教科書に載らない英雄 ― 北海道を守った男・樋口季一郎中将
今回の東京の旅・・・
特にで 靖国で胸に走った衝動がいくつもあった
彼らの物語に触れたとき、理由もなく胸の奥が熱くなった。
あの瞬間の感情は、どんな言葉に置き換えても薄れてしまうほど強いものだった。
「何かを語れ」と言われているような、
「何かを受け取れ」と背中を押されているような、
そんな不思議な感覚だった。
そして、もう一人・・・
僕は知ってしまった。
樋口季一郎という、日本の地図すら変えたかもしれない男の存在を。
靖国神社の資料館(遊就館)を歩いていて、ふと立ち止まった。
無数の英霊の遺影の中に、一枚だけ、何かが違う遺影があった。
その写真には――命(みこと)が書かれていなかった。
「この人だけ、命がついていない…?」
不思議に思って名前を見た。
そこに記されていたのは、陸軍中将 樋口季一郎(ひぐち きいちろう)。
なぜ彼だけ、命が無いのか。
その疑問から調べ始め、
僕はある“真実”に辿り着いた。
― もしこの人がいなければ、
今の北海道は、日本ではなかったかもしれない。
命(みこと)の無い遺影が語るもの
靖国神社の遊就館に並ぶ遺影には、
それぞれ「命(みこと)」の文字が添えられている。
日本の古い言葉で“命(みこと)”とは、
神格を与えられた者への尊称である。
「伊邪那岐命(イザナキノミコト)」
「伊邪那美命(イザナミノミコト)」の“みこと”と同じ。
つまり靖国で“命”がつくとは、
その魂が神とされた証なのだ。
だが、樋口季一郎の遺影には、それが無かった。
最初は展示ミスかと思った。
だが調べてわかったのは、
それが**深い意味を持つ“例外”**だったということだ。
彼は戦死していない。
終戦後も生き延び、1970年に自然死を迎えている。
つまり、靖国には祀られていないのだ。
にもかかわらず、資料館には、彼の遺影が展示されている。
それは、「英霊としてではなく、
日本を守った“人間として”顕彰されている」という意味だった。
北海道を分断から救った指揮官
1945年8月。
日本がポツダム宣言を受諾し、戦争が終わろうとしていた頃。
その瞬間を狙って、ソ連は中立条約を破り、
満洲・樺太・そして千島列島へと侵攻を開始した。
スターリンはアメリカのトルーマン大統領にこう提案している。
「北海道の北半分をソ連の占領区域にしたい」
つまり、日本を南北に分けて分断統治する構想だ。
その時、北海道を守っていたのが
第5方面軍司令官・樋口季一郎中将である。
彼は「停戦命令が出ても、ソ連が攻撃を続ける限り戦う」と命令を出し、
千島列島最北端の**占守島(しゅむしゅとう)**で
日本軍がソ連軍上陸部隊と激突した。
この「占守島の戦い」でソ連軍は予想以上の損害を受け、
結果的に北海道上陸を断念。
こうして――
日本は南北分断を免れ、北海道は今も日本のままである。
もし樋口がいなければ、稚内に国境線が引かれていたかもしれないのだ。
人を救った軍人 ―「ヒグチ・ルート」
樋口季一郎の人間性を語る上で、
もうひとつ忘れてはならないエピソードがある。
1938年、彼は満洲ハルビン特務機関長として勤務していた。
ナチス・ドイツの迫害から逃れてきた
数千人のユダヤ難民が満洲国境のオトポール駅に押し寄せた時、
彼は部下にこう命じた。
「彼らに食料を与えよ。医療を施せ。通過を許可せよ。」
この行動は、処分されかねない自殺行為に近い決断と言える。
軍規や外交の常識からすれば『命令違反』に等しく、キャリアを棒に振る危険を伴うものだった。
当然、上層部からの圧力もあったが彼は退かなかった。
「人間として、当然のことをしたまでだ。」
この言葉が、すべてを物語っている。
彼の行動はのちに「ヒグチ・ルート」と呼ばれ、
彼の名は「もう一人のシンドラー」として語り継がれる。
彼は“敵”や“味方”の枠を越えて、
ただ人間として正しいことを選んだのだ。
戦わずして国を守った男
戦場で剣を抜く勇気よりも、
戦わずして国を守る勇気。
樋口中将は、終戦後であっても防衛体制を解かなかった。
もし彼が命令通りに即時武装解除していたなら、
ソ連は「無防備地帯」として北海道に上陸していただろう。
しかし彼は、
「日本の民を守るために最後まで立つ」と決断した。
それが、戦後の日本の地図を守った。
彼は“戦わずして戦い”、
“命を捧げずして国を救った”男だった。
教科書に載らない英雄
彼は靖国にも祀られていない。
そして、教科書にも載っていない。
