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タローマン万博大爆発と空っぽ埴輪の日:埴輪・土偶リミックス 2025.7〜9

アートをつくるとき、モチーフやアイデアの源泉に土偶や埴輪を選ぶことは大きな選択だと思う。単に美的センスの側面でも、太古の洗練されたデフォルメ技術やユーモアさを嫌味なく再現するのはとっても難しい。しかも埴輪・土偶となると、岡本太郎の縄文論にあるように日本の国民性とか2000以上、紀元前の歴史の重みとか人類だとかそういう意義が乗っかってくる。

国立近代美術館「ハニワと土偶の近代」展より
左:斎藤清《土偶》 1959 福島県立美術館、
右:斎藤清《ハニワ》 1953 福島県立美術館

だから埴輪や土偶を自身の作品に組み込む人は、かなりの哲学や文脈を踏まえた思考を持っているってことだ!でもただ単にかわいいし、かっこいいからっていう理由でも全然ありだし、1番にはそういう楽しみ方がしたい。

なすにきびが主に東京で見たものを中心に、2025年7月から9月までの埴輪土偶イズムを感じる作品をまとめて紹介。埴輪・土偶リミックス

◯タローマンまだ見てない!

縄文といえばの岡本太郎。前回の記事でも紹介しましたが、今回はついにTAROMANの映画「大長編タローマン 万博大爆発」が公開。1972年のTAROMAN19話、「芸術は進歩するものではない」ぶりに奇獣・縄文人も登場しているらしいので見たいけれど、8月22日からやっているのにまだ見てない。

そして渋谷パルコのほぼ日曜日では、9月14日からイベントがやっています。タローマン愛に溢れる充実した展示内容だった!↓以下縄文系のキャラたちの写真ですが、それ以外にも、色んなでたらめレプリカやグッズが見れるので、タローマンファンの方にはおすすめ。

犬の植木鉢とか
しっかりどんぐりで満たされる土器
縄文要素の入った《顔》も謎のロボットみたいなやつに
(左上)
大きなサイズの縄文人で満足
こっちにも律儀にどんぐりを散らしている
これもやってほしい

◯舟越保武ー岩手県立美術館

次に埴輪イズム。岩手県立美術館には、岩手県二戸出身の彫刻家の舟越保武特集のフロアがある。父も自らもカトリック信者なこともあり、神秘的な静謐感を漂わせる保武の彫刻ですが、そこに埴輪感が乗っかったのが《原の城》。

この空虚感。埴輪といえば中身が空洞ですが、その「空」の力が外側にも作品全体が纏う傑作。ブロンズの1体目はバチガン美術館に所蔵されたらしく、国内外から評価を受けたことがわかりますが、東京国立美術館にもブロンズの個体があります。作品説明がこちら↓

「はらのじょう」は、1637(寛永14)年に起こった島原の乱で、弾圧に苦しむカトリックの信徒(キリシタン)や過重な年貢にあえぐ農民による反乱の拠点となった城の名前です。反乱軍は、10万を超える幕府軍を前に敗れ去り、ほぼ全員が殺害されました。その数は27,000とも37,000とも言われています。キリスト教の信徒である舟越は、春のある日に城の跡を訪れて、討ち死にしたキリシタン武士を、「雨あがりの月の夜に、青白い光を浴びて亡霊のように立ち上がる姿」として思い描きました。その印象に基づきつくられたのが本作です。

こちらの写真からはあまりわからないけれど、横から見ると上半身が少し前のめりになっているのです。まさに蘇った亡霊!

埴輪は戦時下など特に、その朴訥さ、明るさから「大和魂の理想像」と言われたりしていたけれど、この《原の城》は埴輪感はあれど、弱さが極限まで引き上げられている。実物を見るとさらに崩れ落ちていきそうな、空の埴輪で、すごいです。埴輪っぽくはないけれど、同じような空虚感がある作品として、隣に《ダミアン神父》というのもいます。岩手県立美術館は他にも保武の子供の桂、松本竣介、萬鉄五郎の名作をいっぱい見れるのでかなりおすすめ。

ダミアン神父

◯猪熊弦一郎ー府中市美術館

こちらも埴輪。府中市美術館から9月20日から始まった、「フジタからはじまる猫の絵画史 藤田嗣治と洋画家たちの猫」展で、無類の猫好き画家・猪熊弦一郎による「猫×埴輪」の大作を見ることができます。

↑藤田描く、言ったら正統派である可愛い猫に対して、猪熊は抽象化された面白可愛い猫。どこが埴輪なのかお分かりでしょうか。展覧会キャプションにもありましたが、人物や猫の顔に注目すると、目や鼻がシンプルな直線で描かれていて、いかにも埴輪リミックス。顔だけ引用するとこうもミステリアスな印象になるのか!という新鮮な驚きがあるなー。

国立近代美術館「ハニワと土偶の近代」展より
丸亀市猪熊弦一郎現代美術館

昨年の国立近代美術館「ハニワと土偶の近代」展に行った方は見覚えがあるかも?猪熊の「猫×埴輪」絵は他にも。↑この《猫と住む人》の方が色的には埴輪っぽいかも。歴史学的にいうと、猫が日本に伝来したのは飛鳥時代らへんだと考えられているらしいので、この「猫×埴輪」はその歴史も超えたロマンもこもっているかもしれない。猫好きの猪熊だから描くことができる埴輪作品。

◯縄文シャワーー兒嶋画廊、国分寺市

最近知ったもの。国分寺出土の土偶と、その縄文シャワーを浴びた作家、児島善三郎、井上有一、勅使河原蒼風などの作品を同じところで展示するという、なんとも素敵なコンセプトな展示がやっていたらしい!予定合わず行けませんでしたが、もう7回目だったみたいなので8回目にも期待!

◯おまけ縄文の女神ー山形駅

滑らかでなかなかオシャレ
ヘンリー・ムーアっぽさもある?

山形県といえば、縄文の女神が有名?なのかな。祖母が住んでいてよく行くのですが、この前初めて山形駅の西側にこんな土偶ベンチがあることに気がついた。女神がいいポーズしている!

◯おまけ埴輪ー東博

そして8月28日、ハニワの日おめでとう!いつも時間があまりなくて行かない東博の平成館に久々に行ってきた。土偶関連のアートが多めなこのハニワ・ドグウリミックスですが、なんか今回は埴輪もしっかりあったので嬉しい、、、?

柔和な表情でも影になるとかっこいいですね。
武士っぽい。

以上、2025年7月から9月の土偶・埴輪を感じた作品・展示たちでした。他にもあったらぜひ教えてください。

埴輪・土偶リミックス 2025 10~12 に続く。

◯おまけ土偶

いろんなところで「世界遺産 縄文展」が開催中らしいです。

関係のない変な土偶


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なすにきび...勝手美術 偏った美術愛ですが、面白いなと思っていただけたら、いいねフォローなどよろしくお願いします。大変はしゃぎます。