【JSL初期指導】いきなり日本語を教えない!指導前に必ず確かめたい私の「3つの視点」
元公立学校教員のBERGAMOTです。
今日も来てくださり、ありがとうございます。
前回の投稿で国際教室(国際教室担当として)の大切なことを書きました。
同じ教材を使って進めようとしても、うまくいく場合とそうでない場合がありました。
もちろん、自分の経験不足が一番大きいのですが、それ以前に「その子を見ているようで見ていなかった」からだと気づきました。
そこで私は、数多くの失敗の中で「3つの視点」を見つけ出しました。それは「初期指導の羅針盤」のようなものです。
これらを知ることで教材の選び方、声掛けの仕方、学級や学校内でできるサポートが変わってきます。
以下に、私の考える「3つの視点」とその具体的な対応例を書いていきます。
この「3つの視点」は、私が実際の現場で指導計画を立てる時に考慮していたものです。これらを知ることで目の前の子どもにどうアプローチをしていけばいいのかという外枠が見えてきます。
これからどう計画を立てて指導していけばいいのか迷っている先生方の一つの指針になれば幸いです。
私が考える3つの視点
①転入してきた年齢(学年)
②英語の理解力
③母語の確立状況
①転入してきた年齢(学年)
低学年の子どもの授業では、まずは「学校は楽しい」「日本語を楽しく覚える」と思わせるために体を使ったゲームや活動を中心に進めていきます。
高学年の子どもの授業では、「楽しい」と思わせることが最優先ですが、ゲームを時々入れつつも教科学習につながる語彙や活動を進めていきます。
また、学級での友達との関わり合いのために、休み時間の過ごし方を学年に応じて支援します(鬼ごっこ、トランプゲームなど)。
②英語の理解力
身近な外国語である英語は、単語でも伝えやすいため日本語以外でのコミュニケーションが比較的取りやすいです。学級の中でも英語に興味がある、英語を習っている児童もいる場合があるので、学級内でも他の児童とのやりとりがしやすいです。
しかし、「英語」に頼りすぎて日本語を覚えない、意欲に欠けてしまうという場合もあるので英語をメインに進めていくのは初期指導だけにした方がいいです。
英語以外の外国語で生活をしている子どもには、「見せる」ことを中心に進めていきます。カードや可能であれば動画などを利用します。
③母語の確立状況
外国にルーツを持つ子どもにとって、この視点が一番大切だと私は思っています。
可能であれば、自治体に所属している通訳に来てもらい、どのくらい理解できているのかを確認します。読んだり書いたりは、年齢によってはまだ母国でも学習していない場合があるので、まずは話したり聴いたりできるのかを確認します。
母語が確立している子どもは、概念理解も早く、保護者とコミュニケーションをとることができます。そのため言語を使って自分の気持ちを言い表すことができるため、精神的にも安定していることが多いです。
一方、母語が確立していない子の場合は、視覚教材を使ってもそれ自体が何かわからないことがあるため学習に時間がかかります。保護者とコミュニケーションを円滑に取れない場合もあり、親子間で共通理解ができないなど、学習以外でも課題があることがあります。
何の言語でも意思疎通を図ることが難しい子どもは、「ダブルリミテッド」と言われる課題があることがあります。これに関しては今後別の投稿で書いていきます。
今回は、私が大切にしている「3つの視点」についてお伝えしました。
初期指導で大切なのは、目の前の子どもを「日本語ができない子」として一括りにするのではなく、多面的な視点でその子を分析することで今後の効果的な指導につなげていくことです。
とはいえ、「視点はわかったけれど、具体的に明日からどう接すればいいの?」と迷われる方も多いかもしれません。
次回は、この3つの視点を「具体的にどのように指導計画に落とし込むか」という実践編を書いていきます。ぜひフォローしていただけると嬉しいです。
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