[材料ぞろいのオラクル]異例の共同CEO体制の狙いと市場の期待
オラクル(ORCL)は、記録的な株価上昇のきっかけとなった9月9日(火)の決算発表以降、OpenAIとのディールやTikTok事案での存在感など、市場に好材料を相次いで提供しており、その結果、利確売りをこなしながらも、株価は最高値圏で支えられている状況にあります。
こうした中、昨日、今度は経営陣の一新を発表。現CEOのサフラ・カッツ氏が取締役会副議長に就任し、新たにクレイ・マゴイアック氏とマイク・シシリア氏の2名が共同CEOに任命されると発表しています。
本投稿では、この発表についての市場関係者の解釈や見解、そして今後のオラクルの事業見通しや市場の期待について、Yahoo Financeの番組コンテンツを通じて紹介します。
なお、この2名の共同CEO体制による事業運営は、変革期を迎える老舗IT企業の次の一手として、極めて異例な方法ながらも、市場からは総じて好意的に受け止められている模様です。そのため、10月にオラクルが開催する大規模なアナリスト向け説明会は、今後の動向を占う上で注目すべきイベントとなりそうです。
(1)インタビュー(ウルフ・リサーチ)
[Yahoo finance]
週明けはオラクルが注目されています。株価はこちら、約5%上昇しています。
これは、クラウド大手であるオラクルが、TikTokの米国事業を管理する投資家コンソーシアムを主導する見通しとなったことが背景にあります。また同社は月曜日に経営陣の刷新を発表し、長年CEOを務めたサフラ・カッツ氏の後任として共同CEOを指名しました。現CEOのサフラ・カッツ氏は今後、取締役会副議長に就任します。

オラクルのあらゆる側面について、ウルフ・リサーチのマネージング・ディレクターでソフトウェア・リサーチ責任者のアレックス・ズーキンさんにお話を伺います。
さて、アレックスさん、まずは本日オラクルが発表した経営陣の変更についてお伺いしますが、この動きをどのようにご覧になりますか。また、今月初めに同社から発表された受注残の状況が、今後の売上の軌道を示唆しているというニュースと、今回の経営陣の変更は、どのように関連しているとお考えでしょうか。

[アレックス・ズーキン](Wolfe Research)
そうですね、まず申し上げたいのは、経営陣の交代は常に難しいシナリオであり、物事が非常にうまくいっている時にこそ、あえて難しい決断を下すのが最善だということです。オラクルも、そうした考えに基づいていたのだと思います。今朝のアナリスト向け電話会議でサフラ氏がそのように話していましたが、私も彼女の判断を完全に理解し、同意します。
オラクルは今、AIの台頭に支えられた成長加速カーブの真っ只中にいると考えています。そして、その需要に応えるハイパースケーラーの一社になるという役割を担っています。ですので、その結果として、この2人の経営幹部を昇進させたことは、非常に理にかなっていると思います。特にクレイ・マゴイアック氏は、OCIのストーリー、つまり彼らが提供してきた第2世代クラウドや第2世代インフラストラクチャの設計者であり、推進役の1人です。
共同CEO体制には少し驚きましたが、これも理にかなっています。1人は、よりアプリケーションの垂直統合と販売に重点を置いており、もう1人は、より中核的なインフラであるOCIの第2世代クラウドに焦点を当てています。そして、10月には大規模なアナリスト向け説明会が控えています。そこでは、受注残の質と量、そしてこの成長加速の物語を支え、資金を供給している契約について、より多くの情報と詳細が共有される予定で、それを考えると、このタイミングは理にかなっていると言えるでしょう。

[Yahoo finance]
お話を聞き始めて思ったのですが、私が本来聞くべきだった質問に先回りされたような気がします。それは、企業が経営陣の交代、それも共同CEO体制を発表した後に、株価が5%も上昇することがどれほどあるのか、ということです。
その点についてもう少し詳しくお伺いしたいのですが、この2人体制に納得感があるとお話しされていましたね。投資家向け説明会では、事業分野の報告方法を変える可能性があると思いますか。
この体制によって、会社を2つの異なる部門に分割する可能性はあるのでしょうか。この新しい共同CEO体制がもたらす可能性のある様々な展開について、どのようにお考えですか。
[アレックス・ズーキン](Wolfe Research)
ええ、あまり普通ではないですね。
共同CEO体制は、単独のCEO体制ほど機能しないことがほとんどなので、稀なケースといえます。です。ですから、それが驚きの一つでしたね。
また、この会社は過去30年間、概して同じチームによって実質に率いられてきました。ですから、これは非常に稀で、ユニークな出来事です。共同CEO体制とは別に、アナリスト向け説明会では、彼らがどのようにリーダーシップを発揮していくのか、その力学について理解できるのではないかと期待しています。
2人の経営幹部は明らかに組織が異なる部門の出身です。そのため、インフラの成長への投資と、アプリケーションの成長への投資で、資金が限られている場合に、彼らがどのようにリソースの配分に取り組むのか興味深いところです。
しかし同時に、オラクルのストーリーの要素の一つは、フルスタックであることの相乗効果とプラットフォームにあります。インフラ、アプリケーション、データベースを持ち、消費者がChat GPTで行うのと同じように、企業のデータに対してAIの可能性と推論を活用できる能力があります。この活動が、顧客のアプリケーションスタックやデータベーススタックのクラウド移行と近代化を促進し、最終的に三方よしの状況を生み出します。
顧客にとっては、モダナイゼーションによってAIファーストの世界への準備が整うという利点があり、オラクルにとっては、事業からより多くの価値とユニットエコノミクスを引き出せるという利点があります。そして投資家にとっては、それが事業の単なる成長ではなく、収益性の高い成長に資金を供給することになるという利点があります。

