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空想科学日記:ビジネス幻想とウルトラマンの実態

近年、副業やフリーランス、経済的自由といった言葉が、
さも「正しい働き方」のように語られるようになった。

背景には日本経済の成長鈍化や、旧来の社会構造の限界があるが、
それを打破するかのように「だから個人で稼ごう」「雇われを卒業しよう」という論調があふれている。

SNSでは、個人ビジネスの成功談やノウハウ提供者が目立ち、
「誰でも自由に」「努力すれば届く」世界があるかのように演出される。

だが、率直に言えば、それは幻想だ。


成功者ではなく、演者たち

多くの発信は、成功したから語っているのではない。
語るために“成功者”を演じているだけだ。

ポジショントークの上に成り立った言葉は、
再現性よりも自己演出を優先する。

日本における富の再分配構造は、すでに固定化されている。
その中で継続的に成功し続けることは、きわめて難しい。

仮に一時的に稼げたとしても、いずれ消耗し、淘汰されていく。

それでもなぜ、人はビジネスに惹かれるのか?

それは「ビジネスに興味があるから」ではない。
「ビジネスで認められた自分」になりたいからだ。


ウルトラマンの正体は労働者

この構造を、ウルトラマンに重ねてみるとわかりやすい。

ウルトラマンとは、誰もが一度は憧れる“理想の象徴”。
強く、かっこよく、誰かを守る存在。

だがその実態はどうだろう?

彼らは変身して戦っている時間だけがすべてではない。
人間体としては防衛チームに所属し、日常的に働いている。

変身しなければただの職員であり、
変身しても命懸けの戦いが待っている。

つまりウルトラマンは、二重の労働構造に置かれた存在だ。


切り取られた“変身後”だけが理想化される

この「変身後だけを理想視する」視点は、
現代のビジネス幻想と非常によく似ている。

SNSで映える起業家やフリーランスの“かっこいい部分”だけを切り取って、
それが人生の全体であるかのように信じ込む。

変身前の苦悩やルール、社会的制約には目を向けない。

ウルトラマンに憧れる人が、
ハヤタやダンの労働を語ることは滅多にないのと同じだ。


ヒーローの裏側を見つめよ

この社会では、戦うこと・輝くことばかりが評価され、
地味で粘り強い「変身前」の努力は軽視される。

しかし、現実はそこにこそ重さがある。

君がもし「自由になりたい」「変わりたい」と願うなら、
まずはウルトラマンのように変身している人たちの“実態”に目を向けるべきだ。

ヒーローでさえ構造に苦しみ、日常では組織の一員として働いている。

その構造を知らずに飛び込めば、
変身どころか怪獣に踏み潰されて終わるだろう。


※記録者:イズミ隊員
地上での観察はXでも継続中。
怪獣とソフビの動向、国家のエラー、社会という構造物のひび割れをポストで記録しています。
イズミ隊員 Xアカウント


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