[連載小説]ソグディアナ物語16
前回の話
ここまでのあらすじ
『シルクロードJUN JUN』のソジュンはデビューし、ミュージカルでも活躍。
初期メンバーの純一は、シルクロードの研究者に。
二人は、マネージャーのアン・ミンジェとサマルカンドへ旅することになった。
ソジュンはタイムスリップしてラクダのキャラバンでシルクロードの旅に出た。たどり着いたオアシスで出会った娘ロクサナに恋心を抱いた。
一方、ソジュンが消えブハラに残されたアンミンジェは途方に暮れていた。
そこに現れたのは古代の出立ちの金旭俊と名乗る若者。
しかもメイク兼スタイリストのNAOがハイテンションでやって来た。
柴犬あんさんが作ってくれた
オープニング曲
第十六章 ソジュン、純一の再会そしてNAOの登場
さて話は再び、ソジュンがたどり着いた古代シルクロード、砂漠のオアシス都市・亀茲の話に戻る。
そこでは、いつものように穏やかな朝を迎えようとしていた。
「ソジュナ!ソジュナ!!」
ソジュンは、自分を呼ぶ声で目を覚ました。
(えっ?誰??……ソジュナって呼ぶってことは……?まさか?!)
「まさか…純一??」
「ソジュン?あーやっぱ、ソジュンだったんだ!」
「マジ?てことは純麻呂じゃなくて…純一?どゆこと??
それなら、そうと早く言えよ〜!」
「ごめん…だって俺だってソジュンかどうか自信なかったんや」
「すっかり遣唐使になりきってたの、あれ何だったんだよ〜!」
「ごめんって…許してや!それでさ、ソジュンは、どういう経緯でここ来たん?」
ソジュンは、ここまでのことを話した。
「ブハラで宴会があっただろ?翌朝、起きたら見た目は昔の格好だけど、アン・マネージャーそっくりな人が迎えに来てさ。ラクダに乗れって言われてね。『これはアン・マネージャーが仕掛けたドッキリだろ』って思ったんだ。ラクダに乗って雪山越えするハメになって。砂漠を旅する頃には、さすがに変だと思った。砂漠で死にかけたよ。やっとのことでオアシスに来たってわけ……で、純一は?」
「そっかー。俺の方は起きたら敦煌だった。さすがにパニクった。
何が起きたかわからないし……しばらくしたら、そこにブハラの長老そっくりな商人がやってきてさ。その人がダダンブクさん。それで誘われて、ここに着いたってわけ」
純一も、ここまでの経緯を説明した。大阪出身の純一は、普段、ソジュンといる時は韓国語で話すのに、焦ると関西弁がでる。少しは日本語のわかるソジュンと、日本語・韓国語混じりの会話になった。
「え〜??マジかよ!真顔で『純麻呂』って名乗っていたじゃん?しかも『貝の交易』がどうのとか…どゆこと?」
「いや、その辺りの話は、はっきりは覚えてないんだよなぁ……もしかしたらなんだけど『純麻呂』本人の記憶だったんじゃない?」
「え?混ざってる感じなの?」
「うーん、変なこと言うってバカにしないで欲しいんだけど、なんか混ざってる感じなんだ」
「それな!いや、そういう感じわかる。オレにもそういう瞬間あるかも…」
「えっ?ソジュンも??不思議な感覚だよな。
最初は戸惑ったわ。でも俺の場合、この時代は専門だろ?正直言って唐代にタイムスリップしたなんて、逆に『ラッキー』って気持ちもあってな。あちこち見て回ったんよ。文書や日記みたいな記録も読みまくって、どうやら持ち主が遣唐使、純麻呂だとわかった。戸惑ってはいたよ。推理するみたいなのが楽しくなったのも本音かな。推理小説読むみたいに純麻呂の留学日誌を読み込んだんだ」
「そっかー、まあ、なんかホッとしたよ。一人だけタイムスリップしたのかって心細かったんだ」
「うん、だよなぁ。
それとさ、ソジュナ。お前も何回もみる夢の話をしてたよな。実は、俺もよくみる夢があってね。それが『長安や敦煌に行く夢』でな。ここにいたら思い出すみたいな感覚あってさ。
遣唐使や南海の貝交易とかのエピソードが思い出すみたいに浮かんで、自分で驚いたわ」
「え〜??」
「知らんけどな…」
純一の話は途中からほぼ日本語になった。ソジュンには半分くらいしかわからなかった。
(いつも冷静な純一すら相当参ったんだ…)
その気持ちはソジュンにも伝わった。
そこにチャドがやって来た。
「旭俊様、お連れの方が到着しました」
「え?お連れって誰のこと?」
二人が入り口を見ると……まさか、
スタイリストのNAO!?
本名直人だが、心は乙女。事務所と契約しているフリーランスのヘアメイクアーティスト兼インフルエンサーだ。
「うわーなんか久しぶり!!ソジュンく〜ん!
えっ、なになに、そちらの方は……
もしかして、純一さまぁ?!
シルクロード JUN JUN初期メンバーの?!実はホンデの頃から推しだったの〜覚えてらっしゃる?」
ソジュンも純一も思わぬ来訪者に驚きが止まらない。
「な、なんで、NAOがここに?!」
「えーーー!!どゆこと??」
「アタシ、ローマで別件の撮影だったの。そしたら社長がね〜、『サマルカンドにソジュンがいるから、せっかくだから、お前も帰りにサマルカンドに寄ってメイクして写真や動画とってアップしてくれないか』ってメール来て、ローマから急遽サマルカンド行きに変更して来たのよ〜。
乙女のアタシ一人で、メイク道具と衣装ぜーんぶ持ってよ〜重かったわぁ」
NAOは、そこまでの経緯を話しだした。
サマルカンドからブハラに行ったところまではソジュンたちと同じコースだった。どうやらサマルカンドからブハラに案内したガイドが急いで帰ったのは、NAOを迎えに行く予約があったからだったらしい。
「ブハラに着いたのに、マネージャーは忙しそうにしていて、ソジュンくんの帰りを部屋で待ってたのよ〜
荷物もそのままだったから、『おかしいわ』って思ったけど。時差もあるでしょ。
寝不足はお肌の大敵だから、『寝てたら帰るでしょ』って思って配信のあと、ホテルの人が用意したアロマ炊いて、サマルカンドで買ったパックして、すぐ寝たのね。朝起きたら『ラクダちゃん』いたからビックリよ!
しかも〜〜スッゴいマッチョなイケメン迎えに来てくれたの。『姫、参りましょう』ですって……姫よ!!!なに??これって運命の出会い?
もうワクワクが止まらなくって。
どストライクの殿方とラクダで砂漠越えでしょ?楽しかったわぁ♡」
二人は呆気にとられて言葉も出ない。
「ねえ、で、何のロケなの?すっごく大掛かりねー?この本格的な衣装を誰が準備したの?すごいわぁ。
シルクロードが今回のコンセプトなのかしら?二人の斬新な髪型も素敵よ♡
……で、アン・マネージャーはどこかしら?」
NAOは、この事態を理解してなかった…
第十七章に続く
前編まとめ1〜12🐪🐪🐪
休暇中、移動の際など…
読んで頂けたら嬉しいです🐪🐪🐪
後編13〜
第二・第四土曜日連載中
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