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僧侶女優にクリスチャンライターが質問してみた!髙柳美里さんインタビュー【後編】

浄土真宗大谷派の僧侶であり、舞台を中心にアニメ・ドラマでも活動する俳優・声優 髙柳美里さん。

異色の経歴に惚れ込んだ私が、無理やり依頼した独占インタビュー企画の後編です。

宗教者・女優としての姿勢、出演作への想いに加え、メンタル強化の秘訣など盛りだくさん!
さらに上演台本の執筆にまで、活動の幅を広げた理由とは。

明日を乗り越えるための活力になる名言の数々を、さっそく見ていきましょう。

前編を見てみる↓

髙柳美里さん:1994年7月15日生まれ。
真宗大谷派の寺院の長女として、小学校4年生で得度。
現在はお声明(しょうみょう)の研鑽に励む。
舞台・ドラマ・アニメで俳優としてもマルチに活動。
ポケモン好きで旅の記録としてゲーム配信にもいそしむ。
屋外のお写真はご本人提供。

出演作↓
ドラマ『青春バルブ』
TVアニメ『魔法少女ふらぴゅあ』
舞台『悪役令嬢〜ヒロインはじめました〜』
etc.

インタビュアー:多木瑠都(おおき・るつ)
美里さんと同い年のライター・劇作家!
禅宗寺院の長女だけど女は継げない雰囲気があり、
家を出てクリスチャンに。
ペンネームは旧約聖書のルツ記(本文内"るつ" で統一)。
処女作↓

強みは鋼メンタル!コールセンターで無双したのは宗教者としての価値観があったから

るつ
浄土真宗の僧侶として、親鸞の教えが俳優活動や日常生活で役立つことはありますか?
とくに演劇界隈って、ハラスメントが問題になるケースもあり、強い態度で接してくる人もいますよね……。
宗教的な観点から、嫌な相手にどう接するのがいいか気になります!

美里さん
リアリストで冷めているところがあるので、
正直自分の宗派の教義に、共感まではできなかったんですよ。

でも幼少期から、人が切り刻まれている地獄の様子が描かれた絵本を読んで育ったこともあり、仏教思想は根底にありました。

当たり前のように地獄や輪廻がある感覚だったので、
ムカつく相手がいても「あ? こいつ前世、虫やったんかな」と考えて(笑)。

別に私がなにか言って相手が改心するくらいなら、とっくに改心してるだろうな~と。
だから相手に対して、基本的に自分は優しく接します。
嫌な相手には「ああ、お前の前世畜生道か、人間道初めてなら優しくせなあかんな」みたいな(笑)。

【仏教ワード解説!】
畜生道
…仏教において輪廻転生する6つの世界=六道のうち、鳥・獣・虫・魚などの「畜生」に生まれ変わる世界。弱肉強食の競争にさらされると言われる。人間の世界「人間道」には、悟りのチャンスがある。

るつ
メンタル最強!

美里さん
過去にやっていたコールセンターでのアルバイトも、
普通につづけられました。

るつ
すごい、コールセンターなんて病んで辞めた人しか知らない……。

美里さん
嫌な言動を浴びても「あなた人間道初めてみたいだから、優しくしてあげる♥」って感覚ですね。
もちろん自分が悪いときは素直に謝りますが。

私みたいにメンタルが強い人って、基本的に性格悪いんですよ(笑)。
優しい人ほど「自分が悪かったのかな」と負担が大きくなるんですよね。

るつ
たしかに私も病んでたときのほうが性格良かったかも……
クリスチャンになって自分を好きになったら、相手の感情なんて気にしなくなったから、ある意味では性格悪いですよね(笑)。
でもクリスチャンって「優しい」っていう偏見があるから気まずい……。

美里さん
僧侶もそうです(笑)。

るつ
「立派な人しかいない」みたいなイメージも、
宗教が敬遠されがちな理由かもしれませんね。

美里さん
もっと親しみを持ってもらいたいですね。
良い意味で「なんだ、お坊さんも同じ人間なんだ!」
と思ってほしい。

私も勉強不足で、教義について聞かれてもわからない点はまだあります。
そのときは正直に「わからない」と伝えて、大学院まで出て実家を継いだ妹に聞きます(笑)。

るつ
妹さんと助け合いの関係になってるんですね!

怪談の朗読劇を執筆!女優でありながら脚本も書いた理由とふり幅の拡大

るつ
僧侶兼女優という時点でマルチすぎるのですが、
7月にご出演の朗読劇では、脚本もご自身で書かれたそうですね……!

