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終末期在宅療養の準備をはじめた

母の退院が近づいてきたため、母が自宅で療養できるのかということが本格的な悩みになっていた。

一度にできることは限られているが、ひとまず今日思い付いたことを実行することにした。

介護ベッドを手配する。

母のかかりつけ病院にいるケアマネさんに、ひとまず電話をしてみた。
介護保険の申請のタイミングは?申請前にベッドを借りられるのか?今入院中の精神病院にもケアマネさんがいるが、そちらとの調整はどうなるのか?など、ベッドに行きつく前段階の疑問が次々とわいてくる。ケアマネさんは、一瞬で全論点を把握して、全部こちらで調整しますと引き取ってくれた。

肝心のベッドについては、今の母では要支援のレベルと推定されるため、本来は介護保険でベッドを借りることはできないが、提携している業者さんが、介護保険と同等価格で貸し出しているベッドがあるとのこと。母は来週にも退院するかもしれないが、私は実家に常に滞在しているわけではないことを話すと、すぐに業者さんを手配してくれ、電話から30分としない内に業者さんが実家に来てくれた。

ベッドの置き場は、母の寝室にするか、明るいリビングにするか。それからいったん設置したのち、やっぱり別の部屋が良かったと思うようになったら、どうしようか。業者さんが、実家の間取りを見て、ベッドを置くなら、明るい場所がいいです、リビングはトイレとダイニングに近いしいいですよ、とアドバイスをくれた。明日には搬入できます、場所確保のための家具の移動も引き受けます、設置後のベッドの移動も請け合いますとのことだった。ひと月のレンタル料は1200円。安く提供いただけるのは、空いているベッドを遊ばせておくよりいいという経営判断があるらしい。

業者さんとひと通りの話が済んだ後、ひとりで準備を進める不安から、あれやこれやと不要不急の質問をして少し引き留めてしまった。

民間の介護サービスに申し込む。

地元の介護サービス会社に電話をしてみた。ここは少し前にパンフレットを取り寄せたところ。サービス開始前の段取りを聞いてみた。

段取り自体は、まずは我が家に来訪しての面談・説明、要望の聞き取り、そこからすぐにサービス開始というシンプルなものだった。
まずはお試し利用はできるか、いったん決まったスケジュールは状況に応じて変更は可能か、ヘルパーさんとの相性が悪いときにはどうしたらいいかなどなど、こちらも疑問が次々とわいてくる。

まずはお母様が受け入れてくださることが大切ですから、少しずつ柔軟に調整できます、との説明。ひとまず来週の私の帰省に合わせて、面談の予約をいれることにした。

他にも、ヘルパーさんに見守りをお願いするなら、どこで待機してもらうのか、とか、ヘルパーさんの食事はどうするのか、母と一緒に食べるのか、など細かいことが気にかかる。それに料金のことも。これらは面談の時に聞いてみたい。

ネット環境を整える。

我が家は地元のケーブルテレビ会社と契約をしている。これまで母が管理していたものだが、通信速度が異常に遅く、LINEでビデオ通話をしているとスマホが凍り付いていた。それに、時々、Wi-Fiがつながらなくなったりもする。

少なくとも通信環境を安定させる必要がある。何かあった時にスマホが使えないでは、どうにもならない。

ケーブルテレビ会社に電話で問い合わせたところ、我が家のネット契約は、最も安価な2Mbpsのコースだということで、母の倹約ぶりは私の想像をはるかに超えていたし、弟の無頓着ぶりにも驚かされた。

契約コースの変更と、ルーターの新調を申し込んで、ネット環境はひとまず改善の見通しが付いた。


母の同意を得る。

以上の手配を終えたのち、車の運転1時間、母の入院先へ赴き、内容について意見を聞いた。
概ね了解、ベッドの位置はリビングでいい。ただし、ヘルパーさんを家に入れることが不安な模様。家に他人がいるとくつろげない、と。最初は私も一緒に顔合わせから、サービスの内容・時間は自分で決められる、合わなければ解約もできる、と安心材料を提供してみた。ヘルパーさんは、ご飯だけ作ってくれたらいいかな、との返事。本当にそんなので一人過ごせるのだろうかとは思ったが、まずは慣れてもらうところから始めてみようと思う。

弟と共有する。

仕事から帰ってきた弟と、今日の首尾を共有。
弟は全てに同意。意見はない。居間にベッドを入れたら、母が退院するまでは自分がここに寝てもいい?と嬉しそう。母の療養よりも、ベッドに寝ながらの野球観戦に興味がある様子。それとも彼なりの明るい雰囲気づくりの気遣いか。まあ動きもしないのに、口だけ出されるよりは余程いい。

この直後に母から電話。ベッドは、やっぱり寝室にしたいとのこと。居間に置いてしまうと、いよいよ病人として昼間も寝たきりになるから、と。母が精神病院に入院してから初めての電話。それも自分の療養に前向きに。鬱からここまで回復してくれた。結局ベッド上の野球観戦はお預けになったが、弟に異存はない様子。

               *

母が衰弱したら、夜間のトイレの介助も必要になるかもしれないが、私達でできるかな、と聞いてみた。
そこまでなるなら、施設か病院に入るのが現実的じゃないの?と弟。母は家にいたいのにトイレのことで家にいられないのは酷ではないかと向けてみたら、確かに、と至極全うな返事をする。無神経なのか、無知なのか。弟の真意を探りながらのやり取りは、なかなかにきつい。
こればかりは、不確定要素が多いため、その時々で判断するほかないということで落ち着いた。


***


今日はひとまずここまで進んだ。一日中ずっと悲しいような寂しいような感情につきまとわれた。これが楽しい計画の準備であったなら。たったこれだけのことでかなり消耗してしまった。


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