【エッセイ】道路に向かって駆けていく女の子。
仕事終わりの夕方18時、わたしは出先から家に直帰していた。
いつもと違う電車に乗り、ゆらゆらと揺られながら、まだ始まったばかりの月曜日を通り過ぎていた。
電車を降りると、同じ駅で降りる、同じく仕事着姿の大人たちで溢れかえった。
踏切を渡り、押し流されるように改札を出て、道路を渡ってすぐ小さな脇道に入る。
雨が降りそうで降らない、どんよりとした曇り空。小さい子連れの親子が目に入った。
白髪混じりの父親と思しき男性と、3歳くらいの活発な女の子。
その小さい子は細道で駆け回っていて、
その無邪気な笑顔は、ほんの一瞬だったが月曜の憂鬱を乗り越えた私にとっての癒しだった。
その親子を横目に、わたしは道路に面したセブンイレブンに炭酸水を買いに行こうとした。
その時である。
小さい女の子はじゃじゃ馬のように、保護者の静止を振り切り、わたしを通り過ごしてセブンイレブンに走っていった。
保護者はその小さい子を声で呼び止めてるが、自分は動いていない。
しかし、女の子はセブンイレブンに走っていく。
"道路に面した"セブンイレブンに。
その保護者のもとを離れ、セブンイレブンまでのダッシュの時間はおよそ10秒間だっただろう。
私はこの何気ない10秒の間に、実はものすごい頭を回転させて葛藤を感じていたのである。
3歳くらいの女の子、判断能力は大人のそれではない。
考えたくはないが、そのまま道路に突っ込んでいく可能性も十分ある。
なにせその道路は幹線道路の抜け道として使われており、夕方は仕事帰りの車が多い。
女の子はそんなことを気にも留めるはずもなく、駆けていく。
わたしは、そのままセブンに入ってくれ、頼むから入ってくれと願いに願って、その女の子を目で追っていた。
保護者は呼び止めるだけで走って止めに行くつもりはないらしい。
今どきの親はという言葉は使いたくない。
むしろ、昔の親の方が放任的?
わたしだったら絶対全力で止めに行く。
それは過保護なのか、心配性なのか。
自分の子供なら絶対走って捕まえて、「危ないでしょ!」と言うと思う。
でもそれは共通の考えというわけでもどうやらないらしい。
目で子供を追いながら、
私がもし捕まえにいったら変な人扱いされるだろうか。などと、そんなことを考えてる自分がいる。同時に、絶対に道路に突っ込んでいかないでくれ。と。
そんな長い10秒間が過ぎ、女の子は鮮やかな急ターンをしてセブンイレブンに入っていった。
私は安堵した。
しかし同時にもし、女の子がそのまま道路に出ていたら、自分は絶対後悔するだろうと、何とも形容しがたい感情を覚えた。
保護者はなんとも思わなかったのだろうか。
結果的に何も起こらなかったが、私は結構ヒヤヒヤした月曜日となった。
みなさんはどう感じられますか?
私が心配性なだけでしょうか。
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