美里さん
ミサキカク毎週公演という、毎週朗読やライブなどの公演をおこなうシリーズです。
私が浴衣で出演するのが「怪談倶楽部」。

使用台本をどうするか考えていたとき、
既存作品だと著作権の扱いがいろいろ面倒で……。

「じゃあ自分で書いちゃえばいいじゃん!」と思ったんです。

るつ
それですぐ書けて採用されるのすごすぎる(汗)。
(私なんか人に読ませられるしろものが書けるか不安で、脚本家に指導を受けてからやっと発表はじめたのに)。

美里さん
「どうしても書きたい!」というより、
「自分で著作権持っちゃえば怖くないじゃん」ってノリですね(笑)。

るつ
(そこもメンタル強すぎやろ)
さらに9月も舞台に出演されるんですよね!

美里さん
劇団art boxの旗揚げ公演『Transit 〜an echo chamber without noticing』です。

最初は「旗揚げ⁉」と思って……その劇団の最初の印象が決まるから、責任重大じゃないですか。

るつ
その分やりがいもありそうです!
どんなお話なんですか?

美里さん
歌手が主人公なんですが、そのお葬式から物語が始まります。
生前にさんざん周りに迷惑をかけ倒して「あいつ迷惑やったな」と言われるっていう(笑)。

るつ
本人の魂がお葬式に来てたら最悪すぎるシチュエーション!

美里さん
死の要素がありながらも、コメディ要素もあるお話ですね(笑)。
あと歌うシーンも! ぜひ注目ください。

るつ
ひとつ気になっているのが、美里さんのエックスで見た、とあるポストの内容で……。

今回の役は!
泣き喚いたり暴れまわったり煽り散らかしたり地団駄踏んだりキレ散らかしたり駄々こねたり高笑いしたりしません

以下エックスの投稿より

美里さん
今までは感情を大きく出す役がメインだったんです。
でも今回はナチュラルなお芝居が求められます。
あまり声をはらない役ですね。

そして観に来た人には、
「今までのほうがよかった」
「ああいう役のほうが合ってた」
とは思われたくない

「今回みたいな役もできるんだね」
と思ってもらうのはいいんです。

「いろいろやった上で、こんな役が得意そうだね」
もいい。

でも「これしかできない」にはなりたくない。
今回はダブルキャストの方もいらっしゃいますが、
私はシングルで全公演に出ます。

AパターンとBパターンのどちらも観てくれる人がいたとして、
「あれってどっちも同じ人なの⁉」
と思ってもらえたら成功だと思います。

るつ
素晴らしい気概!
私は同じような役ばかりやってる役者さんより、
ふり幅の広い役者さんのほうが見てて楽しいので、
美里さんの気概が嬉しいです(笑)。

美里さん
そもそも同じような役ばかりの役者さんって、
その役が得意なんだと思います。
「その役ができる人」だと信頼されているから、
お仕事も来る。

たしかに、いろいろな役ができる人には、
オールラウンダーな方もいるとは思います。

一方で「イメージが定まっていない人」
もいるかもしれない。
キャスティングされるときには「この役は絶対この人に!」
というより、
消去法で決まってしまっている場合もあると思います。

るつ
なるほど、たしかにオファーする側としては、
「熱血系の役はアイツがうまいよな」
とイメージがかたまっていると、スムーズにオファーできますもんね。

でも役者さんは「もっと幅広い役もやってみたい!」というもどかしさもあるわけで……。

美里さん
なので、
「この役はアイツだな。
いや待て、そう言えばあんな役もやってたよな……
じゃあこっちもイケるんじゃね?」
と思ってもらえるような役者
を目指したいです。

今回の役で幅を広げられたらと思います!

るつ
ふり幅が広がる役なんて楽しみすぎますね!

劇団art box
旗揚げ公演『Transit 〜an echo chamber without noticing』
は2026/9/4~9/6まで、
東京都北区の劇場「シアター・バビロンの流れのほとりにて」

で上演されます!

感情的な演技が得意なはずの美里さんによる、
抑制のきいた演技……今こそ目撃してください!

公演情報を見てみる↓

るつ
今回は宗教に演劇に、メンタル強化の秘訣まで、濃いお話をありがとうございました!
阿弥陀様に守護された美里さんのご活躍を、イエス様の名によって祈念します(笑)。
またお話ししましょう~♪

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るつ@文学フリマ大阪14【と-35】 連載中の戯曲『緋色の桔梗』は推敲を経て、書籍化・文学フリマ販売を目指しています。サポートは制作費に使わせていただきます!※何らかの形で上演をする場合はご一報ください。