だが、
彼がいなければ、いまの北海道は日本ではなかった。
戦死したわけではない。
けれど、国の命を守った人だ。
命を捧げることよりも、
命を守ることに徹した軍人。
それこそが、
本当の意味での“戦い”だったのだと思う。
海外では評価されているのに、日本では無名
樋口季一郎は、
日本ではほとんど知られていない。
・教科書に載らない
・戦死していないため靖国でも英霊扱いされない
・戦後、日本は軍人を語りにくい時代が続いた
しかし海外――特にイスラエル・ユダヤ社会では、
彼は “人命を救った英雄” として強く評価されている。
杉原千畝と並び、
「日本のもう一人のシンドラー」
として語られるほどだ。
日本が忘れていても、
世界は覚えている。
日本では無名。
しかし世界では評価されている――
そんな不思議な英雄が、この国には確かに存在する。
忘れられた英雄を、もう一度日本人の心に
戦後の日本は、軍人を語ることを避けてきた。
けれど、戦争を語るとは「誰かを責めること」ではなく、
「誰かが守ってくれたこと」を思い出すことでもある。
樋口季一郎のような人物こそ、
もっと多くの日本人に知られるべきだ。
特に――
いま、北海道に生きる人たちには。
あなたがいま立っているその大地を、
分断から守ったのは、この人なのだから。
靖国に祀られずとも、神に値する人
樋口季一郎は靖国神社には祀られていない。
しかし、それは「英霊ではない」という意味ではない。
むしろ逆だ。
祀られずとも——
神に値する人がいる。
彼はそのひとりだと、僕は強く思う。
命を捧げた人は神となり、靖国に祀られる。
だが、樋口季一郎は命を守った人であり、
戦いの最後の最後で、この国の地図を守ってくれた人だ。
だから、彼の魂は
「祀られた神」とは別のかたちで、
日本人の心の中に息づいているのだろう。
樋口季一郎は 1970年(昭和45年)10月11日没。
享年 82歳。
戦後の激動を静かに生き抜き、
派手な名誉も求めず、
騒がず、語らず、この世を去った。
けれど、
彼には子がいて、孫までは存在を確認できる。
きっと今は ひ孫(玄孫) まで続いているだろう。
そして僕は思う。
樋口季一郎のように
人を救い
国を守り
名誉を求めず
静かに去っていった人物の血が
今も受け継がれている。
そう考えると、
まるで“日本の良心が未来まで繋がっていく”ような
不思議な安心感が胸に満ちる。
国のため、人のために
良心を貫いたたった一人の日本人。
その魂は、子孫へ、そして彼の生きざまを知った僕たちへ――
静かに受け継がれていくのだろう。
樋口季一郎の墓所へ
樋口中将の墓所は、
神奈川県中郡大磯町東小磯にある日蓮宗の妙大寺にあるとされる。
華やかな顕彰碑もなく、
歴史書で大きく語られるわけでもない。
ただ静かに、そこに彼は眠っている。
だが、僕は思う。
この日本の北の大地が今も日本であるのは、
この男の決断があったからだ。
だからこそ、
必ず時間を作り、彼の墓前で手を合わせたい。
祀られなくとも、
教科書に載らなくとも、
誰かが忘れずに語り継げば、その魂は生き続ける。
そして、彼はその価値がある人物だ。
彼は“神”にはならなかった。
だが、“良心”になった。
神として祀られずとも、
日本人の中に生き続ける魂――それが樋口季一郎だ。
僕たちは彼の魂を忘れてはいけない。
そして――日本人である誇りも、決して忘れてはいけない。
書き手について・プロフィール
1981年若干16歳で美容業界に足を踏み入れる
1990年、大阪府八尾市にて独立し美容室を開業。
1996年、大阪八尾市の店舗は譲渡。
1997年、大阪府藤井寺市にて再び美容室を開業。
1999年、大阪で最初の「縮毛矯正専門店 矯正屋」をスタート。
大阪で一番最初の縮毛矯正専門店「矯正屋(きょうせいや)」を藤井寺市で営んでいます。
縮毛矯正専門の美容室は当時は存在せず、「絶対に失敗する」と散々言われました。
しかし、諦めずに挑戦を続けた結果、のべ15,000件以上の施術を行い、誰もいなかった領域で自分の道を切り開きました。
矯正屋(きょうせいや)
〒583-0024 大阪府藤井寺市藤井寺1丁目21−8
電話番号: 072-931-2515
公式サイトでは美容に関する記事を書いていますので興味がある方はご覧になってください。
▶ 矯正屋公式サイト
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