[Yahoo finance]
では最後に、TikTokのニュースについて手短にお伺いします。オラクルがTikTokの米国事業のデータパートナー候補として議論されてから数年が経ちました。この1ヶ月で劇的に変化したオラクルのビジネスモデルやストーリーを見る上で、このTikTokの件を考慮に入れるとすれば、どのようにお考えですか。
[アレックス・ズーキン](Wolfe Research)
これは明らかにオラクルにとってプラス材料だと考えています。世界で最も急速に広まり、広範に消費されているワークロードの一つに対して、事実上のインフラ提供者であり続けるのですから、これは好ましいことといえます。
また、こう考えるべきではないでしょうか。彼らはTikTokだけでなく、今やChat GPT、Meta、xAI、NVIDIAとも連携しています。そして、世界で最も大規模なワークロードに対して、重要な機能を提供する戦略的プロバイダーとして台頭し続けているのです。これらのことはすべて、オラクルにとっては非常に良いことであり、これらのワークロードを支えることを通じて、複雑で進化し続ける地政学的な状況の中で、大規模かつ安全にサービスを提供するために何が必要かを学ぶことができます。
ですから、これらはすべて投資家にとってプラス材料であり、私たちがこれから向かうこのユニークな世界においては、その重要性がますます高まっていくと思います。
[Yahoo finance]
ええ、テクノロジーと地政学は、間違いなく新しい時代に入りました。
ウルフ・リサーチのアレックス・ズーキンさん、ありがとうございました。この辺りで失礼します。
(2)インタビュー(スピア・インベストメント)
[ジュリー・ハイマン](Yahoo Finance)
この件についてさらに詳しくお話を伺うのは、スピア・インベストの創業者兼CIOのイヴァナ・デレフスカさんです。
イヴァナさん、あなた方が運用するテクノロジーETFの「SPRX」で、オラクルのポジションを少しお持ちですね。今年は様々な意味でオラクルの年でしたが、今回のサフラ・カッツ氏の交代は少し驚きでした。これをどうご覧になっていますか。

[イヴァナ・デレフスカ](Spear Invest)
私たちはそれほど驚いてはいません。なぜなら、この会社は過去1年以上にわたって多くの変革を経験してきました。ですから、それに伴って経営陣の変更があっても不思議ではありません。
大規模なクラウド案件の獲得や、今回のTikTokの件など、多くのことが進行中であり、会社を次の成長段階へと進めようとしているのだと思います。それを実現できる経営チームは、過去のチームとは異なるかもしれませんから、これは非常に理にかなった動きです。

[ジュリー・ハイマン](Yahoo Finance)
ええ、彼らが今抱えている膨大な受注残をこなしていく必要がありますしね。
そして今、いくつかのヘッドラインや電話会見に参加した記者のメモを見ています。ホワイトハウスがTikTokの取引の詳細を説明する電話会見を開いているようで、コンソーシアムが存在し、オラクルがこの新しいTikTokのセキュリティ基盤を提供する上で、非常に重要な役割を果たすと報じられています。これはオラクルにとって、具体的にどのような意味を持つのでしょうか。
[イヴァナ・デレフスカ](Spear Invest)
そうですね、そのことには2つの意味があると思います。まず、オラクルが大規模にサービスを提供できる顧客を得るということです。しかしそれだけでなく、オラクルがこの種のことを実行できる企業としての先行事例になるということも意味します。
つまり今後は、必ずしも中国企業との間だけでなく、米国の企業からも、安心してオラクルのクラウドにデータを置き、そのデータ上で安全にAIエージェントを使用できると感じるような、同様の取引が増えていくのだと思います。
[ジュリー・ハイマン](Yahoo Finance)
先ほどお話に出たように、お持ちのETFにおけるオラクルのポジションは比較的小さいとのことですが、どのようなことがあれば、より大きなポジションにする必要があるとお考えですか。
[イヴァナ・デレフスカ](Spear Invest)
私たちは、オラクルの企業向けのAIエージェントサービスに注目し、どのようにそれをスケールアップできるかを見極めています。私たちが考えるポイントは、大きな設備投資数字に対して、投資家が期待している部分もある一方で、既にOracleプラットフォームにデータがある企業に対し、アセット・ライト型のビジネスモデルとしてのAIエージェントサービスをどのように提供できるかどうかという観点です。これについては非常に興味深いストーリーになり得ると考えています。
ただ、まだ証明すべきことが多いのも事実です。彼らは前回のクラウド・サイクルでは失敗しており、今まさに多くのイノベーションが進んでいる中で、それを活かして再び加速してシェアを取り戻せるかどうかの岐路に立っているからです。 しかし、その面で何らかの進展が見られれば、私たちはより安心してポジションを増やせるようになると考えています。
[ジュリー・ハイマン](Yahoo Finance)
興味深い話ですね。注目すべきですね。
では話題を変えて、私たちが注目しているもう一つの大手ハイテク企業のストーリーについてお話したいと思います。それはマイクロンで、火曜日の取引終了後に決算を発表する予定です。
先週は12営業日続伸し、金曜日にようやくその連勝が止まりました。これは株価の記録的な動きでした。ですから、明らかにこの決算に向けて期待が高まっています。彼らは期待に応えられると思いますか。

