22【ジジとババと、みなさまと私】まだまだ帰れませんぜ、の日
ショートステイに着くと、まずは車椅子で中へ入る。安全第一だ。
ショートステイ先には、病院のリハビリで慣れている歩行器を用意してもらっていた。
三つ並んだ歩行器の中から、父は病院と同じタイプの、使い慣れたものを選んだ。
これから一緒に歩く、相棒だ。
必要なものをレンタルしてくれる方から、名刺をいただく。
そのとき私は、改めて気づいた。
父の周りには、こんなにもたくさんの人が関わって、助けてくれているんだということを。
ショートステイに着いたときには、ちょうどお昼ご飯だった。
歩行器を押して歩き、歩行器を押して歩き、自分で椅子に座る。
そして父は、周りをちらっと見た。
ちょっと、不安そうな父を残して私と母は、看護師さんと薬の確認をするため、面談室へ移動した。
話が終わって食堂に戻ると、父はもう食べ終わったようだった。
職員のかわいいお姉さんに促されて立ち上がり、
洗面台で歯を磨いている。
その姿を見て思った。
ここまで回復して、よかったなぁ。
これから、お世話になります。
横を見ると、母がほっとした顔をしていた。
ひとまず行き先が決まって、肩の力が抜けたのだろう。
…でもね、ジジ。
まだまだ、帰れませんぜ。
今日も、ジジとババと、みなさまと私の一日。

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