見出し画像

③『統合失調症』村井俊哉(2019・岩波新書)/ リカバリー

経過

①前駆期 ②急性期 ③寛解・再燃 ④慢性期

3分の1の法則

精神科医さんたちの間で昔から言われている口コミ。日本だけでなく世界各地で共通して同じ印象が持たれているらしい。

完全によくなる人が1/3、何回もエピソードを繰り返しているけれども個々のエピソードの間は比較的回復している人が1/3、だんだん悪くなっていく人が1/3、これが精神科医の間で伝えられてきた経験則なのです。

p.51

が・・・・ ↓

「治る」とは

寛解
 「比較的短期間症状がとれている状態」
回復(リカバリー)
 「寛解しているのはもちろんのことその期間が十分に長く、さらに、仕事や学業に戻れているなど社会の中でうまくやれていることも求めます(このことを専門用語では「社会機能」と呼びます)。加えて、本人が自分自身の状態を「よい状態」とみているということも条件に含めます」

こうした定義に基づくと、経過は研究によってまちまちなのですが、様々な研究の中ほど(中央値)をとると、リカバリーは統合失調症の患者さん全体の中で7名中1名程度にとどまるのです。とても低いですよね。経験則として精神科医の間で伝えられてきた3分の1の法則は、楽観的過ぎるのではということになってくるのです。

p.53

もうひとつのリカバリー

リカバリーの話はこれで終わりではありません。「どのぐらい治りますか」との質問を受けた時、医師は何と答えるでしょうか。「回復はほとんど無理です。9割方治りません」と患者さんに言うかというと、私は決してそうは言いません。ただ、事実を伝えないのは気休めという意味ではないのです。

p.55

このあたりを読んでみると、ふたつのリカバリーの違いというのはおそらく・・・・
「リカバリー」=完璧な回復
「もうひとつのリカバリー」=適応

みたいなニュアンスなのかなと。
病気と完全に縁が切れておらずとも、病気と共に歩む人生を自分の人生としてしっかり受け止めることができている、そういう状態のことを「(もうひとつの)リカバリー」というのだそう。

リカバリーにはこういった2つの概念があるということをふまえた上で、先生は「回復は50%」と述べておられる、とのこと。なるほどなあと思いました。


いいなと思ったら応援しよう!

この記事が参加している募集