2026年2月 西安旅行-4
2026年2月20日(金)
華山行きのバス
この日は華山旅行の日だ。事前に携程旅行(trip.com)で西安市内からの高速バスとロープウェイを含めたチケットを購入しておいた。説明には「宿泊するホテルの情報を入力しておくと、朝6:50-7:30頃にホテルに迎えが来る」と書いてあったが、前日夜22時頃に電話がかかってきた。曰く「朝8:30に迎えに行く」とのことだった。春節の混む時期に出発時間をわざわざ遅らせるとは...妙だな...と思ったが、詳しく話を聞く語学力も無いので大人しく従うことにした。また、当日のバス乗車の際の点呼用として微信のグループが送られてきたので、「まぁどうにかなりそう」感が出てきた。グループには5人程しか入っていなかったので、意外と少人数のツアーなのかもしれないと思った。
そして8:30、確かにバスが来た。意外にもしっかり大型バスだった。ガイドさんはJ.Y. Parkによく似た、語尾に「〜〜没」が口癖のぶっきらぼうな兄ちゃんだった。
参加者の居るホテルを順番に回って20人くらいを乗せた段階で、彼から英語/中国語で今回のツアーの状況について説明する文章を見せられた。外国人である我々にも必要な情報を与えようと気遣ってもらえたのは非常に助かった。
しかし内容はかなりシビアなもので、「実はまだチケット取れてなくて...16時頃までチケットが手に入らなかったら登れないかも。もし嫌ならここでキャンセルしても良い」というものだった。また、元々西峰から登って北峰から降りるルートで予約していたが、時間がないので西峰から登って西峰から降りるルートに変更することを勧められた。春節なので仕方ないと考えて、差額を支払ってこの2つの提案を受け入れることにした。(当日にバス乗ってから言うなよ、とは思ったが...)

その後、ガイドさんが中国語でバスの乗員全員にアナウンスする。激怒する乗客もいるのでは、と思ったけれども、意外と皆静かに聞いていた。数人が挙手して質問して、ガイドさんがそれに回答するやりとりがあっただけだった。1組か2組はキャンセルを選択してバスを降りて行った。その際、我々が外国人であることを察した親切な方が「ガイドの説明を理解できたか?本当に降りなくても良いのか?」と英語で話しかけてくれた。思わぬ善意に触れて嬉しい気持ちになったことを覚えている。ここで改めて、参加者全員の微信グループが作られて、バスが出発した。どうやら全員が西峰の往復コースに変更したらしかった。
12時前後に麓のビジターセンター(华山游客中心)に到着した。大量の観光バスが駐車されているドライブインみたいな施設で、飲食店や休憩所、土産物屋さんがあった。北峰、西峰のロープウェイ駅までは、ここから専用のバスに乗って行く必要がある。(自家用車では行けない)
チケットが取れるまでここで休憩とのことで、適当な店で小籠包を食べて時間を潰した。
意外と早く、12時半ごろに微信グループに集合の号令がかかった。ロープウェイ駅までの専用バスシャトル乗車券(片道)、西峰ロープウェイ(往復)、あとはロープウェイ駅のバス乗降場からロープウェイまでの間で乗れる移動用ローラーコースター(往復)のチケットを貰った。ガイドさんはどうやらここまでしか来ないらいしく、「降りてきたらここで待ってるから声かけてね」とのことだった。

ロープウェイ駅までのシャトルバスは常時ピストン輸送しているようで、常時満席ではあるがそれほど長時間並ぶ必要はなかった。少しだけ並んで、乗車したのが13時過ぎだった。ビジターセンターからロープウェイ駅までは20kmほど離れていて、30分以上かかる。山の麓の田舎の景色をを眺めるのがなかなか楽しかった。一般車を規制するゲートを通過した後は民家も無く、十九折の高規格山道をひたすら駆け上る。ロープウェイ駅のターミナルに到着したのは14時前だった。この時点で岩山に囲まれた秘境めいた場所で、この場所にそれなりの広さのバス用駐車場を作ったことにも感心した。


そしてここから、ひたすら並んだ。まずエントランスゲートで10分ほど並ぶ。移動用のローラーコースターも並んでいた。地図を見て、これ歩いた方が早いやろ...と思ってチケットを使わずにスルーしたが、このローラーコースターに乗ってしまえば少しだけ後述の行列セクションをスキップできるようだった。ただ、混雑のためこちらも乗車規制がされているようで、時々空気輸送ばかりしている時間もあった。普段はさすがにこれに乗った方が早いだろうが、今回ばかりはどちらが正解かわからなかった。
エントランスゲートを通過した後、何個かのセクションに分けて合計2時間ほど並ぶことになった。行列が長いのは確かにキツいのだが、それでも人の流れがちゃんと管理されているのが好印象だった。並んでいる間にちょこちょこ売店があったり(というか行列に物売りが寄ってくる)、セクションの継ぎ目にトイレがあったり、階段部分で行列が発生しないようにゲートが開閉されたりする。面白いな、と思ったのは、長い長い順路のほとんどがフェンスを使った細い道になっていて、「順番抜かしを発生させない」という管理者側の強い意志を感じるところだった。意志の弱い自分には非常にありがたい仕様だった。
16時になって、やっとロープウェイ駅の建物に入れた。電光掲示板には「20時で停止します」と恐ろしいことが書いてあった。誰かがチャットでガイドさんに質問したところ、「客がいる限り止まらないから心配するな」とのことだった。そして、ロープウェイに乗車できたのが16時20分ごろだった。
華山西峰ロープウェイと山の上
このロープウェイが本当に凄かった。まず、長い。山頂駅まで15分弱かかる。そして、とんでもない場所に柱が立っている。よくぞこんなところに通したな、と感嘆するしかなかった。そして何より、このロープウェイから見る絶景は本当に素晴らしかった。途中の山を越えて眼前いっぱいに華山西峰の全景が広がる瞬間は感動的だった。この時点で「ここに苦労して来る価値があった」と確信を持つことができた。


