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「正直さ」が「言い訳」になる瞬間に気づけ!(1)~経営者(上司)の「ワーキングメモリ」を開放するのが部下の仕事

TechnoProducer株式会社 CEO/発明塾塾長 の楠浦(くすうら)です。今日は、以下記事への「非常に興味深いコメント」を見て、僕が思い出したことを、書いておきます。今回はAIを使いませんので、「楠浦メモ」になります(笑)。
あくまでもメモなので、やや雑なところはありますが、皆さんの日々の活動において、ヒントになればと思い公開するものです。

コメントを引用しておきます。

”刺さりました。知財・特許の仕事をしています。 「保留はメモリに常駐し続ける」という構造を読んで、自分がこれまで経営者に対してやってきたことの正体がわかった気がしました。
「侵害リスクは否定できません」「判断が難しい部分もありますが」——私たちは不確実性を正直に伝えることが誠実だと訓練されています。
でも実際は、その「正直さ」が相手のワーキングメモリに未解決ファイルを次々と投げ込んでいた。 役に立とうとして、むしろ消耗させていた。
この記事を読むまで、そこに気づけていませんでした。 ありがとうございました。”

https://note.com/so_nishina/n/nfc8b039257a3?sub_rt=share_b コメント欄

「正直」は、誠実である。
一般論としては正しい。
でも、個別具体的な状況では、そうとも限らない。
言われたらわかる、この極めて簡単なことも、「仕事」となると、意外にできない。
なぜだろうか。どうすればいいのだろうか。

では、本題へ。


一緒にスタートアップを経営していた「超優秀な後輩」のひと言で、僕は変わった

稲妻に打たれる、という、使い方によっては、陳腐極まりない表現があります(笑)。まさに僕が、「正直さが誠実とは限らない」を仕事で痛感したというか、「経営者との接し方」(例:企画提案)において、身をもって理解した時の話を、少ししておきます。

なお、以下は、僕の書籍「新規事業を量産する知財戦略」に登場する、超優秀な後輩にして当時のCIPO(知財責任者)だった後輩から言われたことです。「ぐうの音も出ないな(笑)」と思って、それ以来、行動(言動)を変えました。

これはあくまでも僕個人の話で、全員に強制するものではありませんが、経営者と対話する、投資家と対話するって、こういうことだよね、という僕の意見としてとらえていただければよいと思います。

前置きが長くなりましたが、そのひと言とは、だいたいこんな感じのものです。

「楠浦さんの言い方だと、”今のままでは”という前提を、暗黙のうちにおいているのですが、経営者は、そんな前提は置いてないんですよね。
だから、Mさん(スタートアップの当時の社長)に対する楠浦さんの答えは、経営者から見たら、単なる言い訳に過ぎないですね。
その前提を変える手段までを含め、経営者は”提案しろ”と言ってるわけなので。
場合によっては、責任放棄と理解され、そもそも提案になっていない/できない、こいつは話してもわからない奴だ、と思われて、今のポジションから外される可能性がありますから、すぐに治してください


正直かもしれないが、議論になってない、という指摘

まぁ要するに、「楠浦さんは正直(誠実)に受け答えしている”つもり”かもしれないが、経営者はそういうことを問答したいわけではない」ということですね(笑)。
彼曰く、そういうやり取りは時間の無駄だと(笑)。経営者が期待しているレベルの話ではないと。別に、怒られているわけではないのだから、言い訳しても意味がなくて、「議論になってませんよ、それ」ということです。

たしかに、議論にはなってないですね。発展性がない。答えのない問答になってる。彼が言いたかったのは、経営者には、「では、どうするべきなのか、を提案し、その場で決断してもらえ」ということです。そうでなければ、時間の無駄であると(笑)。

ちなみに、そのスタ-トアップの設立経緯はかなり複雑で、当の後輩の紹介で僕がそのスタートアップの設立にかかわることになったので、僕がミスると彼も立場が悪くなるという状況にありました。だから彼は、普通ならそのままスルーする(見捨てる)ような状況でも、厳しく意見をくれたのだろうと思います。僕は割と後輩に恵まれている気がします(笑)。

