自称丁寧な暮らし家、無職転生にハマり、ピザを注文 無職生活 145~149日目
破滅の刃での死闘を終え、燃え尽きる
夏休みが終わり、子どもたちが学校へと戻った。
私だけでなく、夫もまた燃え尽きていた。
夏休みという鬼と戦い終えた、私たちはいわば同士だ。
私たち夫婦の「楽しい無職生活」をことごとく乱してくれた夏休み。
破滅の刃、前章~後章を読んでくださる方は☟
最初は、互いに支え合って「これからのこと」を真剣に話し合った。
生活費をどうするか、次の一歩をどう踏み出すか。
しかし、もうすぐ半年。
状況は好転しているような、していないような。
引き寄せの法則か何か知らないが、
とにかくラッキーに生きていることは事実だ。
私は彼を励まそうと、そして自分を奮い立たせるために、
家事や子どもの世話を完璧にこなそうと、
「丁寧な暮らし家」という名の羽織を身につけていた。
手作りのパンを焼き、
梅干しを漬け、
酒種や塩こうじを作り、
新生姜を漬け、
ぬか漬けをかき混ぜ、
玄関には花を飾る。
それは、今の私が
「ちゃんとしている」ことを証明するための、
ささやかな抵抗だったのかもしれない。
夫婦それぞれの現実逃避
夏休みが明け、子どもたちをゲームやスマホに預け、
私は寝室へとこもった。
とにかく疲労困憊だった💦
手にしたのは、何気なくダウンロードした無料の漫画アプリだ。
数ある漫画の中から、なぜか強く惹かれたのが
「無職転生」系という異世界転生モノだった。
現実世界では無職で引きこもりの主人公が、
剣と魔法の世界で新たな人生をやり直す物語。
社畜女子がリストラ後モブ令嬢に転生し、
イケメンの侯爵に溺愛される話。
それは、今の私にとって、
あまりにも甘く、
そして魅力的な現実逃避だった。
無料で読める1話を次々と読み漁る。
有料になるところで諦めるを繰り返す。
たぶん、余計に脳が疲れたのだろう・・・
起き上がるのすら面倒だった。
読む話がなくなると、曼荼羅アートを生成し、
SNSでくだらないことをつぶやき、
他者とのつながりを実感する(;´Д`)
病む前に行動しなくては!!!
心と体が協力しなかった。
一方、夫はリビングで、ずっとiPadやスマホを眺めていた。
お笑いや好きな映画を観てリラックスしているそうだ。
鬱病とも長期戦になっているその表情はどこか疲れていた。
目の前の厳しすぎる現実によく耐えているなと感心する。
私たち夫婦は、同じ屋根の下にいるのに、
それぞれの「異世界」へと旅立っていたのだ。
「無限城」冷蔵庫と共同戦線
「お腹すいたー、今日のご飯は?」
寝室のドア越しに、子どもたちの声が聞こえた。
午後五時を過ぎていた。
重い体をなんとか起こし、リビングへ向かう。
夫も、iPadから目を離してこちらを向いた。
二人の視線がぶつかる。
そこには
「ごめん、今日は無理やわ。」
という言葉と、
「言わんでも、分かってんで。」
言葉が、音もなく交わされていた。
そして、二人で「無限城冷蔵庫」の扉を開けた。
中には、一等地を占領する調味料の瓶やドレッシングがあるだけで、
食材は底を尽きていた。
昨日、SNSで
「今日は一粒万倍日だから、お米を買いに行くのにいい日」
という投稿を見たのを、夫も知っていたはずだ。
しかし、彼も私も、そのチャンスを逃してしまっていた。
お互いに何も言わなかったが、
同じ敗北感を共有していることが分かった。
「もう、今日は、ピザにしよか…」
どちらからともなく、そう呟いた。
いや、もしかしたら、二人の心の声が重なり合ったのかもしれない。
無職夫婦が、一食で数千円もするピザを頼むなんて、
贅沢すぎるのではないか。
今まで「丁寧な暮らし家」を自称してきた私が、
こんなに簡単に諦めていいのか。
自分を責める葛藤が、
無限城での戦いのように、
心の中で始まった。
二人の「転生」
数分間の葛藤の末、私たちはとうとう降伏した。
私はリビングのテーブルに座り、
夫はスマホで宅配ピザのサイトを開いた。
メニューをスクロールしながら、
お互いに無言でピザを選んだ。
夫が注文ボタンを押す。
その音は、私の心に深く染み渡った。
そして、夫もまた、どこか安堵した表情を浮かべていた。
「明日から、また頑張ったらええねん。」
そう思えたのは、ピザのせいなのか、
それとも、この長い戦いが終わったからなのか。
宅配のインターホンが鳴り、
子どもたちが歓声を上げる。
扉を開け、ピザを受け取る。
湯気を立てるピザの匂いは、
私たち夫婦にとって、
今まで嗅いだどんな香水よりも、
幸せな気持ちにさせた。
ピザを見て、曼荼羅アートを思い出してしまうのは、
私がそれだけ曼荼羅アートに沼っているからだろう(^^♪
私たちは、無職転生の主人公が、
異世界で初めて経験する冒険のように、
新しい人生の一歩を踏み出したのかもしれない。
このピザは、私たち夫婦にとって「転生」の儀式だったのかもしれない。
ただ、疲れ果ててピザを頼んだだけの日。
久しぶりのピザはとても美味しく、幸せな気持ちになった。
「今日も一日、ありがとうございました。」
心の中で感謝した。
「明日から、また、新しい世界で生きていこう。」
「お互いに支え合いながら、楽しく生きよう。」
そう強く誓った無職生活149日目( *´艸`)
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