[連載小説]ソグディアナ物語17-①
第十七章 康国ナオシャンダ姫とニルファナ
前回の話
ここまでのあらすじ
『シルクロードJUN JUN』のソジュンはデビューし、ミュージカルでも活躍。
初期メンバーの純一は、シルクロードの研究者に。
二人は、マネージャーのアン・ミンジェとサマルカンドへ旅することになった。
ソジュンはタイムスリップしてラクダのキャラバンでシルクロードの旅に出た。たどり着いたオアシスで出会った娘ロクサナに恋心を抱いた。
一方、ソジュンが消えブハラに残されたアンミンジェは途方に暮れていた。
そこに現れたのは古代の出立ちの金旭俊と名乗る若者。
しかもメイク兼スタイリストのNAOがハイテンションでやって来た。
一方、オアシス亀茲で会った遣唐使純麻呂と思っていた人物は実は純一本人だとわかり、ソジュンと純一は再会を喜んだ。
そこにラクダの隊商と一緒に、NAOがやって来た…
柴犬あんさんの作ってくれた
オープニング曲
第十七章
康国ナオシャンダ姫とニルファナ
17-①康国ナオシャンダ姫
NAOが亀茲に来た状況を振り返ろう。
ブハラに到着したNAOが、翌朝、目を覚ますと、宿の前には数十頭も連なるラクダの隊商がいた。
NAOは、驚いて辺りを見回した。不思議なことに前日見たブハラの宿の周囲とは風景が変わっていた。
どこかから聞こえる『カツカツする音』の方を見上げると、高い木の上の巣に座っていた白い大きな鳥が急に立ち上がり、大きな翼をバサバサ羽ばたかせて、空の向こうに飛び去っていった。
(えっ、コウノトリ?もう、この辺りにはいなくなったって、昨日のガイドさんが言ってなかったかしら?)
首を傾げて辺りを見回すと、ラクダの後ろには馬に跨った男たちがいた。その中には、NAO好みの日に焼けた精悍な若者がいた。
(うわっ、タイプ!!)
チラッと見た時、その男と目が合った。視線に気づいた若者は、白い歯を見せ、無邪気そうな微笑みをかえした。
NAOがときめいていると、前方のラクダに乗った隊商の男が、丁重に挨拶をした。
「迎えに参りました。ナオシャンダ姫」
「姫??」
さすがのNAOも驚いて、その後の言葉が出てこない。
今度は、さっき目があった馬に跨った屈強な男が言った。
「羅馬は、楽しかったか?ナオシャンダ。
亀茲へは、我ら突厥も共に参ろう」
(うわっ声も素敵!ますますタイプ)
するとラクダの隊商の中程にいた女性がこちらに歩み寄ってきた。トゥルバンの下の薄い絹のベール越しに緑の瞳を輝かせて微笑んでいるのが見えた。
亜麻色の髪を編み込んだ女性の歳の頃はNAOと同じくらい。娘は、ラクダから降りて丁寧に挨拶をはじめた。
「ナオシャンダ姫、お久しぶりでございます。ダダンブクの次女ニルファナにございます。
康国(マラカンダ=サマルカンド)にお招き頂き、ありがとうございました。おかげで康国や波斯国で流行りの西域舞踊の勉強ができました。
いよいよ亀茲に帰国することになり残念に思っていましたが、まさか羅馬から帰られたばかりのナオシャンダ姫が亀茲に行かれるとは思いもしませんでした。
康国王のお父上が、ナオシャンダ姫が羅馬へ旅することを許可されたことも驚きました。
男装が条件ということでしたが…羅馬路はいかがでしたか?
旅の途上で、羅馬の土産話をたっぷり、お聞かせくださいませ」
NAOは、この状況を少しは疑問に思った。
(ロケがあるってことはアンマネージャーに聞いていたけど。今回の企画には私も参加するの?姫役で??
確かにローマには行ったけど。
それにしても大掛かりな演出ね…
みんなとは別行動なのかしら?
まあイケメンも一緒だから楽しそうだから、いいけど…)
こうして、NAOは砂漠を越えて亀茲にやってきた。
第十七章、後半
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