なお、だいたいこんな感じ、と言っているのは、実際には僕が、一回では理解できなくて、何度か言われたことがあるからです(笑)。だから、雷に打たれたのは、何回目かの話ですが、分かったときにはまさに、雷に打たれました(笑)。

ここで雷に打たれた方は、もうこれ以上読む必要はありません(笑)。


経営者への「言い訳」から脱却し、「提案」へたどり着く魔法の3ステップ(笑)

繰り返しますが、「言い訳をしてはいけない」とは、言っていません。ガス抜きとして、言い訳は重要だと思います。僕なんか、毎日パソコンの前で、死ぬほど言い訳してます(笑)。でも、やることはやります(笑)。それが仕事です(笑)。

僕が言いたいのは、「経営者に言い訳をしても意味がない」ということです。あなた、経営者に言い訳をして何がしたいの?ということです。たぶん、何も実りません。目的によりますが、多分、手段として最適ではない、ということです。なお、仲が良い経営者で、気さくな人なら、言い訳したら、「疲れとるな、こいつ」となって、飲みにつれていってくれるかもしれません(笑)。それが目的なら、非常に良いと思います(笑)。実際僕は、M社長に何度も飲みにつれていってもらって、僕の何がダメなのか、やんわりと教えてもらいました(笑)。

では、どうすればよいのか。どう考えれば「言い訳」から脱却できるのか。
僕が実践した、「魔法の方法」を紹介しましょう(笑)。

まずは、その3ステップを以下に記載します。詳細は、この後一つずつ書いていきます。

最初のステップ:
「今のままでは、できません」

次のステップ:
「こうしてもらえれば出来ます」

最後のステップ:
「できるかどうかわかりませんが、XX億円あれば、できる可能性はあります&やる/試す価値があります(ので僕にXX億円ください)」

もう、だいたいわかりましたかね(笑)。


最初のステップ:「今のままではできません」と言ってるにすぎないことに、早く気づく

すでに書いた通りです。引用したコメントに基づくと、こんな感じです。

”「侵害リスクは否定できません」「判断が難しい部分もありますが」の部分の「前提」は何なのか、を、自分の中で明確にする。それって、絶対なのか?それとも、何かをすれば、結論は変わるのか?侵害リスクを無くせるのか?判断が容易になるのか?と、自問自答する”

もちろん、僕も知財業界にいますので、現実的に「侵害リスクがゼロになる」ことや、「判断が難しい(何の?)」部分がゼロになることは、ないとわかってます。

でも、そういうことは経営者には、わからないんですよね。というか、わからない前提で話をする、ということです。

”もっと調べればリスクは減らせる。費用はいくら、期間はこれこれ。でも、それだったら、リスクを踏んで、早く世に出したほうがいいよね。スピードを取りませんか?”

これなら「提案」ですね。
Yes/Noで答えられる。
多くの方は、上の””に囲まれた選択肢を、相手に言わせようとしています。そのつもりはなくても、結果としてそうなっている場合も含め、そうです。

自分で勝手に前提を縛っておいて、難しいとか、できませんとか言うのは、結局「これ以上はもう、めんどくさいからやりたいくない」と言っているに過ぎない。少なくとも、経営者にはそう聞こえるし、仮に相手が投資家だとすると「だったら、俺のところに来るなよ」と言われる(笑)。

そういうことです。


次のステップ:「こうしてもらえれば」「こうであったら」出来ます、を考える

言い訳からは、一歩前進です。
「わかりません」「難しい」「できません」から、脱却できたからです。
素晴らしいです(笑)。

一歩前進なんだけど、経営者が知りたいのは「それにいくらかかるの?」という数字への換算なんですよね。

”いつまでに何名、設備、その他、一式おいくらなのか”

それがあればできるんだね、ということ。
ここを、こちらで準備して話をする、ということです。
そして、「出すからやってよ」と言われたら、「やる」ということです。


最後のステップ:「XX億円あれば、できる可能性はあります」に言い換える

これが最後です。簡単でしょ(笑)。

”できるかどうかわかりませんが、XX億円あれば、できる可能性はあります&やる/試す価値があります(ので僕にXX億円ください)”

