社会科教員になって感じる「海外旅行で行ってよかった場所」その3
本記事では以下の4つの視点から、私が社会科教員になって感じる「行ってよかった場所」について紹介します。
① 社会科の授業で活用できる写真や動画を
撮影できた
② 色々なエピソードを語れるようになった
③ 教材として使える資料(お金・パンフレット・
お土産など) をたくさん入手することができた
④ 以上の①~③を活用して授業を行った時に
生徒の反応がとてもよかった
▽1~4はこちらの記事で紹介しています▽
それではいきましょう!
5.赤道博物館・赤道記念碑
訪問日 :2018年8月27日
旅行形態:1回目の世界一周旅行で訪問
交通手段:ワンワールド世界一周航空券を使って
キトへ移動、そこからローカルバスで
博物館・記念碑へ移動
役に立つ授業
地理分野
「高山気候」「いろいろな国の国名と位置」
「緯度と経度」「世界の農業」
5つ目はエクアドルの首都キト郊外にある赤道記念碑と赤道博物館です。
赤道記念碑(世界の中心記念碑)は、教科書にも写真が掲載されており、「エクアドル」という国名のもとになった、と説明されています。また、入場料を支払って中に入ると、カカオとチョコレートについてスタッフの解説を聞きながら学習できるエリアもあったので、熱帯の農業(カカオの生産)について知ることができます。
以下、赤道記念碑の写真を授業で使用するときの流れを少し再現します。



Nって書いてある方が…どっち?北半球だね!


ここからどうやってチョコレートになるんだろう?

どんな味だと思う?
実はメチャメチャ苦くてびっくりしちゃった…

チョコレートっぽくなるんだ

赤道で1年中あたたかいから米もつくっているんだね

あのフルーツがつくれるはず…
そう、バナナ!
ホテルの朝ごはんで食べ放題だったよ
とここまで熱く語っておきながら、
実はココ、全部ニセモノでした!
赤道から少しずれているんです!
まさかの教科書が嘘をついています!
という衝撃の事実を伝えるのが、おきまりのパターンです。
ということで赤道記念碑から歩いて5分くらいのところにある赤道博物館の話へ進みます。



たぶんみんな日本ではできないでしょ~

渦のでき方も色々変わってくるよ
北半球はこんな感じ、南半球はこんな感じ、赤道では…
不思議だね!
写真で写っているこの場所を境に上半分(北半球)と下半分(南半球)に分かれているということ、そして赤道上でのさまざまな実験が生徒の興味をひきつけます。印象に残っている生徒の反応としては「赤道を軸に反復横跳びしたら面白そう」「北半球と南半球で他に違うことってないのかな」ということが挙げられます。
6.アウシュビッツ強制収容所
訪問日 :2019年2月23日
旅行形態:通常の海外旅行
交通手段:JAL特典航空券で成田⇔ヘルシンキ
ヘルシンキ⇔クラクフはフィンエア
日本語ガイドの中谷さんに案内して
もらいツアー形式で見学
役に立つ授業
歴史分野
「世界恐慌」「第二次世界大戦」
公民分野
「民主主義」
ナチスドイツがユダヤ人を大量虐殺した場所として、中学校の歴史の授業で必ずといっていいほど学習する場所です。教科書にも重要用語(太字)として本文に載っていますが、あまり写真は載っていないです。ほとんどの社会科の授業では資料集やDVDを見せて感想を書かせる、くらいで終わってしまうと思います。
しかし、アウシュビッツ強制収容所を実際に訪れると、それだけで終わってはいけないんだと強く感じます。実際に訪れてたときの中谷さん(日本語ガイド)の話や収容所内の生々しい資料の数々を見たり聞いたりしたときの心と頭にガツンとくるあの衝撃は今でも忘れられません。歴史を教える立場として、教員になる前からここは絶対に訪れるべき場所だとずっと思っていました。幸い、大学院生時代に訪れる機会があったので、本当によかったです。


何でこんなところに?

いったい何人分あるんだろう?


シャワールームだと騙された多くの人が
苦しんで亡くなった

これだけで1日働ける?
もし働けなかったらどうなったと思う?

ここでも多くのユダヤ人が殺されたんだ

右のニヤニヤしているのはドイツ人?
じゃあ真ん中の黒い服を着た偉そうな人もドイツ人?
実は…

モニターで中を見せたり、
言葉を引用してプリントに載せています
アウシュビッツ・ビルケナウでの写真、そしてお土産として購入したパンフレットを見せたときの生徒の表情は引き締まっていました。一方的に解説するだけではなく、じっくり見てもらう時間を確保しました。
また、歴史で学習してから数ヶ月後に公民の「民主主義」について学ぶ機会があるので、もう一度アウシュビッツ収容所の話をします。そこでは「民主主義の欠点により、ナチスが台頭し、あの悲劇がおこってしまった」という展開になるよう工夫しています。
私自身がホロコーストについて、深く考えることができましたし、生徒もただ資料集やDVDを見るだけの授業よりも、過去の出来事を真剣に受け止め、さまざまな角度から考えることができたと実感しています。
7.板門店(DMZ)
訪問日 :2017年8月30日
旅行形態:通常の海外旅行
交通手段:LCC(ピーチ)で羽田⇔仁川
ソウルからツアーに参加
役に立つ授業
地理分野
「韓国」「いろいろな国境」
歴史分野
「朝鮮戦争」
「実は私、北朝鮮に行ったことがあります、5分だけ」という説明とともに紹介することが多い場所です。生徒の間では良くも悪くも「北朝鮮」という国とその指導者の認知度が高いので、話が伝わりやすいです。
韓国と北朝鮮の境目をはさんだ約4kmのエリアをDMZと呼び、その中で唯一北朝鮮側の人間と韓国側の人間が接触できる場所が板門店です。
以下、板門店(DMZ)の写真を授業で使用するときの流れを少し再現します。







これがないと敵とみなされて銃で撃たれるらしいよ…

この建物に5分だけ入れるんだ

真ん中のテーブルが境目だからここを超えると…


マネキンみたいにピクリとも動かない…
ソウルから約1万円のツアーで訪問することができた板門店ですが、コロナ禍以降は板門店への一般観光客向けツアーは中止され、第3トンネルや北朝鮮が見える展望台などを訪問するDMZツアーのみ、催行されているそうです(2025年12月現在)。
韓国の文化が好きな生徒(とくに女子)も多いので、板門店以外のDMZツアー参加やソウルの観光だけでも、行く価値大です!
その4 へ続きます