16時33分、ゴンドラは岩肌に穴をあけて作られた山頂駅に到着した。山の上の混雑は下界に比べれば大したことはなく、快適だった。德克士、沙县小吃などの飲食店があるほか、トイレやゴミ箱などもしっかり充実していた。観光地におけるこういう設備の量の充実具合は、この国の良いところだといつも思う。(トイレ設備の質で言うとやっぱり日本に劣るけれども...)
まず、ロープウェイ駅すぐそばの西峰山頂を目指した。ここには寺院と道観(修行者向けの施設)に由来するっぽい宿泊所があった。この鋒から眺める山々の景色も良かった。空気が霞んでいるために、重なる山々が水墨画のような濃淡を持っていた。

西峰を後にして、少し歩いて最高峰の南峰に向かった。道中、いたるところに真っ赤なリボン(黄色で何かめでたい言葉が書いてある)が結ばれていて、これもまた中国らしくて良かった。僕も麓でガイドさんに手渡されたので、そのへんに結んでおいた。南峰はそれほど遠くなく、17時45分頃に登頂できた。この空間は下界を思い出す人の多さだった。
ここで、妻からの提案で道中ずっと無視してきた写真屋さんのキャッチに捕まって写真を撮ってもらうことにした。A4をその場で印刷して、ラミネートして渡してくれて、デジタルデータもその場で渡してもらえる。何枚か印刷してもらったら200元くらいした。今思えばめちゃくちゃ高い。
この時点で18時になっていた。有名な长空栈道(崖ぎわに張り付くように作られた板張りの登山道)など、他にも見所はいくつかあるが、ここで引き返すことにした。これだけ山上に人がいれば自分が帰れなくなる心配はもう無かったが、何よりここまでの絶景で十分満足できたことが理由だった。

改めて見ると凄い場所を歩いている

帰りのロープウェイも並んだが、行きに比べると大したことはなかった。1時間程しか並ばなかったはずだ。帰りのロープウェイは真っ暗で、景色を楽しむことはできなかった。それよりも、近くに座っていたご婦人の体調が悪そうで気が気でなかった。麓のロープウェイ駅に到着した時点で19時30分頃になっていた。
そこからローラーコースターでバス乗り場まで移動する。まあちょっとは楽しいけど、別に乗らなくても良いと思った。バス乗り場で、ビジターセンターまでの帰りのバスチケットを購入して、帰りのシャトルバスに乗った。乗車後、車内の照明が落とされて「スマホを見るな」みたいなアナウンスがあった。疲れてる人が多いため配慮があったのだろうと思う。山道の車窓から街を見下ろすと、そこかしこで春節を祝う小さな打ち上げ花火が上がっていた。遠くから見ていると、視界のどこかで常時2、3個の花火を捉えることができて、面白い光景だった。
20時30分ごろ、ビジターセンターに到着した。ここでガイドさんを見つけて声をかけると、「15分後出発のバスがあるからそれに乗りな」と整理券を渡してくれた。どうやらこの会社は大量にツアーを挙行していて、市内に帰るバスは随時乗れるようだった。たぶん説明があったのだろうけど、これについてはしっかり理解していなかった。ビジターセンターでツアーのメンバーを待つものとばかり思っていた。
また、使わなかったローラーコースターのチケットは返金してもらえた。21時過ぎにバスに乗って、市内に到着したのは23時頃だった。山の上での活動時間は短くなってしまったが、戻って来る時間を考えたら英断だったと思う。
微信グループのチャットはまだ動いていて、日付が変わってもガイドさんが回答していた。どうやら山頂での動き方次第では、また帰りのロープウェイの大行列に巻き込まれてしまうようだった。この時間にビジターセンターとなると、市内に戻って来るのは2時近くになってしまっただろう。恐ろしい...
醉秦怀陕西名小吃(西安新世界时尚广场店)
バスを降りて、近くでまだ営業している𰻞𰻞面屋さんに入った。こんな時間でも店内はしっかり混雑していた。
油泼𰻞𰻞面(22元)
食べにくいくらい幅広い麺に唐辛子がいっぱいかかった西安名物の汁なし麺。もちろん辛いけど、意外とトマトの存在感がある味だった。
岐山臊子面(21元)
辛酸っぱいスープに浸かった稲庭うどんみたいな太さの麺。野菜と肉が細かく角切りになっていて、ちょっとカップヌードルみたいだと思った。