R&Dにおいては、このパターンが最も多く、「たぶん」知財でもそうだろうと予想しています。相手が、自然現象か、社会制度や人間(企業)か、の違いだけです。どっちも複雑で、正確には予測不可能です(笑)。

知財実務を企業知財部としてやったことがないので「たぶん」としていますが、経営者としいて自社知財を量産して競合と戦った経験はあるので、それなりの「たぶん」だと思っています。
(他者の知財活動の現場の実態は、現場にいないとわからない)

ここで重要なのは、「お金が尽きた」以外の理由ではあきらめないことを明言することと、想定外の事態になったときに、再度(同じようにYes/Noで答えられる提案で)提案すること、だと僕は思っています。

というか、常に僕はそうしてきました(笑)。


投資ファンドにお金を出すのと同じである

基本的には、経営者の判断というのは、投資ファンドにお金を預けるのと変わらないと思ってもよいでしょう。絶対儲かるファンドはないけど、過去の実績やそのファンドの戦略からみて、期待できるリターンは算出できますよね。ファンドの目論見書に書いてありますから。

それを見て、買うかどうかを決めるわけです。
こう考えるとシンプルですよね。

だから、自分というファンドに出資してもらって、その金を運用して(人件費なり設備なり外注費なり)、期待リターン通り、できればそれを超える成果を出す、それが仕事だ、と思えばよいのです。

なお、給料をもらって、その分働く、という考え方で行きたいという方について、特に僕がその方針にとやかく言う筋合いはないし、それはそれでよいと思っています。

ただ、職位や金額によっては、その給与にも「期待リターン」が反映されていることを、忘れてはいけない、とも思うわけです。

もちろん、給与は需要と供給で決まるものなので、特に、流動性の高い知財系の方においては、「だったらやめて、他社へ行きます!」というのも、全然ありだと思います。

なので、これはあくまでも、上で引用したコメントをされている hayasaki さんに向けた個人的なメッセージであると、思ってくださいませ(笑)。


経営者の責任を降ろすのが、提案する側の仕事

もう一つ言うと、経営者が判断を間違えたときに、それを経営者のせいにしていては、提案する側としては失格だということです。
これも、例の後輩にそう言われました(笑)。いい後輩ですよね(笑)。

経営者が正しい判断をすることを支援するのは当然なのだが、時間は限られているので、「私にお任せ下されば、それが正しい判断であったことを、必ず証明いたします」と言い切れるか、がポイントだと思っています。
これも、後輩にそう言われたんですよ(笑)

実際には、大企業でそこまでのことを求めている経営者は、ほとんどいないというか、そういう場面はまれだろうと僕は感じているが、あくまで「姿勢」「考え方の方向性」として、そういうことだということです。

スタートアップの場合、ないものづくしで進めていて、少しふらつくとすぐにつぶれるので、毎日が緊迫している。だから、少し状況は違うだろう。ただ、これも個社で各様だろうから、過剰に一般化はしない。

なので、あくまでも「僕の個人的経験」を、少し一般化して話している、という点を勘案して、日々の行動に活かしてくだされば幸いです。

として、一旦筆をおきます。
何か思い出したら、また書くと思います。


追伸:参考書籍「部下の哲学」「上司の哲学」

今回は、僕のメモのため、参考文献はありません。そもそも、AIと壁打ちで整理し始めたのですが、いまいちなアウトプットしかできなかったんですよね。たぶん、LLMと相性の悪い話題(尖りすぎていて、一般的には語られていない話題)なんだろうと思いました。

そこで、僕が過去に、学生向けの発明塾参加者を中心に、紹介していた書籍を2つ、紹介しておきます。関連するもの、という程度で捉えてください。ここに書いたようなことを、経験交えて明確に書いている書籍に、僕は出会ったことがないのです。

対になるものだ、と思ってください。
上司だから、部下だから、ではなく、両方読むことで、見えてくるものがあります。

楠浦 拝

P.S.
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