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使う側の気づき次第!本を借りるだけじゃない。鳥取県立図書館が、全国No.1の理由を実際に使って確かめてきた

「図書館って、本を借りる場所でしょ?」

正直、わたしもそう思っていました。

鳥取に移住してから、鳥取県立図書館に初めて足を運んだのは、化学系の仕事をしていた頃のことです。専門書が必要になって、「まあ、あったら借りようかな」くらいの気持ちで訪ねました。

でもあの日のことは、今でもよく覚えています。


「どんな情報をお探しですか?」

入館してすぐ、スタッフの方に声をかけられました。

「化学系の技術に関する文献を探していて……」とぼんやり伝えると、「少し詳しく教えていただけますか?」と続きます。

テーマを話すうちに、気づいたら20分ほど経っていました。

スタッフさんは、頭の中で調べ方の見当をつけながら、「こういったデータベースはご存じですか?」と資料を出してくれました。科学技術情報の専門データベース『JDream III』。普通は有料で使うものが、県立図書館では無料でアクセスできると教えてくれたのです。

「ちなみに、こんな蔵書もあります」と案内してもらいながら書架を歩くと、化学・バイオ・製薬系の専門書が思ったより揃っていました。鳥取の図書館に、こんなに技術系の蔵書があるとは思っていませんでした。

「本だけじゃなくて、こんな使い方があったのか」

素直に、驚きました。

図書館で専門的な一次情報にアクセスできる。そのための相談窓口がある。相談に乗ってくれるスタッフが、想像よりずっと知識を持っている。

「図書館=本を借りる場所」というイメージは、その日に完全に書き換えられました。


化学系の仕事を離れてから、見えてきたもの

それから数年が経ちました。

わたしは化学系の仕事を離れ、鳥取でまた別の仕事に就いています。そして最近、鳥取で自分の事業を持てたら、という考えが頭の片隅にちらつきはじめています。

そんな気持ちを持ち始めてから、改めて県立図書館の「ビジネス支援」コーナーの存在が気になりました。

市場調査、競合分析、業界レポート。企業向けのデータベースが揃っていて、中小企業診断士への相談会も定期的に開かれています。融資前の相談ができる金融機関との連携まで、整えられていると知りました。

起業のアイデアを温めている段階から、専門家に相談できる場所が、無料で、身近にある。

「起業前に行くべき場所はどこか?」という問いへの答えが、案外すぐそこにあったことに、少し笑ってしまいました。


「全国No.1の図書館」が、鳥取にある

念のため調べてみると、驚く事実が次々と出てきました。

鳥取県立図書館は、図書館の先進的取り組みを称える賞「Library of the Year(LoY)」を、2006年・2016年・2019年に受賞しています。同賞を3度受賞したのは、全国でここただ一館です。

さらに、慶應義塾大学が行った調査では「活動が優れているから注目している図書館」として、全国の都道府県・市町村立図書館の中でNo.1の評価を獲得しています。

ビジネス支援だけではありません。医療情報・法律相談・就労支援・子育て応援・高齢者向けサービス。「人が暮らしの中で抱える課題」に寄り添うために設計されたサービスが、体系的に用意されています。

図書館をただの本を借りる場所だと思っていたら大間違い。「問題解決の場」であるという思想が、ここには根付いています。

隣の島根県立図書館を使ったこともあります。決して悪くはない。でも比べてみると、鳥取の突出ぶりが際立つ。自然と「なぜここまで来られたのだろう?」と思いたくなります。


小さい県だからこそ、ここまで来られた

鳥取県は、人口最少の都道府県です。

その小ささ=「スモールメリット」が、この図書館を育てたのかもしれないとわたしは思っています。

行政と住民の距離が近い。課題が見えやすい。だからこそ図書館が「ただ本を貸す場所」ではなく、「地域の人たちが抱える課題を、一緒に解決する場所」として進化していけた。外部の機関と連携しながら、少しずつサービスを積み上げてきた積み重ねが、気づけば全国No.1の評価になっていた。

弱みから生まれた強さが、ここにはあります。

スモールメリットを生かした宇宙産業の話↓


あなたの地元にも、眠っているリソースがあるかもしれない

鳥取の図書館の話をすると、決まって驚かれます。

「えっ、鳥取にそんなところがあるの?」

でも、もしかするとこれは鳥取だけの話ではないかもしれません。あなたの地元にも、まだ使い倒せていない公共インフラが眠っているかもしれない。そう思うと、少し世界の見え方が変わる気がします。

地方で知的に生きることは、難しいことではないと思っています。少なくとも、使う側の「気づき」次第で、景色はずいぶん変わる。

まずは一度、地元の図書館を覗いてみてください。わたしが化学系の専門書を探しに行ったあの日みたいに、思いがけない入り口が、どこかに開いているかもしれません。


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