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野党政治家「蓮舫」(2) 

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今回の参院選で、「蓮舫」は「れんほう」として立候補しました。演説の中で私が期待したのは、国政に再度出る決心の言葉をどう説明するのかでした。都知事選挙で敗退が決まった時、彼女は「国政を卒業して、都知事に手を挙げた。120万を超える人が『蓮舫』と書いてくれた。これでまた国政に戻るというのは、私の中では違う。そうしたら、渡り鳥みたいじゃない」と国政への思いを語っていました。その彼女が、1年後の参院選で「渡り鳥になってもいいから、もう1回、国会で蓮舫を使っていただきたい」と批判覚悟で挑戦するというのです。

全国比例で出馬するということは、「自分の選挙区=城下町」を捨てるということ。そして、全国比例選出議員になるということは、党の役割を最優先に働く議員になる、ということです。党務に重さが増す全国比例の議員になる。どれ程の覚悟が必要なことだったでしょう。ここをどんな風に伝えてくれるのかということも、私がれんほう候補の演説を聞きたかった理由でした。

ひらがなの「れんほう」として

演説会場に着いて最初に驚いたのは、候補者がひらがなの「れんほう」に変わっていたことでした。ご本人の意向なのか選対会議で決まったのかは定かでありませんが、政治家にとって名前は最重要。書き方を変えるにもそれなりの理由があるはずです。

会場は塩村あやか候補が立つ東京選挙区。塩村候補と並んで立つれんほう候補。満面の笑み、高い手ふりで演説は始まり、終始さわやかな笑顔で終わりました。「え?終わり?」。聴き終えたのに内容はさっぱり記憶に残っていません。時間が短かったのか、ご本人が緊張していたのかはわかりませんし、選挙最終日にはもっと熱く語っていたのかもしれません。でも、その演説会場での印象は、かつての「急先鋒」「戦う蓮舫」の姿ではなく、笑顔の「ソフトれんほう」に変わっていたのです。

その数日後、立憲民主党の東京選挙区、奥村候補に野田党首が駆けつけるという場面にも、れんほう候補が並んで立っていました。笑顔と柔らかな手ふりという印象は同じく「ソフトれんほう」でした。東京はかつての選挙区です。急先鋒、切り込み隊長のいつもの蓮舫をでも、都民に違和感はなかったはず。しかもここは、国政へ再挑戦する場面。覚悟が聞きたかった私は、肩透かしをくらったような気がしていました。この違和感はこれまでの「蓮舫」との「落差」に近いものでした。

民主党党首時代、選挙区の応援に駆け付けた蓮舫党首

「政治家れんほう」の役割

政治家のブランディングは立場を外しては成り立ちません政治家れんほうをこの視点で考えるとき、全国比例となったからには、党の最重要メンバーとしての役割を最優先するべきなのは言うまでもありませn。かつての政治家蓮舫は急先鋒、追及の旗手、切り込み隊長。これは彼女にしかできない役割でした。目線、眉間のしわ、手の使い方、声のトーン、発声の強弱、ノンバーバルを見事に使いこなす予算委員会のシーンなど、役割に徹した姿は見事でした。「2位じゃダメなんですか」という切り取られたセリフは有名ですが、覚悟が見えたのはここでも同じでした。「キツイ」「怒っているだけ」と、容赦ない批判は、マスコミだけでなく支持者からも突き付けられていましたが、役割に真っ直ぐ取り組む姿勢は、政治家の醍醐味と、拝見していました。だからこそ、今回の姿には違和感があったのです。

見たかったのは「人間れんほう」

国政へ復帰するためのブランディングで彼女を捉えるとするなら、名前の表記をひらがなにして、笑顔多めで良かったのでしょうか。これまでの政治家蓮舫としての逞しさをもちつつも、都知事選挙に3位で落選し、プライベートでは子どもを育て、離婚も経験した、人の辛さ悲しさと本物の強さを体得した人間れんほうを魅せるという選択肢は無かったのでしょうか。人は誰でも失敗します。でもその失敗を「経験値」に変える強さと逞しさで、「人間れんほう」を表現する選択肢もあったはずです。真摯な振り返りと反省、そしてこの体験を活かす未来を標榜することで、政治家としての覚悟を現す。私はこの点が欠落していたことに違和感を感じていました。

党首時代との顔の違いを見せても良かった

東京都知事選挙の敗戦を経て、批判覚悟で国政に戻ることを決意した彼女が、国民のために、それでも成し遂げたい政策と作りたい未来を、熱を以て語ってほしかった。塩村あやか議員については票を落とした理由を考えてみましたが、れんほう候補の浮動票が伸びなかった理由は、「熱」にあったのではないかと考えています。

さて、この後は6年あります。「人間れんほう」「党人れんほう」をどう魅せていくのでしょう。体温と熱が伝わる政治家として、美人なだけの線香花火のような政治家と一線を画す、姿を期待したいと思っています。


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