足音でわかる父の機嫌 🔥5
その家は、冷たく、重かった。
そこにいるだけで、
心臓が飛び出しそうになる。
ドスッ…ドスッ…
その音が聞こえた瞬間、
私はすべてを止める。
息も、動きも、思考も。
足音でわかる。
——父だ。
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高校生になっても、私はひとりで変わった遊びをしていた。
部屋でひとり、心の中で遊ぶごっこ遊び。
「突然雨が降ってきましたー!」
机の上のすべてのものを屋根付きの場所に避難させる。
消しゴムも、鉛筆も、ノートも。
ひとつ残らず、雨から守る。
くだらない遊びだった。
でも、私は真剣だった。
全員屋根付きに置けた時の小さな達成感が、楽しかった。
────
その時、1階から音がした。
ドスッ…ドスッ…
手を止め、息を止める。
音の先を凝視する。
足音でわかる。
父だ。
私はゆっくりと避難中のノートを元に戻し、
窓際にそっと後ずさった。
殴られる音に聞こえた。
私の部屋は2階、階段を上がってすぐの場所。
2階の部屋に行くには、私の部屋の前を通る。
体が固まる。
胸の奥が、極限まで細くなる。
息が苦しい。
手のひらは冷たく、肩や背中は石のように重く固まる。
心臓は頭の中まで響くように打つ。
鼓動に合わせて、体が小刻みに震える。
バァン!
扉が乱暴に閉まる。
体が跳ねた。
部屋の物陰に隠れ、動かない。
トントントン
父の足音とともに、かすかな声。
「くそっ」
「しょうもない」
小さくても、私にははっきりと聞こえた。
これは、私に向けられた言葉。
音の強弱も関係ない。
体に直接、殴られているように響く。
条件反射で体が反応する。
背中の毛が逆立ち、手足が震える。
呼吸は乱れ、吐き気が込み上げる。
父が階下に降りるまで、
私は呼吸を忘れ、時間の止まった空間に
身を潜め続ける。
3日に1回だったそれは、2日に1回、
やがて毎日になった。
いつのまにか、それは”当たり前”になっていた。
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🫧この形の私

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この出来事を、別の視点で読む
▷ "雨が降ってきた遊び”をした理由(考察・無料)
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▶ ︎ 次の出来事へ(父の存在に恐怖を感じる🔥5)
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