア


◆2024年度の取り組み


そんな南茅部地域を軸とした函館市東部エリアをフィールドに、「イミ(意味)消費」を取り込んだ文化継承モデルの構築に向けた取り組みを進めています。

現在、2024年7月より、南茅部地域に定期的に滞在させていただきながら、函館市東部エリアの歴史や文化を探究に向けた取り組みを進めており、まずは地域内外の方々と連携・協働したフィールドリサーチや住民インタビューを通じて、地域の歴史や記憶、人々の思いを辿る活動からスタートしています。

その活動にあたっては、函館市や白老町などで活動されているライターさんやカメラマンさん、文化芸術イベントを手掛けるプロデューサーさんとともに取り組んできました。

私立函館博物館前にて、昆布に関する資料を手に取る地域内外のメンバー


―フィールドリサーチ

フィールドリサーチにあたっては、日本の民俗学者、 宮本常一氏 の「あるく、みる、きく」に倣うような、土地を歩き、郷土史や古い写真など歴史を観て、人々の話を聴いていく姿勢を大切にしたいと思っています。

地域住民の方々とその土地をあるき、魅力を探索する

郷土史や古写真など、歴史をみる

地元住民の方々に地域の文化や暮らし、思い出、未来への想いなどをきく


―住民インタビュー

地域固有の歴史や背景・ストーリーの理解に近づくために、地域の方々のご協力のもと、地域の文化や暮らしについて聞き書き的にお話を伺う住民インタビューに取り組んできました。

2024年10月から11月にかけて、南茅部に暮らす、関わる方々7名にそれぞれお話を伺いました。縄文遺跡、発掘文化、昆布、里山、猟師、食事処亭主、地元の草木使ったキャンドル作家の方など、多様な分野で地域を支え、守り、新しい地域の未来を創ってきた地元住民の方に、地域の文化や暮らし、思い出、未来への想いなどについて、じっくりお話を聴きました。

伺ったお話は2月以降、順次記事としてnoteで公開していきますので、ご期待ください

縄文遺跡の保存活用に取り組むボランティア団体『北の縄文CLUB』の会長を務める 大宮 トシ子さん
『北の縄文CLUB』初代事務局長を務め、現在は道南歴史文化振興財団の学芸員  坪井 睦美さん
「海の森から食卓へ」をテーマに、 昆布をはじめとする海藻のふりかけを製造する『函館ひろめ堂』の代表 成田 幸大さん
2016年より林業家として活動をはじめ、クラフト制作や林業体験プログラムを行う 「森林の工房いさおか」の代表 岡田 功さん
南茅部の草木を生かしたキャンドル作家 佐藤 藍さんと、2023年に猟銃免許を取得し南茅部で猟師として活動する 加我 麻美さん
『すし処 㐂川』の店主。1986年にお店をオープン。『南かやべ料飲店会』に所属しており、地元の人向けに料理教室も行っている 小川 喜敬さん


◆再発見する南茅部地域の魅力


古くから、南茅部地域では真昆布を代表とする海産物に恵まれ、1万年もの間、縄文人が衣食住に困らず、争いなく安住することができたといわれています

山と海の距離が近く、火山などの山々から栄養を海へ運ぶ河川の数は60にも及び、この独自な地形・自然環境が現在につづく南茅部の海の恵み豊か暮らしをもたらしてくれています

ちなみに、南茅部地域も一部映っていて、現地漁師や関係者の方々のお話や地域の様子も見ることができる、ドキュメンタリー映画「ここにいる、生きている。」が2025年1月10日に劇場公開されました。

早速、公開日に見てきましたが、豊かな自然環境、山と海のつながり、海が抱える課題をリアルに感じることができる、とても見ごたえがあって、私たちと自然のあり方について考えさせてくれる映画でした。ぜひご覧ください!


また、地域の歴史を明らかにしてきた縄文遺跡発掘の調査員や作業員たちが今も住み、3代にもわたり発掘作業を継承してきた家系もあるようで、「発掘文化」が息づく町の姿も見られます。聞くところだと、裏庭掘っていたら、土器が出てきたなんて、昔はよくあったみたいです。本当に驚きですよね。知れば知るほど興味深くおもしろい、もっと知りたくなる地域だなぁと思います。

こうした現地フィールドリサーチや住民インタビュー等を通して、この地域には、文化・食・自然が調和した姿が存在し、訪れた人たちに自然や文化と人間のつながり、在り方など、何か大切なことを考えさせてくれる貴重な地域だと感じます。

この豊かな文化と歴史の価値、ここにしかない魅力は何か、それが伝わる仕掛けはどんなものなのかを考えていきたい。きっと、縄文?昆布?って思う人も多いかもしれませんが、そのような人たちにも興味をもってもらえるような取り組みに仕上げていきたいと思っています。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。
ぜひ、2月以降の住民インタビューの記事もお楽しみに!



研究員:田中健人(たなか けんと)

1992年兵庫県生まれ。青山学院大学卒業後、2015年NTT東日本入社。入社以来、新規事業の立上げや経営企画業務に携わり、2023年よりミライ研究所の立上げ、推進に加わる。地域に残る伝承や物語、人びとの記憶、生活文化、伝統文化の保存と継承などに関心を持ち、現在は「地域の魅力の発掘・再発見」をテーマにしたリサーチプロジェクトの実証に取り組み、地域愛の醸成や地域ブランディング等への活用をめざしている。また、日本遺産の普及・活用に向けた取り組みにも関心を持つ。


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