[連載小説]ソグディアナ物語15
あらすじ
『シルクロードJUN JUN』のソジュンはデビューし、ミュージカルでも活躍。
初期メンバーの純一は、シルクロードの研究者に。
二人は、マネージャーのアン・ミンジェとサマルカンドに旅することになった。
ところがソジュンはタイムスリップしてラクダのキャラバンでシルクロードの旅に出ることに。
たどり着いたオアシスには、夢で何度も見た娘・ロクサナがいた。
ソジュンは、彼女に恋するようになった。
柴犬あんさん制作オープニング曲
前回は、こちら
さて、ここからの話は、いったん現代に戻る。
ブハラの宿で突然ソジュンがいなくなってしまって、アンマネージャーは途方に暮れていた。
ソジュンの世話のために海外までついて来たのに、自分が別行動している間に行方不明になったのだから。
宴の翌日の早朝、誰よりも先に目を覚ましたミンジェは民宿の老婦人に誘われ居間に呼ばれ、息子の若い頃の写真を見ながら昔話をした。数時間後、部屋に戻った時にソジュンたちがいなかったということだった。
「純一は?」
ミンジェが宿の人に尋ねると、
「純一さん?あ〜そう言えば…
『ソグドの話の続きを聴きますか?』って長老に誘われて何か約束をしていたみたいですが、まだ帰りませんか?」
宿の女主人と一緒に長老の家に行ってみたが、二人はいなかった。
「お連れ様たち、お二人とも、どこに行ったのでしょうね?」
宿の女主人も首を傾げた。
二人の帰りを部屋で待ったミンジェは、早朝、大きな物音で目を覚ました。
不審に思って外に出ると、宿の横のアーモンドの木の下に奇妙な出立ちの若者が立っていた。
「もしや……そなたがソグドの商人、チャクシダト(Čaxšidāt)か?
安国から亀茲に向かう旅の案内のソグドの者か……」
ミンジェは、驚きのあまり、言葉も出なかった。
(えっ??)
さらに若者は言葉を続けた。
「申し遅れた。我が名は、新羅から参った金旭俊と申す」
「え?!何と、おっしゃいましたか?」
「姓を金、名を 旭俊。金旭俊じゃ。
そなた、新羅の都、鶏林をご存知か?」
アン・ミンジェは、混乱して言葉が出ない。
(まさか……昔の衣装を着た『金旭俊』が、ソジュンと入れ替わったというのか?ということは……?!)
「喉が渇いた。済まぬが、何か飲む物はあるか?」
彼は、民宿の人に気づかれないように『金旭俊』を部屋に案内した。
(人に気づかれてはまずい。宿の人なら何とか誤魔化せるが、しまった……もっと厄介な人物が来る。)
事務所からもう一人来て、合流することになっていたのだ。
しかも、おしゃべりで有名なインフルエンサーNAO。
前夜、三人が泊まっていた部屋にNAOを泊まらせ、まわりに目立たない別の階の部屋に金旭俊とミンジェが泊まれるように手配した。
「アンミンジェ様、お連れ様がご到着ですよ」
(マズイッ…来てしまった)
その声を聞いた瞬間、ミンジェは、全身に冷や汗を感じた。
「ハ〜イ、アン・マネージャー!!
来ちゃった〜昨日は、サマルカンド満喫しちゃったー!
スザニや小物や香水でしょ。もう嬉しくって買いまくりよ〜。
ブハラも素敵なところね。ここ来る途中ガイドさんに、『コウノトリのハサミ』屋さんに回ってもらって、真っ先に買ってきたわ♡」
「そうそう配信しなくちゃ」
NAOは、部屋に戻ると動画配信を始めた。
「は〜い、プリンセスのみんな!
こんばんは♪
ねえ、ここどこだと思う
ジャーン!!
なんと、『青の都サマルカンド』
来ちゃいました!!
ここ、女子旅におススメよ!
いっぱい撮ってきました!
帰ったら、いっぱい動画あげるわね!
で、今日のお泊まりは、ブ・ハ・ラ
もう、アタシ、ここも気に入ったわ〜
見てみて!!
スザニでしょ、小物がかわいいの♡
お洋服も可愛くて、『theエキゾチック〜』って感じ!
待ってて、ちょっと着替えてくるわね〜
お待たせ!素敵でしょう?
これに、このスザニ巻いて…
プリンセスの完成でーす!
このままシルクロードの旅に行けそうよ〜
ああ〜素敵な殿方、迎えに来てくれないかしら?
ラクダでデート!いいわー
きゃー、素敵♡
今夜は、これで寝ようかしら?
いい夢見れそう!
今日のお手入れのポイントはコレ。
砂漠って乾燥してるでしょ?
だから乾燥対策大切よね〜
『砂漠に負けない保湿セット』をセレクトしました♪
基本のお手入れをした後は……
これこれ!
サマルカンドでゲットした、
ラピスラズリ入りのパックとサンダルウッドの香りのボディークリーム
これで、今からシルクロードのお姫様になっちゃいますね!
ますます楽しみよ♪
プリンセスのみんなも、いい夢みてね〜!!
アンニョン!」
第十六話に続く
前編1〜12まとめは、こちら♪
ここから後編
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