見出し画像

【資産形成の考え方】 「オルカンかS&P500か」ではなく、「投資をするか、しないか」を決める [第37回] (noteマネー採用記事)


今は、投資を始めるハードルが下がったと言われていますが、それでも 
  ”投資をするか、しないか”
  ”新NISAを始めるか、始めないか” 
  ”オルカンか、S&P500か” 
  ”暴落が来たらどうするのか”  
  ”これからの社会情勢はどうなるか”
といった幾つもの質問が立ちはだかり、一歩を踏み出せない人がたくさんいます。

私は、これからの不安定な社会で生きていく上で投資は「必須」だと考えています。

今回は、新NISAなどの情報も全て排除して、同じ条件でオルカンと定期貯金に積立をした場合の比較をしました。これはつまり、投資をするか、しないか、の比較です。

この比較により、未来の見え方が変わってくるのではないかと思います。


同じ会社に同期で入社した20歳のAさんとBさんが、毎月同じ金額を貯めていきます。そして、2人とも65歳に定年を迎えるまで積立を続け、定年後はそれまでに貯めた資産と、年金で生活していきます。
違うのはAさんは投資をして、Bさんは定期貯金をする、という事だけです。

この2人の未来に、どのような差が出るのでしょうか?

そして、この結果を見て、皆さんはどのように感じるでしょうか?

「暴落が怖い」という声もありますが、このシミュレーションは70年(20歳〜90歳)という超長期を想定しています。

歴史を見れば、S&P500の積立投資をどのタイミングで投資を始めても、15年以上継続すれば、95%以上の確率で収支がマイナスになることはありません。15年をはるかに上回る70年という歳月があれば、何度も暴落を経験しながらも、最後には平均値へと収束していきます。S&P500の長期的な平均利回りは年率約7〜10%です。これは、S&P500をオルカンに変えても同じになると考えられます。

もし70年の間に、第3次世界大戦などが起これば未来は変わりますが、その場合はどのような方法を取っていても資産形成の意味自体がなくなります。

1. 2人の歩み(共通の積立ルール)


2人とも貯蓄により生活に大きな支障が出ない範囲で積み立てています。

  • 20代:月1万円(まずは無理なく開始)

  • 30代:月2万円(少し余裕が出てきた)

  • 40〜59歳:月3万円(働き盛り、教育費と両立)

  • 60〜65歳:月1万円(定年を見据えて調整)

  • 45年間の積立元本:1,152万円

Aさんは「全世界株式(オルカン)」、Bさんは「定期貯金」を選びました。

2. 資産残高の比較:65歳から90歳までの「出口」


下に示すのが、2人の年齢ごとのの資産残高です。

年齢別の資産残高


定年の時点で、同じ仕事をしているAさんとBさんの資産額に、3倍近い差が生まれています。

そして、2人とも定年後に積立をやめますが、運用を続けながら切り崩すAさんと、毎月10万円ずつ切り崩すBさんでは、その後の生活状況は大きく変わっていきます。

3. 老後に「使えるお金」の圧倒的な差

66歳から、2人は公的年金(月約23.7万円)に、自分の資産をプラスして生活します。

  • Aさん:資産の4%を毎年取り崩す(運用は継続)

    • 月々34万〜37万円を使い続けられます。

    • 驚くべきは、「お金を使い切るどころか、90歳時点で4,000万円以上の資産が残っている」という事実。長生きすればするほど、豊かさが増していきます。


  • Bさん:毎月10万円を定額で取り崩す

    • 75歳までは月33.7万円で生活できます。しかし、元本を削るだけの貯金は、76歳で枯渇し、底をつきます。

    • 76歳以降は月23.7万円(年金のみ)の生活。人生の最終盤で、月10万円の「生活ランクダウン」という現実が待っています。


5. 結論:私たちはどちらの道を選ぶか

AさんとBさんの差は、才能でも努力でもありません。「70年という時間を、複利の力に預けたか、眠らせたか」、ただそれだけです。

制度の細かい知識も、社会情勢の予測も、一歩を踏み出さない理由にはなりません。

   リスク回避のために「投資をしない」と考える人
   「投資をしないことがリスク」と考える人

      どちらを選択するかは、その人次第です。


投資は、「生活に支障が出ない範囲」で長期で取り組めば良いのです。

自分の資産に「エンジン」を積むか、それとも「重り」として置いておくか。その決断が、あなたの90歳を「4,000万円の貯金と心の平安」に包むのか、「年金のみの不安」にさらすのかを決定づけるのです。


※本データはシミュレーションであり、将来の成果を保証するものではありません。しかし、数学が示す長期投資の「確実性」こそが、私たちが一歩を踏み出すための最大の根拠になります。



あわせて読みたい



(もし今回の記事が少しでも参考になりましたら、下部にある『チップで応援する』より応援をいただけますと幸いです。いただいたサポートは、今後の分析環境(AIツールやデータ集計システム)の維持・向上のための資金として大切に活用させていただきます。今後とも Liberal Doctor をよろしくお願いいたします。)

いいなと思ったら応援しよう!