[イヴァナ・デレフスカ](Spear Invest)
ジュリー、彼らは確実に成果を出すことができるでしょう。問題は、期待を上回るかどうかという点です。ご指摘の通り、株価はかなり上昇しています。彼らは8月に予告を出しており、それによって投資家が予想する大幅な好決算が期待されています。
現在、私たちは期待が少し高すぎると感じているので関与はしていません。しかし、データセンター業界全体を見てみると、今期はどの企業も好調な決算を発表しています。そのため、もし株価が調整されることがあれば、それは投資家にとっては良い買い時となると思います。

[ジュリー・ハイマン](Yahoo Finance)
そうですね、大手ハイテク企業の状況や、たとえそれが本業でなくても、各社がどのようにAIを収益化しているかという話をすると、マイクロンは興味深い銘柄といえます。同社の広帯域メモリチップは、まさにそのAI市場に販売されていますので。
[イヴァナ・デレフスカ](Spear Invest)
その通りです。そしてさらに興味深いのは、性能向上の多くが、実はメモリとネットワーキングからもたらされているということです。だからこそ、今年は多くのネットワーキング関連銘柄が好調で、メモリも同様です。AI関連の取引でGPUからより良い性能を引き出すためには、メモリが非常に重要な要素になります。
[ジュリー・ハイマン](Yahoo Finance)
半導体について、より広い視点ではどのようにお考えですか。AIのおかげで、私たちは今、半導体サイクルのない世界にいるといえるのでしょうか。以前は、半導体は、価格と需要の面できわめて周期的なビジネスでしたが、半導体投資家は、もはや同じことに心配する必要がなくなったのでしょうか。
[イヴァナ・デレフスカ](Spear Invest)
ハードウェアは、その発注や導入の仕方から、常に非常に周期的であり続けると思います。しかし、これほど強力な追い風があり、長期的な強気市場の非常に早い段階にあるときは、これらのサイクルは実際には緩和されます。例えばNVIDIAでは、HopperアーキテクチャとBlackwellアーキテクチャの間で、一方を立ち上げ、もう一方を縮小するという点で、いわば少しの間がありました。しかし、それは決算に影響を与えるほど大きなものではありませんでした。通常であれば、減収する四半期が見られるような場面です。世代交代があったにもかかわらず、数字の上での後退は実際には見られませんでした。私たちはこの長期的なトレンドのまだ初期段階にいるので、このような状況は今後2~3サイクルは続くと考えています。そしてその後に、より顕著な周期的トレンドが見られるようになると考えています。
[ジュリー・ハイマン](Yahoo Finance)
あなたのETFの保有銘柄トップは、アステラ・ラボですね。半導体関連の会社だと思いますが、なぜNVIDIAよりも大きなポジションを保有しているのでしょうか。
[イヴァナ・デレフスカ](Spear Invest)
私たちは、関税への懸念から皆がパニックになった後、夏にかけての株価の調整局面で、アステラ・ラボのポジションを大きく積み増すことができました。それが現在、これほど大きなポジションになっている理由です。
彼らはネットワーキング分野における重要なプロバイダーです。先ほどマイクロンのメモリについて話しましたが、彼らはネットワーキング側のプロバイダーであり、NVIDIAのような顧客へのサービス提供だけでなく、Amazonや多くのクラウドサービスプロバイダーに直接サービスを提供するなど、複数の顧客からシェアを獲得しており、非常に良い位置につけています。顧客基盤を拡大し、新製品を投入していることで、決算と売上の数字に大きな変化をもたらしているのです。
(3)オリジナル・コンテンツ
オリジナル・コンテンツは、以下リンクからご覧になれます。
尚、本投稿の内容は、参考訳です。また、意訳や省略、情報を補足したコンテンツを含んでいます。
Yahoo Financeより
(Original Published date : 2025/09/22 EST)
[出演]
Wolf Research
アレックス・ズーキン(Alex Zukin)
Managing director and head of software research
Spear Invest
イヴァナ・デレフスカ(Ivana Delevska)
Founder in CIO
Yahoo Finance
ジュリー・ハイマン(Julie Hyman)
(4)関連コンテンツ
御礼
最後までお読み頂きまして誠に有難うございます。
役に立ちましたら、スキ、フォロー頂けると大変喜び、モチベーションにもつながりますので、是非よろしくお願いいたします。
だうじょん
免責事項
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